ビートたけしさんの番組で,「トロッコ問題」を扱っていました。もっとも,この番組を全部見ていませんので,番組内ではどのように扱ったのかは全く分かりませんので,それを前提に一言だけ。
そのまえに,そもそも「トロッコ問題」をご存じでない方のために,解説します。
「線路上でトロッコが暴走してきました。そのまままっすぐ進むと,その先で作業中の5人の作業員が全員はねられて死亡してしまいます。ところが,その線路は二股に分かれており,ポイントを切り替えるとトロッコは左に行きますが,今度はそこでは1人の作業員が作業をしているため,ポイントを切り替えたら5人の作業員は助かるが,その1人の作業員がはねられて亡くなります。さて,あなたならポイントを切り替えますか,それともそのままにしますか。なお,大声で呼びかけるなどしてもこの作業員には全く伝わらず,またトロッコを物理的に止める手法はもはやないこととします。」
もちろん,架空の理論です。刑法を勉強すると,緊急避難を学ぶ際に似たような事例の説明を受けますが,これは「自分が助かるためには人を犠牲にしてもよい」という緊急避難の事例を学ぶため,「どっちも他人の命」というこの問題よりはちょっと易しいといえます。
さて,この問題,何が正解でしょうか?
結論から言うと,正解はありません。
ただ,あえて正解を考えるとすると,私は「この問題を読み,悩み苦しむことができる」こと,それ自体が正解だと思います。「それでもトロッコを止める」とかいう回答は,悩みを放棄したことになり,また「どっちか一方の回答を選択し,それが唯一絶対の回答で,もう一方は誤りだ」と決めてしまうことも,どうように悩みの放棄になります。悩み放棄とは思考の停止です。
また,考える上で大切な点は,「「選択後の結果,その後さらにどうなるのか」ということです。もっというと,「5人の作業員の家族と,1人の作業員の家族から,何を言われるか。」という点も,実は隠れ論点になるのです。
この問題を通じて,「人の命には果たして軽重があるのか」を悩み考えてみるとよい,そういう意味合いを持っていると思います。
さらに,この問題には応用問題が作れます。例えば,「5人のところにはイチロー選手と長嶋元巨人監督とみのもんたさんがいて,1人の所には自分の家族がいる」などとした場合とか,「5人の所には麻生総理が,1人の所には民主党1年生議員がいる」などとした場合,さらには「5人の所には自分の両親が,1人の所には自分の妻と子がいる」などとした場合,もっというと「5人の所には妻が,1人の所には子がいる」などとした場合,もっと究極は「5人の所には長男が,1人の所には長女がいる」などとした場合などの想定問題が作れます。
全問で全く悩むことがなく選択できたとしたら,相当な勝負師でしょう。
私も,これは悩みます。
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TB先一覧
http://selgae.exblog.jp/8966342
http://blog.goo.ne.jp/d_d-/e/cd1e19ac56a549d3d308bb8e20d15262
そのまえに,そもそも「トロッコ問題」をご存じでない方のために,解説します。
「線路上でトロッコが暴走してきました。そのまままっすぐ進むと,その先で作業中の5人の作業員が全員はねられて死亡してしまいます。ところが,その線路は二股に分かれており,ポイントを切り替えるとトロッコは左に行きますが,今度はそこでは1人の作業員が作業をしているため,ポイントを切り替えたら5人の作業員は助かるが,その1人の作業員がはねられて亡くなります。さて,あなたならポイントを切り替えますか,それともそのままにしますか。なお,大声で呼びかけるなどしてもこの作業員には全く伝わらず,またトロッコを物理的に止める手法はもはやないこととします。」
もちろん,架空の理論です。刑法を勉強すると,緊急避難を学ぶ際に似たような事例の説明を受けますが,これは「自分が助かるためには人を犠牲にしてもよい」という緊急避難の事例を学ぶため,「どっちも他人の命」というこの問題よりはちょっと易しいといえます。
さて,この問題,何が正解でしょうか?
結論から言うと,正解はありません。
ただ,あえて正解を考えるとすると,私は「この問題を読み,悩み苦しむことができる」こと,それ自体が正解だと思います。「それでもトロッコを止める」とかいう回答は,悩みを放棄したことになり,また「どっちか一方の回答を選択し,それが唯一絶対の回答で,もう一方は誤りだ」と決めてしまうことも,どうように悩みの放棄になります。悩み放棄とは思考の停止です。
また,考える上で大切な点は,「「選択後の結果,その後さらにどうなるのか」ということです。もっというと,「5人の作業員の家族と,1人の作業員の家族から,何を言われるか。」という点も,実は隠れ論点になるのです。
この問題を通じて,「人の命には果たして軽重があるのか」を悩み考えてみるとよい,そういう意味合いを持っていると思います。
さらに,この問題には応用問題が作れます。例えば,「5人のところにはイチロー選手と長嶋元巨人監督とみのもんたさんがいて,1人の所には自分の家族がいる」などとした場合とか,「5人の所には麻生総理が,1人の所には民主党1年生議員がいる」などとした場合,さらには「5人の所には自分の両親が,1人の所には自分の妻と子がいる」などとした場合,もっというと「5人の所には妻が,1人の所には子がいる」などとした場合,もっと究極は「5人の所には長男が,1人の所には長女がいる」などとした場合などの想定問題が作れます。
全問で全く悩むことがなく選択できたとしたら,相当な勝負師でしょう。
私も,これは悩みます。
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皆格好つけてるのな?
そうですね,「消極的に5人を選ぶ」っていうことになるのでしょうか。むしろ,現代人的な「不作為」の選択は当然あると思います。
法律上の責任はともかく,それに対して道義的責任を感じるかどうかというところが,ひとつポイントになるような気もします。
その場からこっそり逃げだして、知らぬふりをすることです。
どっちにしても、あとから人を殺したと評判を立てられたり、警察の取り調べを受けたり、ろくなことはありませんから。
私も結構年を取ったと思いますが,まだまだその域に達していないなあ,って思います。
「自分と上地雄介」なら,自分を選んじゃいますね。
ちなみに「長嶋茂雄と長嶋一茂」なら,長島茂雄を助ける方を選んでしまうかもしれません。
あとが恐いんで,・・っていう発想が優先してしまうこと自体,まだまだ青いのかもしれません(^_^;)
みのもんたは「オチ」なんですがねwww
あそこはイチローが引っ掛かるけど長嶋氏とみの氏はもう良いかと。
この問題、若い時なら悩んだかもしれません。ただ人生の折り返し点を過ぎて年月が経つと、そろそろ「人生の締め括り」みたいな事を考えるようになってきました。だからこの問題の判断基準も「将来の可能性」が尺度になってます。長嶋氏、みの氏、麻生氏などは十分に社会に貢献したんだから、それよりも若い人材を途を譲れば良い感じです。
究極の設問として「自分と麻生総理」ならば自分を助け、「自分と上地雄介」ならば上地雄介を助けると思います。おかにゃんさんも人生の終着点が見える年齢に達すれば、この感じが捉えられるかな?と思います。
トロッコは猛スピードで走っていると仮定するそうです。
つまり,走ってもトロッコには追いつかず,っていう想定になっています。
現実には,助けるすべがあると思います(線路に大きな石一つおけば十分ですからねえ)が,これは「思考練習」の世界なので,基本的に二者択一,っていうところが考えの基本になるみたいです。
つまり,平たく言うと「どっちを殺すかの選択をしなさい」という思考テストというのが,この問題を作った学者の発想だったようです。
ただ,これに固執せず,いろいろなアイデアを考え出す,それはそれで「悩みを示す」という点からは,思考の停止にならないでしょうね。
ちなみに,こうしたパラドックス,いくつか種類があるみたいです。いずれも,非現実的ではありますが,考える訓練としては有益かもしれません。
とりあえず、1人のほうにポイントを切り替えます。
それから、一人の人のほうへ走っていって、逃げるように指示します。(2人で)
でもトロッコには追いつかれてしまうかな?という場合なら、2人が線路の隙間などに逃げ込む。
あと、線路の高架下の状況によっては(CMでは微妙でしたが・・)、線路から脱出ですね。
他、ポイントをどっちの線路にも合わせないっていう切り替え方はできないのでしょうか?または何両かつながっているトロッコなら、1両目が通過する頃にポイント切り替えて脱線させることが可能なのか?と。
まぁー他の方がおっしゃるとおり、トロッコが無人であることを想定の上での話しです。
選択肢が2つにこだわること自体が,発想が甘いというのはそうかもしれませんね。
ただ,悩み考えると言うことが大切だ,ということは確かだと思います。
結局,考える力,想像力,事後の対応の想定力などいろいろ考えることが大切なんですよね。
ですから私なら子供に、選択肢は2つということにこだわっている時点で、発想がつたないと教えるかもしれません。その上で、悩み考える事が大事なんだと教えます。答えは無いんだということを教えます。それが子供の教育として考えるにはベストだと思っています。答えを決め付けてはいけない。あらゆるパターンを想定する力を養おうという事が大事なのだということを教えていこうと思います。
全部即答ですか,それは相当な勝負師だと(尊敬のまなざし)。
1番目は,みのさんが余計でしたね(笑)。でも,このコンビを見殺しにすると,きっと,その後週刊誌などで,「日本の英雄を見殺しにして家族を救った鬼畜作業員」などと非難囂々になり,さらにWBCで日本が負けたら,「イチロー選手を殺したあの作業員のせいで負けた」など,ネット上でものすごいいじめに遭うのかなあ,って妄想をふくらましていました。
こうなると,自分たちの生活もままならなくなりますよね。
2番目の麻生総理の方は,逆に最近の事件のように「義賊」「英雄」扱いされそうな気がして,それはそれで恐いかも・・。
っていうか,本当に妄想とは言え,今の日本って,本当にこんな因縁が付けられそうな気がして恐いです。
さてさて,説明が不十分でした,デシデンタイ。
>当該トロッコには誰も乗っていない
御意にございます。乗っていればブレーキが利いたり,傾けようとしたり,ラジバンダリできます。
>”あなた”が”切り替え”るということは、「ポイント」地点に”あなた”(=ワタクシめ)がいることになって、厳重な制限を設ける題意としては、この辺りが論理的に整合性を取っていない?ような気もしますが
例えば高台にある「列車司令室」みたいなところでポイント交換の作業をしている,ということでいかがでしょうか(トロッコ列車にATCはないことも付加しましょう汗)。
>「トロッコを物理的に止め」てはいません、「物理的に」”破壊”するだけです
ふつう,いっぱしの作業員や列車制御担当者がロケットランチャーはもっていないでしょう(ダイハードの刑事かよ!つっこみ)。
つまり,既にご承知だとは百も承知ですが,この問題は,「右に行くか,左に行くかしかない産経グループ会長」っていうことになるのです(いらんこと付加してしまった!反省汗)
>さらに,この問題には応用問題が作れます。
>全問で全く悩むことがなく選択できたとしたら,相当な勝負師でしょう。
全部、迷うこととなく5人の方へ行かせるんですが……(汗)
2つ目の麻生総理から4つ目の妻と子までは、いずれも1人の方が将来が長いから。5つ目の長男と長女は男親は娘のほうが可愛い。そして最初には是非に及ばず、みのもんただからwwww
> この問題,何が正解でしょうか?
ははっ、問題を整理します(整理整頓汗)
>> 線路上でトロッコが暴走してきました
>> その先で作業中の5人の作業員が全員はねられて死亡
>> ポイントを切り替えたら5人の作業員は助かるが,
>> その1人の作業員がはねられて亡くなります
はい、すると”当該トロッコには誰も乗っていない”と推定できます(推定汗)
>> あなたならポイントを切り替えますか,それともそのままにしますか
ちっとばかり、お待ちください(少々汗)
>> 大声で呼びかけるなどしてもこの作業員には全く伝わらず
題意からは、観ている”あなた”(=ワタクシめ)もトロッコに乗っていないと前提しなければなりませんが、”あなた”が”切り替え”るということは、「ポイント」地点に”あなた”(=ワタクシめ)がいることになって、厳重な制限を設ける題意としては、この辺りが論理的に整合性を取っていない?ような気もしますが、そこはそれ、ナンですのでうっちゃっておきます(うっちゃり汗)
>> またトロッコを物理的に止める手法はもはやない
はい「止める」ことをしなければ良いのでありますね(止めない汗)
従って、おそらく他所様から観ている”あなた”(=ワタクシめ)は、当該「5人の作業員」でも「1人の作業員」でもないので、現実に行動できるわけですから、何も「ポイント」に拘泥する必然性はないと言えます(拘泥汗)
【解答】
1.ロケット砲(対戦車無反動砲)等で、当該トロッコを爆破する
2.「ポイント」手前の途中の線路をダイナマイト等で爆破する
この場合「トロッコを物理的に止め」てはいません、「物理的に」”破壊”するだけです・・・違!汗
※いや題意が「トロッコを物理的に止める手法はもはやない」等と、およそ解答を出題者の志向する方向に制限する辺りがナンですので、その論理を逆手にとってみました・・・笑