あれは,あれで良いのかなPART2

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北朝鮮での金正恩氏のお披露目マスゲーム,北朝鮮の戦略はここに・・

2010年10月11日 19時44分54秒 | 外交・海外情報
北朝鮮が,世界の要人を招いた軍事パレードにおいて金正日氏と金正恩氏のツーショットを公開しました。
これについて北朝鮮からの公式コメントは出されていませんが,軍事政権を軸にした金体制の後継者確立を内外にアピールしたものではないかとみられています。

金正恩氏、国民に初めて姿 総書記とマスゲーム観覧 (共同通信) - goo ニュース

北朝鮮も南北統一の保険をかけ始めた

今回の正恩氏お披露目マスゲームにおいて,金政権の3代目は三男の正恩氏であるということはほぼ確実となりました。
一方で,長男の金正男氏は基本的に政権に加わらないため,金正日体制はそのまんま正恩氏が引き継ぐということになると思われます。
しかし,北朝鮮,実は巧みな保険をかけています
北朝鮮の脅威,それは「アメリカの軍事介入による北朝鮮政治体制の崩壊」と「イニシアティブをとれない南北統一」にあります。
北朝鮮としては,「自分たちの政治体制の維持」が絶対条件であるという前提で戦略を練っています。しかしながら,軍事力はもちろんのこと,経済的にも弱体化は否めない現状において,本気でアメリカが介入してきたらあっという間に北朝鮮の政治体制は崩壊します。それこそ,イラクより早く陥落するでしょう。
一方,後ろ盾の中国だって,アメリカと真っ向勝負は避けたいところですし,アメリカだって,中国までを敵に回すつもりは毛頭ありません。だとすると,アメリカの介入について,中国への影響をなしにすることと,北朝鮮の経済的復興についてのイニシアティブを中国に与えるという条件を出せば,中国は真剣に北朝鮮擁護には回らないでしょう
したがって,北朝鮮としては,「このままだとあと10年もたない」っていう危機感を抱いているはずなのです
そのリスクヘッジの一つとして,世代交代により,国内体制の見た目だけの変革をアピールしようという意図が考えられます。そのためにも,今回のお披露目は,そうしたアピールの一環であったと言えるのです。

ただ,それだけではたいしたリスクヘッジになりません。
実は,ここでキモとなるのは,「金正男氏」の存在なのです
彼は,実は,北朝鮮きっての外交通で,しかも世界中の要人との太いパイプを持っています。のみならず,主要国の官僚やマスコミ関係者もメル友になるなどして,相互に情報交換を行なっているのです
すなわち,北朝鮮の今後のシミュレーションを一番冷静に行える人物は,まさに金正男氏なのです。そして,その回避策のカギを握る男でもあると言えるわけなのです。
もっというと,正男氏の徹底した情報収集と非公式外交戦略により,アメリカの動きを完璧に把握するとともに,経済界を中心としてその動きの抑制や統制も可能となり,逆に言うと,アメリカ軍の介入時期や介入後の動きなどについてのシナリオを描くことすら視野に置いていると思われます。
もちろん,南北統一の場合の理想的な動き方も既に想定済みです

つまり,ものすごくざっくり言うと,国内政治全般=正恩氏,外交諜報南北統一関係=正男氏という役割を持って,北朝鮮の政治全般を運営していくことになるでしょう。
とすると,日本における拉致被害者問題だって,おそらくは正男氏の諜報活動に基づいて,絶妙なタイミングでカードを切ってくることでしょう。したがって,日本の警察官僚や外務省官僚にいるといわれる正男氏のメル友が,逆に正男氏からの情報をどこでどのように使うか,フェイクの有無などについて慎重に吟味しなければ,北朝鮮の思うつぼになることでしょう

いずれにせよ,日本としては,今まで通り毅然とした態度で外交に臨めば大丈夫です。ただし,情報戦が相当ものを言いますから,国挙げて情報収集や分析を怠らないようにすることが,拉致問題解決の第一歩になるはずなのです

ちなみに,今回の動きをみて「北朝鮮って結局世襲制なんだ。だからダメなんだよねえ」って思われた方,実はこれは何も北朝鮮に限った話ではありません。日本でも同じようなことが行なわれてます
議員の多くが二世,三世となってきました。そして,二世議員の場合,多くが地元で大々的なお披露目会をやり,名前を売り,そしてあるタイミングで「世代交代」として引き継ぎます。そして,自分の一族が歴代政治家になることを主眼に置いた行動をするため,後援会や支持者主体政治を行ないます。そして,後援会はもちろんのこと,地元有権者も盲目的に「あの先生の御子息だから」だけの理由で投票してしまうっていう構造が結構見受けられませんか?
これもまさに,今の北朝鮮と同じ構造です。
別に二世議員が悪いとは言いませんが,北朝鮮との最大の違い,それは「有権者が適正に判断をすることができる」というのが日本の政治システムですから,二世議員だから無条件っていう投票ではなく,人となりや政治姿勢,政策等が妥当なのかきちんと吟味したうえで投票することが求められます。その結果,二世議員が当選するのであれば,全く問題はないでしょう。
日本の議会を北朝鮮にしてはいけません。

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