いわゆるロス疑惑事件において,先日共謀罪の逮捕状については有効であると判断され,ロスに移送された三浦氏が,収容施設内で自殺をしました。これにより,共謀罪の審理は事実上終了することになります。
三浦和義元社長が自殺 移送先のロサンゼルスで(朝日新聞) - goo ニュース
真相は闇の中へ
まずは三浦氏のご冥福をお祈りします。しかし,どんな理由があるにせよ,自殺だけは絶対に許されるべきことではありません。無実であるならばなおのこと,「生きて真相を明らかにする」ことが大切だったと言えます。本当に残念です。
これで,ロス疑惑,事実上すべて終了です。もちろん,今後銃撃した真犯人が現れてくるなどの展開があれば,真実が明らかになるかもしれませんが,今の時点ではあまり期待できなそうです。
ところで,この幕切れにより,今後問題となりうることをまとめました。
1 ロスの収容施設における警備体制の問題
2 日本政府の一連の対応
3 国際犯罪に対する日本の法整備
4 報道のあり方
1については,日本でも同じですが,収容施設内で自殺をされると,施設管理者,すなわち警察署長らの責任が問われることになります。先日も,栃木県内の警察で,接見室で被疑者が自殺していたという事件がありましたが,これは基本的に警察の管理不行き届きであると認め,謝罪しました。これが場合によっては,国家賠償問題になり得ます。
三浦氏の場合も同じです。今のところ,「管理は十分だった」と強く主張していますが,これは訴訟社会のアメリカ故,「国家賠償の可能性」を踏まえてのことと思います。
三浦氏の遺族がどうでるかもちろん分かりませんが,カリフォルニア州に対する国家賠償請求もあり得ると思いますし,これは全額でないにせよ,一部は認められる可能性は高いです。
日本政府も,場合によっては,自国民の扱いが悪すぎたとして厳重抗議をするべきかもしれません。もちろん,それは,もう少し様子を見てからだとは思いますが。
2については,不当逮捕を主張した日本人に対する対応が適切であったかどうかです。
もちろん,不当逮捕を主張したら,領事館は何が何でも身柄解放を求めろ,っていうことではありませんが,どの程度まで活動するべきなのか,またその活動が妥当であったのかは外務省内部で検証する必要があるでしょう。
今回,領事館職員はサイパンでもロスでもすぐに面会に行っていますので,基本的には「やるべきことはやっていた」と思いますが,今後,国際犯罪に日本人が関与し,または誤解を受ける可能性は高いと思いますので,現状で十分なのか,検証してほしいものです。
3については,専ら興味本位の世界の話です。日本の刑法は,ある程度国際化に対応しているものの,外国の裁判所の判断が,日本の裁判所でどの程度拘束されるのか,いくつか不明確なパターンがあります。
ロスでの裁判で何らかの判決が出た場合,その考え方を参考に,日本の刑法や刑事訴訟法が国際化対応に改正される可能性があったのになあ,って思います。
4については,いうまでもなく,今回もあった「パパラッチ報道」です。今回,飛行機内でも取材テープを回し続けるなど,「推定無罪」をほとんど無視し,人権侵害的報道をしていました。この過剰報道が,自殺のきっかけを作った可能性すらありえます。
来年から裁判員裁判が始まり,各報道機関も報道方法を検討しているようですが,「過剰取材の姿勢」を改めない限り,日本では「推定無罪」という大原則が広く国民に浸透せず,独裁国家のような「推定有罪」の思想にどっぷり浸かってしまい,先進国から物笑いの種にされる可能性すらありえます。
いずれにせよ,すべては藪の中に入ってしまいました。本当に真実は何だったのでしょうか。
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TB先一覧
http://blog.goo.ne.jp/hiroharikun/e/502001052509ccd6de019ad2c9832374
http://tetorayade.exblog.jp/9670751/
http://blog.livedoor.jp/yswebsite/archives/52164072.html
http://bbrsun.blog.eonet.jp/bbr/2008/10/post-6f2d.html
http://ameblo.jp/kakomonogatari/entry-10150173859.html
http://selgae.exblog.jp/8750208/
http://blog.goo.ne.jp/tenjin95/e/6ad46e634ff1d80a0b15d81138bac324
http://shadow9.seesaa.net/article/107933242.html
http://uesama.antena.ne.jp/archives/article/47295.html
http://blog.livedoor.jp/nob11/archives/51428454.html
三浦和義元社長が自殺 移送先のロサンゼルスで(朝日新聞) - goo ニュース
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まずは三浦氏のご冥福をお祈りします。しかし,どんな理由があるにせよ,自殺だけは絶対に許されるべきことではありません。無実であるならばなおのこと,「生きて真相を明らかにする」ことが大切だったと言えます。本当に残念です。
これで,ロス疑惑,事実上すべて終了です。もちろん,今後銃撃した真犯人が現れてくるなどの展開があれば,真実が明らかになるかもしれませんが,今の時点ではあまり期待できなそうです。
ところで,この幕切れにより,今後問題となりうることをまとめました。
1 ロスの収容施設における警備体制の問題
2 日本政府の一連の対応
3 国際犯罪に対する日本の法整備
4 報道のあり方
1については,日本でも同じですが,収容施設内で自殺をされると,施設管理者,すなわち警察署長らの責任が問われることになります。先日も,栃木県内の警察で,接見室で被疑者が自殺していたという事件がありましたが,これは基本的に警察の管理不行き届きであると認め,謝罪しました。これが場合によっては,国家賠償問題になり得ます。
三浦氏の場合も同じです。今のところ,「管理は十分だった」と強く主張していますが,これは訴訟社会のアメリカ故,「国家賠償の可能性」を踏まえてのことと思います。
三浦氏の遺族がどうでるかもちろん分かりませんが,カリフォルニア州に対する国家賠償請求もあり得ると思いますし,これは全額でないにせよ,一部は認められる可能性は高いです。
日本政府も,場合によっては,自国民の扱いが悪すぎたとして厳重抗議をするべきかもしれません。もちろん,それは,もう少し様子を見てからだとは思いますが。
2については,不当逮捕を主張した日本人に対する対応が適切であったかどうかです。
もちろん,不当逮捕を主張したら,領事館は何が何でも身柄解放を求めろ,っていうことではありませんが,どの程度まで活動するべきなのか,またその活動が妥当であったのかは外務省内部で検証する必要があるでしょう。
今回,領事館職員はサイパンでもロスでもすぐに面会に行っていますので,基本的には「やるべきことはやっていた」と思いますが,今後,国際犯罪に日本人が関与し,または誤解を受ける可能性は高いと思いますので,現状で十分なのか,検証してほしいものです。
3については,専ら興味本位の世界の話です。日本の刑法は,ある程度国際化に対応しているものの,外国の裁判所の判断が,日本の裁判所でどの程度拘束されるのか,いくつか不明確なパターンがあります。
ロスでの裁判で何らかの判決が出た場合,その考え方を参考に,日本の刑法や刑事訴訟法が国際化対応に改正される可能性があったのになあ,って思います。
4については,いうまでもなく,今回もあった「パパラッチ報道」です。今回,飛行機内でも取材テープを回し続けるなど,「推定無罪」をほとんど無視し,人権侵害的報道をしていました。この過剰報道が,自殺のきっかけを作った可能性すらありえます。
来年から裁判員裁判が始まり,各報道機関も報道方法を検討しているようですが,「過剰取材の姿勢」を改めない限り,日本では「推定無罪」という大原則が広く国民に浸透せず,独裁国家のような「推定有罪」の思想にどっぷり浸かってしまい,先進国から物笑いの種にされる可能性すらありえます。
いずれにせよ,すべては藪の中に入ってしまいました。本当に真実は何だったのでしょうか。
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> 真相は闇の中へ
・・・でありますな(闇汗)
あっこの国も、日本類似の法手続きみたい?でありますから、被疑者死亡(≒公判廷欠席汗)では原則として公判が開けないでしょうから、公訴取消の手続きかと思量します(一応原則汗)
ちなみに、日本では三浦氏はLA州では、「共謀罪」のみの起訴か?と思われがちですが・・・
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008101000309
「殺人被疑」の決定については、検察が争う姿勢であったところで、日本の刑訴法的な「準抗告」あるいは「特別抗告」に類似した手続き(刑訴法第3編第4章)にあったと理解しております(当該「申し立て」も取り下げ?汗)
遺族である山下清さんが記者やレポーターにキレまくるVTRを繰り返し流し続け、「この人が犯人に違いない」という印象を視聴者に刷り込みまくってました。
こんな報道(報道ではなく、不必要な演出をくわえた事件の”娯楽化”)を放置したまま裁判員制度を始めて大丈夫かな?と思ったりします。
今回の件,おっしゃるとおり,ロス地検は,あくまでも「殺人罪と共謀罪の二本立て起訴」を考えていたようです(殺人罪は逮捕勾留しないけど起訴できる,っていうことと,逮捕無効がごっちゃになっていたみたい汗)。
逮捕状については,いわゆる特別抗告の余地もあったのですが,結局,逮捕の有効無効を頑張って争っても,その後の裁判がすべてだ,という判断から,あえて逮捕状の効力について異議を出さなかったものと推測されます。
いずれにせよ,いろんな意味で残念な結果になってしまいました。
香川事件の報道は,本当にひどかったと思いますが,あれでもまだ過去の教訓(河野さん事件など)を踏まえて,だいぶセーブしていたようです。
「まず事実を客観的に伝える」ということが大切です。その上で,「疑惑の銃弾」のように,何らかの容疑者をサジェスチョンするのであれば,執筆者や報じる人の責任を明記して,はっきりと伝えるべきでしょう。何となくうやむやにするというのは,藪から石を投げるような報道になるので,とても許されません。