あれは,あれで良いのかなPART2

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討ち入りは程々にね

2005年12月14日 23時37分26秒 | 歴史の話
12月14日は,ご存じ「赤穂浪士の討ち入り」,いわゆる忠臣蔵の事件発生日です。泉岳寺には,多くの赤穂ファンの方が訪れたようです。

年末ですねえ

赤穂浪士については,実は諸説ありまして,そもそも忠臣蔵の話自体,討ち入りから約90年後に発表されたものです。
したがって,真実は,忠臣蔵のお話しとはだいぶ異なっており,どうも忠義のための討ち入りではなかったのではないかという説も出始めています。
また,吉良は決して悪人ではなく,立派な為政者であったという説もあります。
まあ,この辺は歴史通の方のブログやHPをご覧頂くとよいでしょう。
いずれにしろ,ここで言いたいのは,「忠臣蔵って,あくまでもある事実をベースにした物語なんですよ!」ということです。
だからこそ,映画やドラマでいろんな解釈をした忠臣蔵が演じられており,それぞれおもしろみがあるのですが。

ところで,もしも現代社会で忠臣蔵のような討ち入り事件が発生した場合,どうなるでしょうか。そんな夢も希望もないようなことを少し検証してみましょう(はっきり言って,完全にシャレですので,かるーく読み流してください。)。

第1 刑事上の責任
1 集団で徒党を組んで歩いた→道路交通法違反,迷惑防止条例違反(一部都道府県のみ)
2 吉良を打つために槍や刀などの武器をそろえた→銃刀法違反,凶器準備集合罪
3 吉良邸に押し入った→住居侵入罪
4 吉良及び付き人を殺した→殺人罪及び殺人未遂罪,組織犯罪処罰法違反
5 吉良を発見したとき,夜中なのに呼び笛で合図を発した→軽犯罪法違反
6 吉良のクビを切ったものを槍の上にぶら下げて町中を歩いた→死体損壊罪

第2 民事上の責任
1 吉良及び付き人数名を殺傷し,また吉良邸を結構壊した→不法行為に基づく損害賠償(共同不法行為)
2 岡野金右衛門が吉良邸の図面欲しさに大工の娘に近づき結婚をちらつかせながら図面が入手できたら男女関係を解消してしまった→婚約不履行にもとづく損害賠償(慰謝料)
3 2の指示を大石内蔵助が行っていた→共同不法行為
4 吉良が殺されたことにより,生き残った付き人達は失業してしまった→不法行為に基づく損害賠償(吉良が生きていたら働いて得られたであろう賃金相当損害金)

第3 まとめ
1 刑事上の責任は,最高刑で「死刑」ですから,結果切腹となった江戸時代の沙汰同様,現在の裁判でもきっと同じように「死刑」となるでしょう。
2 民事上の責任は,結局吉良は結構な政治家であったことから,吉良に対する賠償だけでも1億円以上になるでしょう。また,吉良の付き人も何人か殺され,または怪我をしましたが,殺された人はやはり1億円近くになりますし,怪我した人は程度にもよりますが,安くても数百万円になります。
 したがって,吉良関係だけでも数億円の損害となります。
 また,岡野金右衛門については,婚約不履行となれば,100万円くらいの慰謝料が認められるでしょう。
 いずれにしても,赤穂浪士が現在同じことをやればこの47名は,連帯して数十億円の損害賠償責任を負うことになるでしょう。おそらく,赤穂浪士にはそこまでの支払能力がありませんので,被害者は泣き寝入りとなってしまう可能性が高いです。
3 したがって,現代社会では,討ち入りは辞めましょう!

以上,夢も希望もないお話しでした。

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