あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

防災から減災へとは,すなわち「他力本願」から「自己責任」への移行でもある

2011年09月11日 02時06分40秒 | 災害・危機管理
10日に,CXで池上彰さんの特番がありました。
その中で,「防災から減災へ」という話が出ていました。これは従来から私も主張していた部分ではありますが,そもそも,地域防災計画の在り方自体も大きく変わる話でもありますので,それをうけてもう少し補足したいと思います。

そもそも,地域防災計画とは,行政視点で地域の防災方針をまとめたものです。すなわち,災害時の組織体制はもちろんのこと,避難場所の整備や備品の準備,さらには防災としてのインフラ整備などを規定します。いわば,「行政から与えられる防災対策」なのです。
雑に言うと,「災害対策はすべて行政で準備しますから,住民の皆さんは,とりあえず安心して暮らしてください。そして,行政から「災害だよ」って言われたら,お客さん気分で避難所に来てくれれば,あとは最低限の生活はできますよ。」っていうレベルの計画なのです。
これは,住民からしたら確かに楽です。言ってしまえば,何も気にせずに日常生活が送れるし,自分自身で防災のことを考えなくてすむからです。ある意味,理想的な内容とも思えます。
しかし,この防災計画,大きな弱点があります。それは,「計画にないような想定外の災害には対処できない」ということです。地域防災計画は,大前提として,「このとおりインフラ整備したから,災害は起こらない。でも,仮に起こったとしても,さくっと避難所に逃げてくれば,すべてが落ち着く数日間程度生活できるよ。」という内容になっています。ところが,想定外の災害が発生した場合,例えば,避難所が被災したり,街全体が孤立して救援物資が届かなかったり,さらには住民以外の人たちがたくさんいる(いわゆる帰宅難民)場合などには歯が立たないのです。
実際,東日本大震災や,先の台風12号の被害などでは,行政機能自体がマヒしたり,災害があまりに想定外だったことで,結果,地域防災計画どおりの動きができず,大きな被害が発生してしまったのです

そこで,近年では「減災」という発想が出てきました。基本的には,番組でも説明してように,「災害を0にするのではなく,減らすという発想」ですから,インフラ整備等がテーマになっています。
しかし,減災とは,インフラだけの話ではありません。住民自身が,「実際に災害にあうという前提で生活を考えよう」という意味合いもあるのです。
端的に言うと,「基本インフラは行政が整備するけど,本当に未曾有の災害が発生した時は,自分の判断で災害からの被害を最小限に食い止めましょう」ということになるのです。
これは,言葉を悪くいうと,「行政を頼るな」ということになりますが,良く言うと,「行政がやるべき災害対策と,自分自身で行なえる災害対策の役割分担をきちんとしましょう」ということなのです。すなわち,これまでのような「お客様的防災対策」という他力本願ではなく,「やるべきことは自分でやる」という自力避難的発想に転換しなければならないのです。

具体的には,実は簡単なことです。行政サイドとしては,災害に応じた避難場所の整備充実やインフラ整備を図ることは当然ですが,住民サイドでは,「非常食は基本3日分程度自分で常時用意しておく」ことから「避難場所の複数確認」,さらには「危ないと思ったらすぐに避難」ということ,そのうえで,「行政が準備する災害訓練だけではなく,自治会単位等での災害訓練や担当者の確立」などが必要となります。最後の部分は,都会のように人間関係が疎遠な地域では難しい話かもしれませんが,こういうところは行政がフォローできるような相互体制(少なくとも,今までのような一方通行的なものではない)を構築することが大切でしょう。

防災対策に限りませんが,これからの時代は,「自己責任」です。他力本願だけではまともな生活ができなくなりつつあります。当然のことながら,こうした様々な政策を考える政治家を選ぶことだって,自己責任です。政治家を選ぶことを他力本願にしすぎたために,今の政治がダメダメになっているのですから。
いずれにせよ,災害対策に想定外という逃げ道を作ってはいけません。こうした逃げ道を作ることは「死」を招くだけです。だからこそ,「自分がやるべきことは自分で準備する」という考え方を徹底するべきなのです。命を守るのは,最後は自分です。

よろしければ1クリックお願いしますm(__)m人気blogランキングへ
blogram投票ボタン



最新の画像もっと見る

コメントを投稿