あれは,あれで良いのかなPART2

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光クラブ事件,その光と影

2006年07月01日 12時53分12秒 | テレビの話
数日前に,光クラブ事件の再現ドラマ(しかも役者は皆大物揃い)が報じられていました。何となく最後まで見てしまいましたので,その感想を一言。

きれいに作りすぎ!!

もちろん,みんなが見るドラマなので,あまりにえげつないところは描かなかったのだと思います。また,このドラマのメインが,「昭和のライブドア事件」ということから,堀江被告と山崎氏との類似点を示したかったと言うことから,おそらくそれなりにきれいな脚本にしたのだと思います。

ところで,ドラマを見ていない方のために簡単に「光クラブ事件」を説明しますと(詳細はリンク先などを参照して貰えればと思いますが),昭和23年に現役東大生だった山崎氏が「光クラブ」といういわゆる闇金融業者を設立し,その後銀座に進出して大々的に宣伝をする一方,投資家(金主)を募り,どんどん貸付を増やしていったが,結局当局に摘発されたがために投資家が殺到し,会社経営が困難となり,結果第1回の支払期限の直前に山崎氏が自殺をしてしまった,という事件です。
そして,彼の生い立ちや言動,会社の羽振りなどがライブドアや堀江被告に似ていると言うことから,ライブドア事件を「平成の光クラブ事件」とか読んでいる場合もあるのです。

さて,ドラマでは,あくまでも山崎氏の哲学を中心に報じていました。それはそれでいいのでしょうが,事件としては所詮「闇金融業者の行く末」に過ぎないのです。すなわち,光クラブの貸付によって,返済困難な借り主がかなりいました。かつ今のような貸金業法や民事執行法などが十分整備されていなかったために,光クラブの取立は今では想像もできないような相当あこぎなものでしたので,返済できなかった人の多くは自殺,夜逃げ,炭鉱等での事実上の強制労働,家族離散,赤線(今のソープランドなどの風俗店)への身売りなど,人生めちゃめちゃにされた人がかなりいたようです。
そういう点から,私は山崎氏を特別視する点には若干疑問を感じていました。
もっとも,光クラブ事件によって,銀行法の改正,貸金業法の制定(許可制度導入),民事執行制度の整備(差押え禁止範囲の制度導入など)などが進むことになったという利点は挙げられます。

またこの事件,実は奥深くにあるのは,「一番特をしたのは山崎氏ではなかった」ということなのです。ドラマでも,その点はほとんど触れられていませんでしたが,脚本家のポリシーだったのか,ちょろっと気づかない程度のエッセンスは含んでいました。
簡単に言えば,山崎氏は,光クラブを維持するために多くの人材を頼りました。政財界に顔の利く人物として,新聞(当時の主力メディア)方面の大物と接触し,メディア対策や官僚対策,議員や官僚に対する顔きき(推測ですが,当時の財務官僚に対しても相当な賄賂を送っていたと思われるフシがあります),さらにはウラ社会に対し人脈を広げていきました。
当然,人脈を広げるため,そしてその人脈を維持するためには,「お金」が必要なわけですから,このように山崎氏に群がった人たちは,相当な利益を得ていた訳なのです。さらに,このような人たちは,光クラブ取り付け騒動の際,一気に光クラブを見放しました。そうです,「金の切れ目が縁の切れ目」という訳なのです。
したがって,光クラブ事件,本当に特をした人間は,光クラブに群がってお金をもらったあげく,その後一切の責任を取ることなく,またそもそも山崎氏との関与関係さえも疑われることなくそーっと身を引いた「この人たち」なのです。
そう考えた場合,実は「ライブドア事件」だって,政財界には相当儲けた人がいるわけですが,そういう方々の責任問題は,ほとんど発生することなく,幕引きとなってしまいました。この点も,「平成の光クラブ事件」と言われるゆえんかもしれませんね。

光クラブ事件,他にもいろいろとおもしろいことがあります(例えば愛人の作り方や女性に対する考え方など。)。興味のある方は,一度本などを読んでみることをお奨めします。

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