これまでは,主に道路行政の現状を中心に説明してきましたが,ここでは視点を業者側に変えて,そこから説明していきます。また,今回は今までとは異なり,「噂段階の話」であり,これまでの話以上に裏付けがとれていません。そこで,あくまでも「疑惑」という程度に留めたいと思います。
第1 道路工事終了後の対応(表街道)
1 道路工事が終わったら
道路工事が終了すれば,検査を受けます。この検査は,抜き打ちで道路の数カ所でボーリングを行い,仕様書どおりの舗装になっているかをチェックします。それで,問題なければ検査をパスしたとして工事終了となります。
2 道路開通後の対応
業者には,一応1年間の補修責任を負いますが,道路の場合,自動車の通行を原因として想定外の破損が通常どおり発生します。
そこで,実際は,陥没や明らかなひび割れなど業者側に責任があると明白な場合以外は,業者の補修責任は発生しません。
3 道路定期検診
大規模道路では,数年に1回程度,道路の点検作業を行います。しかし,あくまでも表面や付帯施設のチェックが中心なので,道路の中身まで細かく確認するわけではありません。そもそも,建物のように点検する方法すらないのです。
一方,小さな道路では,積極的な点検までは行っておらず,せいぜい舗装がとれたかどうかなどを確認する程度になります。
4 補修作業
道路の補修作業は,軽微なものであれば役所の職員が行いますが,ちょっと大きな規模になった場合は,業者に発注します。
ただし,金額がそんなに大きくないことと,急を要する事業であることから,多くは「随意契約」となります。
第2 道路偽装工事って(裏街道)
1 仕様書と違う道路
仕様書の道路は,道路構造令に基づく内容となっています。したがって,舗装のサイズや砂利のサイズ,厚さなどが細かく定められています。そして,これを満たすかどうかは,ボーリング検査によって確認するため,ごまかしがきかないようにも思えます。
ところが,道路の場合,一度蓋(舗装)をしてしまうと,もはや中身は何も見えません。また,道路にひびが入ったり陥没した場合でも,多くの場合は「まあ,結構車走ったからねえ」くらいで済んでしまい,それ以上の責任問題にはなりません。
ここに目を付けた業者が,「検査逃れ」を企んで仕様書どおりの道路を造らないのです。具体的には,「砂利を少なくする」ことや「舗装の質を落とす」などがあげられます。
確かにボーリング調査は役所の担当者の判断で場所を決めるため,業者は「くまなく工事をする」必要があるようにも思えます。しかし,仮にこの業者が首長とつるんでいたとしたらどうでしょうか。当然,検査担当職員に対しても,上司ルートを通じて「検査はこの辺」という指示が降りてくることになります。すると,事情を知ってか知らぬかはともかく,その場所を検査します。業者は,「そこだけは仕様どおり」工事をしますので,検査はパスします。ところが,その他については素材を落としているのです。
当然,事業費は全額支払われますので,手を抜いた分は「業者の丸取り」となります。さらに,ここに「夢のキャッシュバックシステム」が加われば・・,もうこの先は説明不要ですね。
2 検査の見落とし
仮に首長とつるんでいないケースであった場合も,案外簡単に偽装ができます。
まず,工事で埋めるものは埋めます。ところが,砂利をローラーかけるときに,所定の圧力をかけないのです。すなわち,「ゆるめのローラー」にしておくのです。これで砂利の節約ができます。
また,アスファルトも,素材は落としておきますし,砂利の配分を減らしておきます。
こうすることで,トータル費用はカットできます。
一方,ボーリング調査では,一応厚さは維持しているため,その場限りの検査はクリアするのです。
ただし,数年後にあっという間にぼろぼろになってしまうのは言うまでもありません。身近にありませんか,あっという間に穴があいた道路?
3 中古素材の活用
古い道路工事で出た廃材を再利用しているという疑惑もあります。
確かに,砂利などは再利用できそうな感じもしますが,古いアスファルトやコンクリートなどについては,それを砂利に混ぜてしまうのは,必ずしも良い方法とは言えません。道路内部が産廃置き場になってしまうからです。
第3 本日のまとめ
偽装問題が叫ばれる昨今において,道路工事の偽装も重大な問題といえます。
特に首長と結託してしまうと,もはややりたい放題となってしまいます。
この対策は,「検査担当の独立の確保」と「定期的な検査の実施」にあります。蓋をした後でも道路構造についてチェックをする制度を作れば,偽装は減少するでしょう。現状では,基本的には蓋をしてしまうと二度と偽装かどうか分かりません。
また,こうしたチェックはまさに普段道路を使っている私たちのためでもあるのです。快適な道路を維持するべく,定期チェックはもっと細かくやるべきなのです。
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第1 道路工事終了後の対応(表街道)
1 道路工事が終わったら
道路工事が終了すれば,検査を受けます。この検査は,抜き打ちで道路の数カ所でボーリングを行い,仕様書どおりの舗装になっているかをチェックします。それで,問題なければ検査をパスしたとして工事終了となります。
2 道路開通後の対応
業者には,一応1年間の補修責任を負いますが,道路の場合,自動車の通行を原因として想定外の破損が通常どおり発生します。
そこで,実際は,陥没や明らかなひび割れなど業者側に責任があると明白な場合以外は,業者の補修責任は発生しません。
3 道路定期検診
大規模道路では,数年に1回程度,道路の点検作業を行います。しかし,あくまでも表面や付帯施設のチェックが中心なので,道路の中身まで細かく確認するわけではありません。そもそも,建物のように点検する方法すらないのです。
一方,小さな道路では,積極的な点検までは行っておらず,せいぜい舗装がとれたかどうかなどを確認する程度になります。
4 補修作業
道路の補修作業は,軽微なものであれば役所の職員が行いますが,ちょっと大きな規模になった場合は,業者に発注します。
ただし,金額がそんなに大きくないことと,急を要する事業であることから,多くは「随意契約」となります。
第2 道路偽装工事って(裏街道)
1 仕様書と違う道路
仕様書の道路は,道路構造令に基づく内容となっています。したがって,舗装のサイズや砂利のサイズ,厚さなどが細かく定められています。そして,これを満たすかどうかは,ボーリング検査によって確認するため,ごまかしがきかないようにも思えます。
ところが,道路の場合,一度蓋(舗装)をしてしまうと,もはや中身は何も見えません。また,道路にひびが入ったり陥没した場合でも,多くの場合は「まあ,結構車走ったからねえ」くらいで済んでしまい,それ以上の責任問題にはなりません。
ここに目を付けた業者が,「検査逃れ」を企んで仕様書どおりの道路を造らないのです。具体的には,「砂利を少なくする」ことや「舗装の質を落とす」などがあげられます。
確かにボーリング調査は役所の担当者の判断で場所を決めるため,業者は「くまなく工事をする」必要があるようにも思えます。しかし,仮にこの業者が首長とつるんでいたとしたらどうでしょうか。当然,検査担当職員に対しても,上司ルートを通じて「検査はこの辺」という指示が降りてくることになります。すると,事情を知ってか知らぬかはともかく,その場所を検査します。業者は,「そこだけは仕様どおり」工事をしますので,検査はパスします。ところが,その他については素材を落としているのです。
当然,事業費は全額支払われますので,手を抜いた分は「業者の丸取り」となります。さらに,ここに「夢のキャッシュバックシステム」が加われば・・,もうこの先は説明不要ですね。
2 検査の見落とし
仮に首長とつるんでいないケースであった場合も,案外簡単に偽装ができます。
まず,工事で埋めるものは埋めます。ところが,砂利をローラーかけるときに,所定の圧力をかけないのです。すなわち,「ゆるめのローラー」にしておくのです。これで砂利の節約ができます。
また,アスファルトも,素材は落としておきますし,砂利の配分を減らしておきます。
こうすることで,トータル費用はカットできます。
一方,ボーリング調査では,一応厚さは維持しているため,その場限りの検査はクリアするのです。
ただし,数年後にあっという間にぼろぼろになってしまうのは言うまでもありません。身近にありませんか,あっという間に穴があいた道路?
3 中古素材の活用
古い道路工事で出た廃材を再利用しているという疑惑もあります。
確かに,砂利などは再利用できそうな感じもしますが,古いアスファルトやコンクリートなどについては,それを砂利に混ぜてしまうのは,必ずしも良い方法とは言えません。道路内部が産廃置き場になってしまうからです。
第3 本日のまとめ
偽装問題が叫ばれる昨今において,道路工事の偽装も重大な問題といえます。
特に首長と結託してしまうと,もはややりたい放題となってしまいます。
この対策は,「検査担当の独立の確保」と「定期的な検査の実施」にあります。蓋をした後でも道路構造についてチェックをする制度を作れば,偽装は減少するでしょう。現状では,基本的には蓋をしてしまうと二度と偽装かどうか分かりません。
また,こうしたチェックはまさに普段道路を使っている私たちのためでもあるのです。快適な道路を維持するべく,定期チェックはもっと細かくやるべきなのです。
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そうなんです,以前のおいしい話でも書きましたが,二次請け,三次請けの業者は全くといっていいほど儲からないんです。でも,仕事はきっちりやるんです。
この矛盾を解くカギがあれば,世の中の構造改革がもっと進むと思うのですが。
思い切った「楽市楽座」が必要かもしれませんが,良いアイデアが思いつかないのが悲しいところです。