あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
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日銀総裁不在へ,悪いのは誰?

2008年03月20日 23時16分55秒 | 政治・選挙
政府与党から日銀総裁として新たに提示された田波氏について,参議院はこれを否決しました。これにより,20日から日銀総裁は不在となる異例の事態となりました。

日銀総裁、戦後初の空席確定 田波氏案を参院否決(朝日新聞) - goo ニュース

人事は政争の具ではない

今回のこの騒動,誰が悪いのでしょうか。
まず,与党としては,「今までの慣例」をベースにして財務省OBに固執してしまった点に大きな問題があったといえます。すなわち,「考えなしの人事」です。
一方,野党側としては,「なぜだめなのか」と「どういう人材が良いと思うのか」という点をほとんど提示することなく,「とにかく財務省OBじゃダメなのだ」という対応しかとっていません。これでは「何を求めているのか」が分からず,与党も適正な人材を探すことが難しくなります。
すなわち,今回の問題は,「与野党ともに考えなし」という点にあるといえます。
とはいえ,人事案件とはそもそも「その人が国のために働けるのか」という点で承認するか否かを決めるべきであり,単なる政争の具にするべき案件ではありません。
そういう点からすると,今回のこの騒動,政争の具としている野党民主党の方が分が悪いように思えます。もちろん,民主党が「この人はこういう理由で不適任である」とはっきりした理由があれば話しは別ですし,むしろ適切な権限行使であるといえますが,冒頭記載のとおり,その理由がほとんど説明されていないため,少なくとも政争の具としてしか映りません。

ところで,今回の騒動を受けて,政府与党は「人事案件について衆議院の優越を認める」という法改正を検討し始めたようです。
しかし,本当に衆議院の優越を認めてよいでしょうか。
確かに,人事不在というのは,社会的混乱を招きかねないため,とにかく決めるという意味で衆議院の優越は必要ともいえるかもしれません。
しかし,政府の人事案件については,「極力中立な人」を選ぶ必要があり,かつ国会の承認が必要な趣旨は「国民全体から承認を受けるべき人材を選ぶべきである」という点にあり,いわば「間接的な国民審査」を受けているといえるのです。
であるとすれば,衆議院の優越を認めることは,政党の中立性を確保できない点や,間接的な国民審査が十分全うできないという可能性が考えられます。
さらに,内閣総理大臣の指名には衆議院の優越がありますが,これは総理には「衆議院の解散」という武器があるために,ここで対等関係が成立しているという事情があるところ,人事案件についてはこのような武器がありません。
であるとすれば,やはり衆参同格とするほうが良いのではないでしょうか。

いずれにせよ,今回の騒動でわかったこと,それは「人事案件も国民不在」ということです。与野党とも,国民生活に混乱を与えてはいけないという大前提を失念しているようでなりません。
もちろん,「その人が本当に適任か」を真剣に議論をした結果,見解の一致が見られず不在になるというのであれば,まだ納得もできるのですが,そういう点が見えない上での不在というのは,考えなさすぎに思えてなりません。

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6 コメント

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今のままでは (masa)
2008-03-21 06:27:02
 衆議院の優越制度を使うのは「当たり前」と思い込んでいる与党と、「今まで数で負けていたからヘコませてやれ」的な要素が伺えた野党・民主。
 今回の日銀総裁不在劇を見る限りではそんな感じがしました。

 やはり皆さんが思われる様に、民主党も対立候補を出していれば、まだ筋が通ったでしょう。それによって代行とかの名目で白川君にもならずに済んだのでは?と思います。

 次の暫定税率問題では、きちんとした論法と使い道を公言していけば、少しはこの埋め合わせが出来るのかもしれません。
 単なるゴリ押しとフニャフニャ問答のままでは、誰も支持などしないでしょう。
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群馬の倅殿の思慮(謎) (時評親爺)
2008-03-21 18:45:32
お夕方にございます(コーシー汗)

ん~、群馬の倅殿、いろいろ思うところがあったのでしょうが(無論イチローちゃん民主側の政局運営?的カードとも読めますが)・・・

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200803200034a.nwc

>> その原因として、実父の赳夫元首相が主計局長を務めた旧大蔵省(現財務省)
>> に対する異常なまでの配慮を指摘する声は多い。

ボンクラ親爺として、ここいらへん↑に、個人的にはふむふむと頷けそうな?気もするところではあります(頷き汗)

まぁ群馬の倅殿の胸中はわかりまへんが・・・単なる憶測?汗
返信する
茶番劇 (ぴえる)
2008-03-22 10:02:55
今回の日銀総裁候補選び…与党も野党も大人げないと思いますが,どちらかというと与党の候補者選びに愚かさを感じます。
前回ダメだしされた理由と同じ候補者を選んでくる時点で終わっています。
まあ,いろいろな候補者をあたったけどもことごとく断られて,気づいたら任期満了まであとわずかという状況からやむを得ず…といった背景もあるのでしょうけど,日本の経済を左右する日銀総裁を場渡り的に決めるのはさすがによろしくないでしょう。
もう任期は切れて副総裁が代行していることだし,ゆっくり納得のいく人事をしてもらいましょう。
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masaさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2008-03-22 11:37:14
こんにちは。
おっしゃるとおり,単なるごり押しとふにゃふにゃ答弁では,誰もついてきません。
民主党は「人事権がないから名前を出せない」と形式論で逃げていますが,それならば「こういうタイプの人なら賛成する」と具体例を呈示する等するべきなのです。
もちろん,自民党も財務省出身にこだわるなら,もっと堂々と理由を説明すればいいのです。
結局,「子供の喧嘩」なんですよね。
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時評親爺さま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2008-03-22 11:40:35
こんにちは。朝から掃除大臣任命状態です(既にへとへとなり・・)。
さて,今回の件で,福田政権が「官僚主導型」であることが改めて浮き彫りになったといえるでしょう。過去の慣例や年功序列にあえてこだわる点は,本当に考えなしとしか言いようがありません。
こうなったら,一気に若返りを目指して「40代デイトレーダー」とかを日銀総裁にしちゃってもよいので,なんて思います(一番いい加減意見(^_^;)。
返信する
ぴえるさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2008-03-22 11:43:27
こんにちは。
私は,どっちかというと民主党の対応に不満を感じていますが,ただ結局のところ「五十歩百歩」というか「五十歩五十三歩」みたいなものかな,って思います。
ドル安株安原油高物価高の狂乱経済状態の中,果たして「今は喧嘩している場合ではない。日本経済を立て直すのが先だ。」と気がついて一気に行動するのは果たしてどこの政党や議員なのか,注目です。
最初に動いた政治家(形だけでなく実際に行動したという意味)を高く評価していきたいと考えます。
返信する

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