あれは,あれで良いのかなPART2

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「ごくせん」から教育を考える(最終回)

2005年03月31日 00時36分28秒 | 教育問題
前回の続きです。いよいよ最終回になります。

8 その他のこと
 以上は,「ごくせん」をベースに検討したことです。
 この他に,これまでの内容を担保できるような制度や手法として次のようなものが考えられます。
① 教育内容の充実化
  マスプロ教育だけではなく,ユニ教育を併存させるため,教科や科目を選択できる道を小学校のうちから可能とするようにします。特に,高学年以降は,半分近くは選択科目にします(もちろん,基礎学力たる教科についてはマスプロ教育によりコア科目とします。)。
  また,マスプロ教育の弊害である落ちこぼれ対策として,能力別クラスとします。これについては,批判が多いところですが,能力別クラスはクラス全体の授業のレベルと進行をしっかり維持できる点で有用です。また,批判の多くが,「天才と馬鹿の格付けをしてしまう。」という点にありますが,それはマスプロ教育のみに視点をおいた場合の話です。ユニ教育を併存することで,クラス編成も変わってきます。もっと言うと,ホームルームのクラスは,普通構成にして,授業時は科目ごとに能力別クラスにするなどの手法にすることも可能です。

② 地域性に応じた教育内容の確立
  構造改革特区により,現在様々な教育内容が全国で進められています。30人学級を始め,英語教育,2学期制,学区の廃止,学校選択制,義務教育低年齢化,日本語教育の充実などです。
  これらについては,いずれも教育の専門家から反対意見が伴うものであり,どれがよい教育でどれが悪い教育なのかは一概に言えません。ただ,確実に言えることは,その地域の特性に応じた教育内容が必ずある,ということです。
  逆に言うと,よそで成功した教育内容をそのままコピーして持ってきても,その町で成功するとは限りません。
  現在の教育内容は,文部科学省により全国画一化しています。もちろん,マスプロ教育たる画一化も必要ではありますが,一方で柔軟な対応,すなわち地域ユニ教育もある程度認めていく必要があろうかと思います。
  更に言うと,教育の権限は地方自治体に委譲する必要があるといえます。文部科学省はミニマムな点(基礎学力部分)についてのもに指針を示し,その他の部分については地方自治体が教育に関する権限を有するようにします。これにより,きめ細かな指導要領などの作成が可能になります。
  教育権は,国家にだけあるのではなく,国民側(親や教師)にもある,といことは,最高裁も認めているところです。国民の意向も反映するような指導要領の作成が求められるべきでしょう。

③ 「ゆとり教育」自体は,決して悪ではない。
  誤解のないようにいいますが,私は「ゆとり教育」は悪いもの,とは思っていません。むしろ,子供が自ら考える力,広い視野を持つためには必要な教育だと思います。
  ただ,これはまさに「ユニ教育」であるべきところを,「マスプロ教育」的にゆとり教育を持ってきてしまったこと,その内容を文部科学省が現場の教師に丸投げしてしまったこと,教師が十分に把握できなかったこと,親や地域も「ゆとり教育」の真意を理解できなかったことに問題があると考えます。
  したがって,「ゆとり教育」は廃止する必要はありません。やり方を変えればよいのです。
  具体的には,「ゆとり教育」の真意を教師はもちろん,親や地域(つまり全国民)にしっかりと説明します。また,教師に対して丸投げではなく,具体的な方策を複数呈示します。教師は,その呈示されたものを踏まえて,そのまま又はアレンジして使用します。そして,ゆとり教育は全員同じことではなく,個別対応,または小さなグループ単位で対応し,やることはそれぞれの個性に応じたものにします。
  こうすることで,更に個性を伸ばすことが可能となりますし,逆に「ゆとり教育」を生徒の苦手分野の克服という視点で使っても良いでしょう。
  いずれにしても,「ゆとり教育」は使い方で毒にも薬にもなりますので,どうせならば薬にした方がよいでしょう。

④ 地域コミュニティの醸成
  これは,専ら政治家に対しての話になりますが,教育に限らず,地域社会を確立しておくことは大変重要です。教育に当たっても,地域コミュニティが確立されているか否かでその効果は大きく異なります。

以上,長々と書き記しました。自分の勉強不足,認識不足などがあると思いますので,そのような点をどんどんご指摘ください。
最後までお読みいただきましてありがとうございましたm(__)m

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