住民投票によって解職された阿久根市の竹原市長の出直し選挙が16日に行われ,開票の結果,新人で竹原市長の解職運動の中心人物である西平良将氏が現職の竹原氏を破り初当選しました。
投票率は,前回とほぼ同じ82.39%でした。
阿久根市長に西平氏が初当選 出直し選、竹原氏及ばず(共同通信) - goo ニュース
有権者の民意は完全に二分されている
まずは,今回の開票結果です。
西平氏 8,509票
竹原氏 7,645票
二人の得票差はわずか864票ということですが,解職を求める住民投票の際は,その差が398票でしたから,単純計算では,住民投票から今回の選挙までの間に,さらに500人程度の有権者が反竹原に回ったという形になります。
ところで,今回の選挙ですが,細かい説明は他の方がに譲るとして,ざっくりいうと,「竹原市長の独善的といわれる各種手法や改革案に対する是非」を問う選挙であったと言えます。そして,その結果,阿久根市民は,竹原氏の手法についてのNOといったといえるでしょう。
ただし,市民は決して改革自体を否定している訳ではありません。世論調査などによると,竹原氏の改革の精神それ自体を否と思っている方は少なく,基本的には「市政の改革は必要」と思っている市民が大半であったと言えます。
しかし,いわゆる市職員や議会軽視ともいえるような独善的な手法について,それが本当に街のためになるのかっていう点について,意見が二分したと言えます。今回の選挙のポイントは,まさに「こうした手法の是非」がメイン論点だったのです。
つまり,今回の選挙結果を整理すると,阿久根市民は,「改革は進めてほしいが,独善的なやり方はだめ。やはり,市民の代表である議員と協調しながら改革を進めるように」っていう選択肢を選んだということになるのです。
ただし,「独善的でもいい。改革はもっとやれ。」という意見も半分弱あるというのが実態ですから,西平新市長としても,こうした声は無視できないでしょう。すなわち,「改革が進んでいない」という状況になれば,容赦なく市民は西平市長に対してNOと言ってくるはずです。
したがって,西平市長は,「何が本当に市民のための改革なのか」という視点を忘れることなく,後戻りしたという評価を受けないような市政運営が求められるでしょう。
そして,西原市長が望むような市政を運営するためには,議会の構成がものを言います。現状では,16議席中,竹原派は4名でしたが,2月20日に議会の解散の是非を問う住民投票が実施されます。まず,この段階で有権者がどのような意思表示をするのかがポイントとなります。すなわち,もし,単に「竹原氏の手法がけしからん」だけが今回の市長選挙の結果であるとしたら,市民としては反竹原派が多数である議会を解散する必要はないわけですから,この住民投票は反対多数で否決されるはずです。
しかし,もしも住民投票で賛成多数で解散となった場合,市民としては「議会の態度も悪かったで。もっと市長の改革に協力せなあかんなあ。」っていう判断をしたことになるのです。
さらに,その結果,議会の構成いかんによっては,たとえ反竹原派が引き続き多数を占めたとしても,竹原派議員が現状より一人でも多くなったとしたら,市民の声は「やっぱ改革は少なくとも今程度のレベルのことはやってほしい」っていう意思表示であるといえるでしょう。
いずれにせよ,まだまだ予断を許さない阿久根市の状況です。ただ,市長も議員も,そして職員も,決して我田引水の考え方ではなく,「何が街にとって,市民にとって一番良い政策や改革であるのか。」っていう点を意識して運営してほしいものです。
そして,阿久根市民は,投票率をみる限り,他の市町村と比べて市政に強い関心を持っています。こうした市民意識の高まりを維持してほしいとともに,こうした市民意識が他の市町村にも波及してほしいと思います。
以上,阿久根市長選挙の短評及び今後の展望でした。
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TB先一覧
http://blog.livedoor.jp/di_tanicchy/archives/52240376.html
http://bbrsun.blog.eonet.jp/bbr/2011/01/post-2b5a.html
http://plaza.rakuten.co.jp/ryujisato/diary/201101170000/
http://blog.goo.ne.jp/hiroharikun/e/f9acbfed4fd3d83f4887be253179075c
投票率は,前回とほぼ同じ82.39%でした。
阿久根市長に西平氏が初当選 出直し選、竹原氏及ばず(共同通信) - goo ニュース
有権者の民意は完全に二分されている
まずは,今回の開票結果です。
西平氏 8,509票
竹原氏 7,645票
二人の得票差はわずか864票ということですが,解職を求める住民投票の際は,その差が398票でしたから,単純計算では,住民投票から今回の選挙までの間に,さらに500人程度の有権者が反竹原に回ったという形になります。
ところで,今回の選挙ですが,細かい説明は他の方がに譲るとして,ざっくりいうと,「竹原市長の独善的といわれる各種手法や改革案に対する是非」を問う選挙であったと言えます。そして,その結果,阿久根市民は,竹原氏の手法についてのNOといったといえるでしょう。
ただし,市民は決して改革自体を否定している訳ではありません。世論調査などによると,竹原氏の改革の精神それ自体を否と思っている方は少なく,基本的には「市政の改革は必要」と思っている市民が大半であったと言えます。
しかし,いわゆる市職員や議会軽視ともいえるような独善的な手法について,それが本当に街のためになるのかっていう点について,意見が二分したと言えます。今回の選挙のポイントは,まさに「こうした手法の是非」がメイン論点だったのです。
つまり,今回の選挙結果を整理すると,阿久根市民は,「改革は進めてほしいが,独善的なやり方はだめ。やはり,市民の代表である議員と協調しながら改革を進めるように」っていう選択肢を選んだということになるのです。
ただし,「独善的でもいい。改革はもっとやれ。」という意見も半分弱あるというのが実態ですから,西平新市長としても,こうした声は無視できないでしょう。すなわち,「改革が進んでいない」という状況になれば,容赦なく市民は西平市長に対してNOと言ってくるはずです。
したがって,西平市長は,「何が本当に市民のための改革なのか」という視点を忘れることなく,後戻りしたという評価を受けないような市政運営が求められるでしょう。
そして,西原市長が望むような市政を運営するためには,議会の構成がものを言います。現状では,16議席中,竹原派は4名でしたが,2月20日に議会の解散の是非を問う住民投票が実施されます。まず,この段階で有権者がどのような意思表示をするのかがポイントとなります。すなわち,もし,単に「竹原氏の手法がけしからん」だけが今回の市長選挙の結果であるとしたら,市民としては反竹原派が多数である議会を解散する必要はないわけですから,この住民投票は反対多数で否決されるはずです。
しかし,もしも住民投票で賛成多数で解散となった場合,市民としては「議会の態度も悪かったで。もっと市長の改革に協力せなあかんなあ。」っていう判断をしたことになるのです。
さらに,その結果,議会の構成いかんによっては,たとえ反竹原派が引き続き多数を占めたとしても,竹原派議員が現状より一人でも多くなったとしたら,市民の声は「やっぱ改革は少なくとも今程度のレベルのことはやってほしい」っていう意思表示であるといえるでしょう。
いずれにせよ,まだまだ予断を許さない阿久根市の状況です。ただ,市長も議員も,そして職員も,決して我田引水の考え方ではなく,「何が街にとって,市民にとって一番良い政策や改革であるのか。」っていう点を意識して運営してほしいものです。
そして,阿久根市民は,投票率をみる限り,他の市町村と比べて市政に強い関心を持っています。こうした市民意識の高まりを維持してほしいとともに,こうした市民意識が他の市町村にも波及してほしいと思います。
以上,阿久根市長選挙の短評及び今後の展望でした。
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ここまで、ほぼ河村市長の筋書き通りになったわけですが、この選挙は住民に必要以上の負担を背負わせてるのではないかという指摘もあります。
単に自分の思いどおりにならないからといっていちいち議会を解散したり、首長を失職させていたりでは地方公共団体の
機能がストップするばかりではなく、市政そのものへの信頼も低下します。
また、民意の集約はできても、それをまとめ上げることができなければ政治家として失格のような気さえします。
その点、報道を見る限り名古屋市と阿久根市と少し事情が違うのかなと思います。
あくまで、住民請求は最後の手段であると考え、資質のある政治家をいかに選ぶか、そして我々がうまく「使う」かがまず第一と考えます。
地方自治体は憲法上「二重の民主主義」が想定されていますから,議会と首長とのかい離は想定されています。なので,直接請求権なども認められているのですが,一方で,首長や議会もこうしたシステムを踏まえたうえで,「いかに協調していくか」というのも制度上想定されているのだろうと思います。
もっといえば,国政も衆議院と参議院という二重の民主主義を想定していますから,ここでもかい離にたいする手法がいろいろ定められています。
したがって,おっしゃるとおり,まずは選ばれた議員や首長が,きちんと運営をすることを試みるということが大切だと言えます。そのうえで,住民の意識と反することをやった場合に,住民請求によりNOと言える,っていうのがよいのかなあって思います。