深刻な経営難に陥っている日本航空が,アメリカの大手航空会社から500億円程度の資本提携に向けた協議に入ったようです。この協議がうまくいけば,JALの筆頭株主がデルタとなることから,航空業界も国際レベルでの再編が期待される一方,現在のワンワールド連合からデルタ航空のスカイチーム連合に移ることへの慎重論もかなりあることから,この交渉がどうなるか,まだ予断を許さない状況のようです。
日航に国際的な合従連衡の波=米デルタとの提携、本格検討(時事通信) - goo ニュース
ハワイ便だとノースとJALが同じ扱いになってしまうかも?
私のハワイ旅行記でもちょろっと書きましたが,今年久々にJALでハワイに行きましたが,相当サービスが低下していました。表現を変えると,過剰なサービスを止めたともいえますが,いずれにせよ,相当な経営合理化を進めているようです。
しかも,政府支援も受ける方向で検討しているものの,「まだまだ甘い」と経営合理化策をダメだしをされてしまったことから,JALとしては相当窮地に追いつめられたといえます。
確かに,客に対するサービス見直しや路線廃止などを進めてきましたが,一方で,組合の厳しいパイロットの待遇などはほとんど手を付けていませんでしたので,政府支援を受ける条件として,パイロットの給与など待遇改善も見直すべきだというのは,はたで見ると当たり前だが,航空会社としてはアンタッチャブルゾーンの改善まで指導が入った訳です。いかにJALが万策尽きた状態であったのか推測されるところです(ただ,確かにパイロットの待遇は相当良いです。例えば,国際線の場合,CAとは宿泊するホテルのランクすら違い,Aグレード以上のホテルになります。もちろん,それなりのハードな仕事なので,相当な給料は支払われて当然ですが,顧客サービスを従業員であるパイロットの処遇よりも先に削ると発想は,やはり世間から受け入れがたいでしょう。)。
そんな状態において,今回のデルタ航空からの資本提携は,「経営の立て直し」と「バックボーンの強固化」,そして「国際的な連携による路線の合理化」が図られることが期待されるため,JALとしてみたら,まさに渡りに船といえるでしょう。
しかし,この話,そうそう簡単にはいきません。
まず,航空法の規定により,外国会社は資本の3分の1以上の出資はできませんから,デルタ航空は筆頭株主になったとしても,過半数を取得していない以上,絶対権力までは得られません。したがって,せいぜい「役員を若干名送り込む」程度しかできません。はたして,これでデルタ航空側は十分自社へのメリットが得られるのか,若干疑問もあります。
デルタ航空は決してボランティアや慈善事業としてJALへの出資をするのではなく,「アジア路線での市場拡大」という商売目的で出資するからです。当然,儲からなければ,資本提携はしませんし,仮に資本提携してもすぐに株式を売却してしまうという可能性だってあるわけです。
また,JALは現在アメリカン航空などで構成される「ワンワールド」連合に属しています。これにより,コードシェア便の運行や,以遠権により直接飛行機を飛ばせない大西洋路線についても,円滑な乗り継ぎができるようにするなどしています。
しかし,デルタ航空は「スカイチーム」連合に属しています。これは,デルタが合併したノースウェストやKLM,エールフランスなどで構成されていますので,もしデルタ航空がJALに対する支配を高めるのであれば,当然自社の損益勘定を踏まえて,「JALもスカイチームへ」ということになります。
そうなると,場合によっては大がかりな路線見直しや運行時刻の変更などが余儀なくされます。
これについては,JALの経営方針そのものに対する影響すら余儀なくされる可能性もあることから,経営サイドはもちろんのこと,一部政府筋からも連合変更については慎重論が出されておりますから,この話の持って行き方如何では,資本提携の話は大きくぶれてくるかもしれません。
ちなみに,ちっちゃい話ですが,成田発のハワイ便は大きく分けて「JAL」と「ノースウェスト」の2社がメインとなっています。もし,JALがデルタ航空の傘下にはいると,このハワイ路線すら大きく見直されるかもしれません。おそらく,待っているのは「減便」です。いやあ,困った,困った・・。
まあ,冗談はともかく,かつて半官半民であったJALは,今でも日本の空を担う筆頭与力な訳ですから,政府としても,安易な融資はできない反面,JALをつぶしてはならないとプレッシャーもあるため,デルタの支援を受けることでJALが守れるという本音もあるのではないでしょうか。ただ,外資参入により,さまざなま利権も失う可能性があります。
とはいえ,政権も変わったわけですから,こうした利権というしがらみを見直すにはちょうどよいチャンスかもしれません。
JALが文句なし日本代表の航空会社となるためには,日本国内のしがらみのことだけを考えず,世界全体の航空業界の状況も踏まえて方針を決めることがよいでしょう。
一方で,デルタ航空の資本提携は,決して「これでリストラ終了」という意味ではありません。安全確保の費用はアンタッチャブルゾーンになるでしょうが,それ以外の部分の経費については,引き続き厳しく見直す作業を進めなければなりません。
「安全,そして快適な空の旅」,これが維持されるよう,JAL経営陣にはこの交渉も含めて引き続き頑張ってほしいものです。某国の航空会社の口コミのように「乗り心地が悪い」,「恐いし危ないし不安」,「サービスひどい」などと言われないようにしてほしいものです。「世界にJALあり」という存在を目指すくらいの勢いまで経営が回復すればよいのですが・・。
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http://palodysong.exblog.jp/11933794
日航に国際的な合従連衡の波=米デルタとの提携、本格検討(時事通信) - goo ニュース
ハワイ便だとノースとJALが同じ扱いになってしまうかも?
私のハワイ旅行記でもちょろっと書きましたが,今年久々にJALでハワイに行きましたが,相当サービスが低下していました。表現を変えると,過剰なサービスを止めたともいえますが,いずれにせよ,相当な経営合理化を進めているようです。
しかも,政府支援も受ける方向で検討しているものの,「まだまだ甘い」と経営合理化策をダメだしをされてしまったことから,JALとしては相当窮地に追いつめられたといえます。
確かに,客に対するサービス見直しや路線廃止などを進めてきましたが,一方で,組合の厳しいパイロットの待遇などはほとんど手を付けていませんでしたので,政府支援を受ける条件として,パイロットの給与など待遇改善も見直すべきだというのは,はたで見ると当たり前だが,航空会社としてはアンタッチャブルゾーンの改善まで指導が入った訳です。いかにJALが万策尽きた状態であったのか推測されるところです(ただ,確かにパイロットの待遇は相当良いです。例えば,国際線の場合,CAとは宿泊するホテルのランクすら違い,Aグレード以上のホテルになります。もちろん,それなりのハードな仕事なので,相当な給料は支払われて当然ですが,顧客サービスを従業員であるパイロットの処遇よりも先に削ると発想は,やはり世間から受け入れがたいでしょう。)。
そんな状態において,今回のデルタ航空からの資本提携は,「経営の立て直し」と「バックボーンの強固化」,そして「国際的な連携による路線の合理化」が図られることが期待されるため,JALとしてみたら,まさに渡りに船といえるでしょう。
しかし,この話,そうそう簡単にはいきません。
まず,航空法の規定により,外国会社は資本の3分の1以上の出資はできませんから,デルタ航空は筆頭株主になったとしても,過半数を取得していない以上,絶対権力までは得られません。したがって,せいぜい「役員を若干名送り込む」程度しかできません。はたして,これでデルタ航空側は十分自社へのメリットが得られるのか,若干疑問もあります。
デルタ航空は決してボランティアや慈善事業としてJALへの出資をするのではなく,「アジア路線での市場拡大」という商売目的で出資するからです。当然,儲からなければ,資本提携はしませんし,仮に資本提携してもすぐに株式を売却してしまうという可能性だってあるわけです。
また,JALは現在アメリカン航空などで構成される「ワンワールド」連合に属しています。これにより,コードシェア便の運行や,以遠権により直接飛行機を飛ばせない大西洋路線についても,円滑な乗り継ぎができるようにするなどしています。
しかし,デルタ航空は「スカイチーム」連合に属しています。これは,デルタが合併したノースウェストやKLM,エールフランスなどで構成されていますので,もしデルタ航空がJALに対する支配を高めるのであれば,当然自社の損益勘定を踏まえて,「JALもスカイチームへ」ということになります。
そうなると,場合によっては大がかりな路線見直しや運行時刻の変更などが余儀なくされます。
これについては,JALの経営方針そのものに対する影響すら余儀なくされる可能性もあることから,経営サイドはもちろんのこと,一部政府筋からも連合変更については慎重論が出されておりますから,この話の持って行き方如何では,資本提携の話は大きくぶれてくるかもしれません。
ちなみに,ちっちゃい話ですが,成田発のハワイ便は大きく分けて「JAL」と「ノースウェスト」の2社がメインとなっています。もし,JALがデルタ航空の傘下にはいると,このハワイ路線すら大きく見直されるかもしれません。おそらく,待っているのは「減便」です。いやあ,困った,困った・・。
まあ,冗談はともかく,かつて半官半民であったJALは,今でも日本の空を担う筆頭与力な訳ですから,政府としても,安易な融資はできない反面,JALをつぶしてはならないとプレッシャーもあるため,デルタの支援を受けることでJALが守れるという本音もあるのではないでしょうか。ただ,外資参入により,さまざなま利権も失う可能性があります。
とはいえ,政権も変わったわけですから,こうした利権というしがらみを見直すにはちょうどよいチャンスかもしれません。
JALが文句なし日本代表の航空会社となるためには,日本国内のしがらみのことだけを考えず,世界全体の航空業界の状況も踏まえて方針を決めることがよいでしょう。
一方で,デルタ航空の資本提携は,決して「これでリストラ終了」という意味ではありません。安全確保の費用はアンタッチャブルゾーンになるでしょうが,それ以外の部分の経費については,引き続き厳しく見直す作業を進めなければなりません。
「安全,そして快適な空の旅」,これが維持されるよう,JAL経営陣にはこの交渉も含めて引き続き頑張ってほしいものです。某国の航空会社の口コミのように「乗り心地が悪い」,「恐いし危ないし不安」,「サービスひどい」などと言われないようにしてほしいものです。「世界にJALあり」という存在を目指すくらいの勢いまで経営が回復すればよいのですが・・。
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日航のマークが、鶴のマークから現在のに
変わったのが2年位前でした?
世代的に、何だかんだ言いながら
“鶴のマーク”の日航に
一種の信仰近いものがあったので
当時寂しかったですが・・・
それにしても、
デルタ航空傘下になっちゃうのね?
時代の流れとはいえ、残念です
PS:(ここだけの内緒話ですが)
この8月に
出雲空港から羽田までJALに乗りましが・・
今まで乗った中で、一番スッチーが
所謂・・・その~~
「ブ●だった~~」
って、CAウオッチャー「オヤジー」が
嘆いていました。
質の低下は、その辺からも?(
そういえば,JALは鶴マークでしたね。「どじでのろまな亀」で有名なあのドラマも,もろ「鶴マーク」でしたよね(しかし,大映ドラマの撮影協力した企業は,その後,結構経営が大変になるところが多いですね。これも時代の流れかも?)。
スッチーの質,確かに微妙かも・・。ハワイ便に関してはさほど違和感がなかったですが,人数は少なかったような気がします。やはりCAは重労働だから人気も減っているのかなあ??