中国内約100か所で,反日デモが繰り広げられましたが,一部が暴徒化し,日系企業への放火や略奪などが相次いでおります。
中国政府は当初容認姿勢を見せておりましたが,暴徒が広がるなか,規制の強化に踏み切りつつあります。
中国反日デモ拡大=北京で暴徒化、広州1万人に(時事通信) - goo ニュース
自分で自分の首を絞めている中国
このデモは,発端は,中国ならではのいわゆる「官製デモ」です。来月の党大会に向けて,国内世論を政治情勢からそらすために,日本の尖閣問題が格好の材料になったことなどから,当初はデモを黙認というか,一部では動員をかけてまで容認していました。
ところが,中国政府の読み違い,それは「暴徒化」でした。ここは中国政府の想定外といえます。まして,反政府運動に広がりつつある動きは,完全に目論見違いであったことから,中国政府は規制にとりかかったのです。
そもそも,日系企業といっても,中国政府の基本方針として,「日本人には儲けさせない」というところがありますので,利益の大半は中国に落ちるような経理となっています。また,従業員のほとんどが現地中国人ですから,雇用関係も中国の利益になるようになっています。
今回の放火や略奪行為は,日本企業への損害ももちろん大きいのですが,それ以上に,操業停止または撤退ということにつながることで,中国における利益はなくなり,また雇用も失うことから,失業者の増加につながります。
まして,日本製品が中国市場内に占める割合は2割以上と極めて高いことから,仮に日本企業の流通販売が停止してしまうと,中国内では一気に深刻な「モノ不足」に陥ります。
つまり,日系企業への暴徒がこのまま進んでしまうと,結果的に,中国経済を一気に失速させ,風前のともしびである「中国バブル経済」の終焉を速めてしまうということになりかねません。
っていうことは,官製でデモを作った中国が,結果的に自分の首を絞めているという極めて「自業自得」な結果になってしまっていると言えるのです。
自分たちの暴徒行為が,皮肉にも同胞の仕事を奪い,中国経済を不景気に導いてしまっているのです。
さらにいうと,官製デモを容認したことで,不満を日本にぶつけようという思惑でしたが,中国バブルの影響で,国内では格差問題が深刻な状況になっているほか,バブル崩壊寸前ということから,いわゆる成金組が一気に落ちぶれているという,まさに日本のバブル末期と同じ状況になっているため,国内では政府に対する不満がかなりくすぶっていましたので,逆にこのデモ容認でそれが爆発してしまったといえます。
ここは完全に中国政府の想定外でした。問題をそらすつもりが,逆に目を向けてしまう羽目になってしまったのです。
こうなると,中国政府としては,尖閣問題を国内政治対策としてのカードとしては切りにくくなります。
じゃあ,日本政府は安心でしょうか。いやいや,そんなことはありません。日本政府も完全に読み違いがありました。
最大の読み違いは,「デモがここまで発展する」ことでした。日本政府としては,「尖閣諸島に物を作らなければ,中国は口先だけで文句を言うだけ。」と踏んでいました。だから,国有化して自然保護する,という個人的には意味不明と思うような対応をすることとしたのです。
ところが,まず国有化の時期が悪すぎました。満州事変81周年の直前にやるというのは,どう見ても反日活動の火に油を注ぎます。
また,中国政府の国内情勢からの動きを読み切れなかったというのも誤算でしょう。国内情勢は当然外務省もきっちり押さえていたと思いますが,中国政府がそのために官製デモを発動させることを想定していなかったと思われます。
さらに,小沢一郎氏が,今回,ほとんど動かなかったという点も実はあります。小沢氏は,中国への太いパイプを持っていますので,これまでは事前根回しができました。しかし,民主党を下野したことで,政権与党としての根回しを一切行わず,あえて傍観していたという点も,問題を大きくする要素のひとつであったといえます。
結果,日系企業への事前対応が不十分であり,かつ中国政府に対する事前根回しも行っていなかったことから,暴徒化への対応がほとんどできなかったといえるでしょう。
通常であれば,中国政府に対し,事前根回しの段階で,「暴徒化へは毅然とした対応をとる」ことを伝えておくことで,牽制球を投げておくものでした。しかし,この辺は大きな読み違いにより,結果として,日系企業に多大な被害を与えてしまったといえます。
つまり,この暴徒,日中両政府とも,大きな読み違いをしたことで発生した政府の失策であったといえます。
とはいえ,基本的には,中国政府の問題が大きいですから,あとは中国の責任で今後の賠償も含めて対応してもらいたいものですし,日本としても,ここは強くでていいでしょう。
必ず,中国は,「元はと言えば,尖閣諸島を日本が不法に支配しているのが原因だから,中国政府としては関係ない。」とほざくでしょうが,日本としては,「だから暴徒化して企業に損害を与えてよいという道理はない。責任はきっちりとりやがれ。」と強く出ていくべきでしょう。ここでなめられたら,また,同じ暴徒が発生します。そうなると,今度は,在中日本人の生命身体へも重大な影響を与えかねません。
中国政府にも,アキレスけんはあります。正当な外交はもちろん必須ですが,今回のケースは,アキレスけんを集中的に攻めていくことも必要です。アキレスけん,それは「中国バブル経済破たん」です。このトリガーを日本は引くことができる立ち位置にいますから,それを盾に中国にある程度のことを迫っていくべきです。もちろん,このトリガーを引くことは,日本自体への経済的ダメージも受けますが,既に各企業とも,リスクヘッジを進めていますから,経済界への根回しをしたうえで,こうした外交戦術を行うべきではないでしょうか。
そろそろなめられっぱなしの中国外交の戦術を改めましょう。
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中国政府は当初容認姿勢を見せておりましたが,暴徒が広がるなか,規制の強化に踏み切りつつあります。
中国反日デモ拡大=北京で暴徒化、広州1万人に(時事通信) - goo ニュース
自分で自分の首を絞めている中国
このデモは,発端は,中国ならではのいわゆる「官製デモ」です。来月の党大会に向けて,国内世論を政治情勢からそらすために,日本の尖閣問題が格好の材料になったことなどから,当初はデモを黙認というか,一部では動員をかけてまで容認していました。
ところが,中国政府の読み違い,それは「暴徒化」でした。ここは中国政府の想定外といえます。まして,反政府運動に広がりつつある動きは,完全に目論見違いであったことから,中国政府は規制にとりかかったのです。
そもそも,日系企業といっても,中国政府の基本方針として,「日本人には儲けさせない」というところがありますので,利益の大半は中国に落ちるような経理となっています。また,従業員のほとんどが現地中国人ですから,雇用関係も中国の利益になるようになっています。
今回の放火や略奪行為は,日本企業への損害ももちろん大きいのですが,それ以上に,操業停止または撤退ということにつながることで,中国における利益はなくなり,また雇用も失うことから,失業者の増加につながります。
まして,日本製品が中国市場内に占める割合は2割以上と極めて高いことから,仮に日本企業の流通販売が停止してしまうと,中国内では一気に深刻な「モノ不足」に陥ります。
つまり,日系企業への暴徒がこのまま進んでしまうと,結果的に,中国経済を一気に失速させ,風前のともしびである「中国バブル経済」の終焉を速めてしまうということになりかねません。
っていうことは,官製でデモを作った中国が,結果的に自分の首を絞めているという極めて「自業自得」な結果になってしまっていると言えるのです。
自分たちの暴徒行為が,皮肉にも同胞の仕事を奪い,中国経済を不景気に導いてしまっているのです。
さらにいうと,官製デモを容認したことで,不満を日本にぶつけようという思惑でしたが,中国バブルの影響で,国内では格差問題が深刻な状況になっているほか,バブル崩壊寸前ということから,いわゆる成金組が一気に落ちぶれているという,まさに日本のバブル末期と同じ状況になっているため,国内では政府に対する不満がかなりくすぶっていましたので,逆にこのデモ容認でそれが爆発してしまったといえます。
ここは完全に中国政府の想定外でした。問題をそらすつもりが,逆に目を向けてしまう羽目になってしまったのです。
こうなると,中国政府としては,尖閣問題を国内政治対策としてのカードとしては切りにくくなります。
じゃあ,日本政府は安心でしょうか。いやいや,そんなことはありません。日本政府も完全に読み違いがありました。
最大の読み違いは,「デモがここまで発展する」ことでした。日本政府としては,「尖閣諸島に物を作らなければ,中国は口先だけで文句を言うだけ。」と踏んでいました。だから,国有化して自然保護する,という個人的には意味不明と思うような対応をすることとしたのです。
ところが,まず国有化の時期が悪すぎました。満州事変81周年の直前にやるというのは,どう見ても反日活動の火に油を注ぎます。
また,中国政府の国内情勢からの動きを読み切れなかったというのも誤算でしょう。国内情勢は当然外務省もきっちり押さえていたと思いますが,中国政府がそのために官製デモを発動させることを想定していなかったと思われます。
さらに,小沢一郎氏が,今回,ほとんど動かなかったという点も実はあります。小沢氏は,中国への太いパイプを持っていますので,これまでは事前根回しができました。しかし,民主党を下野したことで,政権与党としての根回しを一切行わず,あえて傍観していたという点も,問題を大きくする要素のひとつであったといえます。
結果,日系企業への事前対応が不十分であり,かつ中国政府に対する事前根回しも行っていなかったことから,暴徒化への対応がほとんどできなかったといえるでしょう。
通常であれば,中国政府に対し,事前根回しの段階で,「暴徒化へは毅然とした対応をとる」ことを伝えておくことで,牽制球を投げておくものでした。しかし,この辺は大きな読み違いにより,結果として,日系企業に多大な被害を与えてしまったといえます。
つまり,この暴徒,日中両政府とも,大きな読み違いをしたことで発生した政府の失策であったといえます。
とはいえ,基本的には,中国政府の問題が大きいですから,あとは中国の責任で今後の賠償も含めて対応してもらいたいものですし,日本としても,ここは強くでていいでしょう。
必ず,中国は,「元はと言えば,尖閣諸島を日本が不法に支配しているのが原因だから,中国政府としては関係ない。」とほざくでしょうが,日本としては,「だから暴徒化して企業に損害を与えてよいという道理はない。責任はきっちりとりやがれ。」と強く出ていくべきでしょう。ここでなめられたら,また,同じ暴徒が発生します。そうなると,今度は,在中日本人の生命身体へも重大な影響を与えかねません。
中国政府にも,アキレスけんはあります。正当な外交はもちろん必須ですが,今回のケースは,アキレスけんを集中的に攻めていくことも必要です。アキレスけん,それは「中国バブル経済破たん」です。このトリガーを日本は引くことができる立ち位置にいますから,それを盾に中国にある程度のことを迫っていくべきです。もちろん,このトリガーを引くことは,日本自体への経済的ダメージも受けますが,既に各企業とも,リスクヘッジを進めていますから,経済界への根回しをしたうえで,こうした外交戦術を行うべきではないでしょうか。
そろそろなめられっぱなしの中国外交の戦術を改めましょう。
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日米中韓,いずれも内政がごたごたしているため,外に目を向けさせている可能性がありますね。
どちらにせよ,理性と知性で外交をきっちりやってもらいたいものですね。
いずれにしても、冷静に対応しなければ行けません。低俗なナショナリズムでなく、きちんと外交的駆け引きの中ではやく落としどころを探っていくべき。