韓国と北朝鮮のいわゆる軍事境界線(NLL)付近にある延坪島(ヨンピョンド)に,北朝鮮から200発以上の砲撃があり,韓国兵士一人が死亡するなどの被害が発生しております。韓国側も,これに対して80発以上の応戦をしているようです。
これについて,北朝鮮は,今のところなんら声明を出していません。
北朝鮮が韓国の島に砲撃=家屋70棟炎上、交戦に―4人負傷の情報も(時事通信) - goo ニュース
朝鮮の火薬庫,再び爆発するか?
この延坪島付近は,過去にも砲撃や漁業トラブルなどいろいろなドンバチ撃が繰り広げられており,当初は,「またか」くらいのノリで構えていました。しかし,島自体(つまり陸上)への砲撃は初めてのことなので,そうなると「すわ,宣戦布告か?」など様々な憶測が飛び交ってきます。
今のところ,情報が錯綜しているため,北朝鮮の本音が見えてきませんが,朝鮮半島の動きに日本としても敏感に対応する必要があるかもしれません。
以下は今ある限りの情報からの推測にすぎませんが,なぜ北朝鮮が砲撃をしたのでしょうか。おそらく次のようなことではないかと私は考えます。
1 金正恩氏への世代交代への準備
金正日氏の容体が悪化し,もはや政権維持に耐えられる状態ではないことから,近日中に世代交代を発表するのではなかろうかという仮説が立てられます。もし,その仮説が正しいとすれば,軍部大将である正恩氏が大きな実績を作る必要があることから,韓国への砲撃を行なったのではないでしょうか。
2 領土問題
実は,延坪島でトラブルが何度も起こっている背景として,「韓国と北朝鮮との間で,NLLに対する見解の相違がある」という点があります。そして,北朝鮮の立場としては,「延坪島は北朝鮮側に含まれている」としています。
っていうことは,北朝鮮は,必ず「自分の領土で軍事演習をしただけ」という主張をするはずです。
国連としても,ここはすぐに動けないエリアとなります。なにしろ,北朝鮮のバックには中国もいますから,安保理事会でも即座に「領土問題も含めてけしからん」とはならないからです。
あれ,似たような話,どこかで聞いたことありませんか?
3 強硬外交
北朝鮮お得意の「武士は食わねど高楊枝」戦略でしょう。これをカードにして,韓国から有利な経済援助等の条件を引き出そうというお約束のパターンでしょう。
また,韓国とアメリカの共同軍事演習に対する警鐘を鳴らしたつもりかもしれません。これにより,アメリカに対しても「なめるなよ」っていう強気の態度を示し,仮に次に述べる核視察等が具体化した時に,核心にまで触れさせないようにしているのかもしれません。
まあ,個人的には,この強硬外交の真意が未だに理解できない部分ではありますが・・。
4 実験
米韓演習を行なっていますので,本当に戦争を仕掛けたら,特に米軍がどのくらいのタイミングで動いてくるかっていう点を調べたいっていうことも考えられます。
いわば「米軍調査実験」なのです。
5 核査察への論点すり替え
北朝鮮で核開発が進められている疑いがあるという話が出始めてきましたので,その論点をすり替えるためにあえて砲撃を加えたという可能性も否定できません。
ざっくりこんなことが考えられます。
さて,日本への影響はどうでしょうか。
今回の砲撃により,おそらく日本は経済制裁を強化することになりますが,既に厳しい措置をしていますので,実害は少ないです。かえって,北朝鮮産の農産魚介類の輸入ができなくなりますので,かえって日本の一部企業は売り上げ減ということになりえるかもしれません。まあ,そんなに大きな数字ではありませんが。
それよりも,日本として警戒するべき点は,次のことでしょう。
1 北朝鮮の日本に対する威嚇
日本海へのミサイル実験を行なうことで,日本に対しても強硬外交を継続することが考えられます。
当然,拉致問題についても,「なにそれ?」くらいの態度で臨んでくることでしょう。
2 中国の実力行使
中国政府は,北朝鮮の砲撃を注視するという態度に出ており,事実上黙認しています。
そして,先ほど説明したように,北朝鮮としては,「自分の庭での砲撃」というスタンスに立っているはずです。
ってことは,同様の問題がある「尖閣諸島」付近で,中国が同様の軍事行為を行なう可能性があります。
もちろん,中国も馬鹿ではありませんので,陸上砲撃はせず,日本が主張する境界線すれすれのところで砲撃等を加える可能性があります。そして,中国は「自分の領土内での軍事演習に過ぎない」ってい言い張るでしょうし,これまた国連が手出しできない話となります。
日本政府は,こうした行為に対する対応について,早期にシミュレーションしておき,かつ毅然たる対応ができるようにしておくべきです。
3 アメリカの要求と沖縄の基地問題
アメリカは,この件で,沖縄の嘉手納基地等を活用しております。ってことは,今回の砲撃が大きな問題になればなるほど,米軍としては,「沖縄の基地はアジアの平和のために重要だ」っていうことを強く主張してくるでしょう。
のみならず,2のような事態が発生したら,なおさら「沖縄の基地機能を増強しないと日本が守れない」っていう話にもなりかねません。
よって,普天間問題の県外移設問題は,ますます難しい話になってしまう可能性が高くなるかもしれません。
さらに,アメリカから「日本が危ないから思いやり予算を増やして」という要求がくるでしょう。ますます財政難の原因になるかしれません。
こんなところでしょうか。
いずれにせよ,北朝鮮の砲撃については,決して対岸の火事としてとらえず,日本への飛び火に対し,早期に毅然たる対応を行なうべきでしょう。日本政府がどう動くか,これにより菅内閣の危機管理意識が見えてくるでしょう。
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この延坪島付近は,過去にも砲撃や漁業トラブルなどいろいろなドンバチ撃が繰り広げられており,当初は,「またか」くらいのノリで構えていました。しかし,島自体(つまり陸上)への砲撃は初めてのことなので,そうなると「すわ,宣戦布告か?」など様々な憶測が飛び交ってきます。
今のところ,情報が錯綜しているため,北朝鮮の本音が見えてきませんが,朝鮮半島の動きに日本としても敏感に対応する必要があるかもしれません。
以下は今ある限りの情報からの推測にすぎませんが,なぜ北朝鮮が砲撃をしたのでしょうか。おそらく次のようなことではないかと私は考えます。
1 金正恩氏への世代交代への準備
金正日氏の容体が悪化し,もはや政権維持に耐えられる状態ではないことから,近日中に世代交代を発表するのではなかろうかという仮説が立てられます。もし,その仮説が正しいとすれば,軍部大将である正恩氏が大きな実績を作る必要があることから,韓国への砲撃を行なったのではないでしょうか。
2 領土問題
実は,延坪島でトラブルが何度も起こっている背景として,「韓国と北朝鮮との間で,NLLに対する見解の相違がある」という点があります。そして,北朝鮮の立場としては,「延坪島は北朝鮮側に含まれている」としています。
っていうことは,北朝鮮は,必ず「自分の領土で軍事演習をしただけ」という主張をするはずです。
国連としても,ここはすぐに動けないエリアとなります。なにしろ,北朝鮮のバックには中国もいますから,安保理事会でも即座に「領土問題も含めてけしからん」とはならないからです。
あれ,似たような話,どこかで聞いたことありませんか?
3 強硬外交
北朝鮮お得意の「武士は食わねど高楊枝」戦略でしょう。これをカードにして,韓国から有利な経済援助等の条件を引き出そうというお約束のパターンでしょう。
また,韓国とアメリカの共同軍事演習に対する警鐘を鳴らしたつもりかもしれません。これにより,アメリカに対しても「なめるなよ」っていう強気の態度を示し,仮に次に述べる核視察等が具体化した時に,核心にまで触れさせないようにしているのかもしれません。
まあ,個人的には,この強硬外交の真意が未だに理解できない部分ではありますが・・。
4 実験
米韓演習を行なっていますので,本当に戦争を仕掛けたら,特に米軍がどのくらいのタイミングで動いてくるかっていう点を調べたいっていうことも考えられます。
いわば「米軍調査実験」なのです。
5 核査察への論点すり替え
北朝鮮で核開発が進められている疑いがあるという話が出始めてきましたので,その論点をすり替えるためにあえて砲撃を加えたという可能性も否定できません。
ざっくりこんなことが考えられます。
さて,日本への影響はどうでしょうか。
今回の砲撃により,おそらく日本は経済制裁を強化することになりますが,既に厳しい措置をしていますので,実害は少ないです。かえって,北朝鮮産の農産魚介類の輸入ができなくなりますので,かえって日本の一部企業は売り上げ減ということになりえるかもしれません。まあ,そんなに大きな数字ではありませんが。
それよりも,日本として警戒するべき点は,次のことでしょう。
1 北朝鮮の日本に対する威嚇
日本海へのミサイル実験を行なうことで,日本に対しても強硬外交を継続することが考えられます。
当然,拉致問題についても,「なにそれ?」くらいの態度で臨んでくることでしょう。
2 中国の実力行使
中国政府は,北朝鮮の砲撃を注視するという態度に出ており,事実上黙認しています。
そして,先ほど説明したように,北朝鮮としては,「自分の庭での砲撃」というスタンスに立っているはずです。
ってことは,同様の問題がある「尖閣諸島」付近で,中国が同様の軍事行為を行なう可能性があります。
もちろん,中国も馬鹿ではありませんので,陸上砲撃はせず,日本が主張する境界線すれすれのところで砲撃等を加える可能性があります。そして,中国は「自分の領土内での軍事演習に過ぎない」ってい言い張るでしょうし,これまた国連が手出しできない話となります。
日本政府は,こうした行為に対する対応について,早期にシミュレーションしておき,かつ毅然たる対応ができるようにしておくべきです。
3 アメリカの要求と沖縄の基地問題
アメリカは,この件で,沖縄の嘉手納基地等を活用しております。ってことは,今回の砲撃が大きな問題になればなるほど,米軍としては,「沖縄の基地はアジアの平和のために重要だ」っていうことを強く主張してくるでしょう。
のみならず,2のような事態が発生したら,なおさら「沖縄の基地機能を増強しないと日本が守れない」っていう話にもなりかねません。
よって,普天間問題の県外移設問題は,ますます難しい話になってしまう可能性が高くなるかもしれません。
さらに,アメリカから「日本が危ないから思いやり予算を増やして」という要求がくるでしょう。ますます財政難の原因になるかしれません。
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いずれにせよ,北朝鮮の砲撃については,決して対岸の火事としてとらえず,日本への飛び火に対し,早期に毅然たる対応を行なうべきでしょう。日本政府がどう動くか,これにより菅内閣の危機管理意識が見えてくるでしょう。
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