入院

慌ただしく時は過ぎ、あっという間に入院当日。

昨夜は店の片づけで徹夜だった割に、緊張からか全く眠くない。

いろんな検査、書類へのサイン、手術内容の説明、一度目の病院食をはさみ、各々担当医師の自己紹介、が終わったら、一気に眠気が来て撃沈。

起きてまた食事、監禁生活が始まった。

一緒に入った向かいの女性は若く、妊娠していそうもない。
言葉をかけられず何となく過ごす。

あちこちから聞こえる赤ちゃんの鳴き声、そして産めない女達がまたここにいる。
私は慣れたが、この部屋の彼女は何を思っているのか？

21時で飲食は禁止。
経口補水液だけ許される。
先ほど、睡眠薬と下剤を渡された。

化粧を落とし、マニキュアを落とし、爪を短くされ、それでも生きてゆくために明日は子宮を採られる…。
私が女として生きてゆけるのはこの長い髪があるから。

もうじき眠くなるのだろうか。

何ともたまらない長い夜だ。


追伸:お見舞い金や入院お役立ちグッズありがとうございます。
本当に助かっています。