あなたの町の隠れ借金を探してみましょう

北海道夕張市の財政破綻を気に，第２の夕張市はどこかなどの話題が連日ささやかれています。
ところで，自分の町が大丈夫かどうかについては，一つは自分の町の予算，決算を見て判断するという方法もありますが，実は一番注意を要する点は「隠れ借金」の存在です。
これは，予算書に一切現れてこないものの，実は遅かれ早かれ何らかの形で返済を余儀なくされる借金のことを言います。これを把握しなければ，自分の町の財政力の把握は困難です。
とはいえ，一方で，隠れ借金という名のとおり，素人にはなかなか全貌を把握することが困難です。
そこで，今回は自分の町の隠れ借金を判断する一つの目安を紹介したいと思います。

隠れ借金の判断基準として，「土地開発公社」が保有している土地や財産の規模，これがメインとなります。
もちろん，土地開発公社以外にも地方自治体は様々な公社や３セク会社などを持っていますが，この土地開発公社は土地という大きな資産を持っていること，公共事業を行う際の用地買収を行っていることなどから公共事業との関連性が深いことなどを鑑みると，隠れ借金判断の大きな要素となります。

それでは，ポイントについて説明します。
まず，平成１６年度の各市町村における土地開発公社の把握財産は次のとおりです。
「総務省のホームページ」

この票を見て，次の２点を確認してみてください。
１　現在保有額を支出の公債費に入れた場合，公債比率は何％になるのか
２　１０年以上保有している財産に５％×１０を計算した結果の金額を１に加えるとどうなるか

１については，前述のとおり土地開発公社は用地買収の代行的な事業を行う場合が大半です。とすると，この土地はいずれ一般会計で買い戻すことになります。すなわち，この部分が「借金」といえるわけです。
特に，公社が保有している土地が宅地や工業団地などの分譲地であればまだ収益の可能性がありますが，公園や建物建設など事業目的の場合，売却益が期待できないため，全額借金となります。
２については，例外的な場合もありますが，公社が土地を保有していると言うことは，土地購入代金を銀行から借りていると言うことになります。そして，それが１０年以上保有していると言うことは，１０年以上銀行に対して金利を支払っているということになるわけです。
よって，１の金額だけでなく，１０年間保有してきた金利も隠れ借金となるわけです。
そして，１０年位前の金利が５％位であったことを踏まえると，１０年間保有している金額×５％×１０年が想定される金利となるわけです。

もちろん，例外もかなりありますが，本当に一つの目安になります。是非とも自分の町について検討してみてください。

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