やっち@十月祭とビール好きの部屋

町田の老舗麦酒屋さんを畳んだ店主のその後奮闘記です(笑)

町田ノイズファイナル

2019-05-06 11:00:45 | 日記
開店直後の閑散とした町田ジョルナへ。

私がここへ来るのはノイズに行くことくらい。ティーンエージャーが集うビル。

初めてノイズに来たのは大学時代。

大学が近かったので立ち寄ったファッションビルの4階に忽然とあったその場所は、照明も暗めでジャズが流れるお洒落で大人な雰囲気。

ジャズ自体は親の影響で幼い頃からレコードを聴いていて身近なものだったのだけど、ここに入るのは本当に覚悟が必要で、女友達と二人で来て椅子席に向い合わせで座ったもんだ。

カウンターに座ってスタッフさんと楽しそうにしゃべるなんて憧れだった。
独りで本を読むとかも、間が持たなくてまだできなかった。

それから町田を離れ、どうしたものか町田の人と結婚してまたここに住むことになる。

そしてその彼は、ジョルナの屋上でライブをしていたと言う不思議な縁。
アマチュアバンドと音楽の街だった頃のね。
(まあ、私はミュージシャンとして知り合ってないのでそこには興味ない。)

とにかく、このビルは町田の駅界隈を拠点とする人々の、文化的でアートのシンボル的なビルだった。

そして、現在それを象徴する古き良き町田がここノイズにのみ辛うじて残っている。

今の私は、独りで居ることが殆どで、カウンター以外に座ることが逆にはばかられる。
テーブルの席の向かいを空けていることがすごく気になる。

今日はここノイズのラスト営業日。
通常完全に寝ている時間だが、気合いいれて開店狙った。
11時からだとランチ狙いの人が押し寄せるからね。

予想通りまだテーブル席もカウンターも余裕があって、四名テーブルに独りで(この日に信じられない)座っている男性が二組、二名テーブルに向かいを空けて独りで座っている女性がいくらもいた。
(まあ、いつものノイズはそんなでした)

どちらにも座れたのだけど独りなのでカウンターへ。

ここの接客は決して完璧ではない。
どちらかと言えば気が利かない。お客さんの動向見ていない。要領も悪い。
いつもスタッフで喋っている。
厨房に戻る際にテーブル片付けたらよいのにしない。
隣のメニューを今来た人に渡せばよいのに一度持って帰る。
酒類を頼めば最初だろ?と思ってものんびり出てくる。
退店されたお客の食器がいつまでも席に残っている。
レジには会計待ちの人が立っている。

数えればキリがない。f(^_^)

メニューが出てくるまでいつも待たされる。
今日も10分はボーッとしていた。

注文してから最初の飲み物が出てくるまで更に15分は待った。

それでも来てしまう私の憩いの場。
構われなさが寛げる。
そもそも時間がない人がせかせか来る場所ではない。

今回はランチも始まる前の時間なので、二時間飲み放題コース2000円。
生ビールとツナサンド。

これから混むだろうから同時に会計を済ませ、独り思いを巡らす。
あそこに座った、あそこで聴いた、あそこで喋った…
下を向くと涙が出そうだ。

そこへ、lineがあって仲間がここへ来ると言うのでちょうど空いていた二名テーブルに移らせてもらう。

入り口に背を向けたカウンターと違って、こちらレジ横の席は店全体がよく見渡せた。

前述の四名テーブルの御一人様二組は相変わらずのんびりとパソコン打ったり、スマホいじったり。
カウンターの三名オバサンは、「行き納め!」とか「来れて良かった~」とかお互いに代わる代わる写メ撮りまくっている。
立ち上がって撮ってるよ…オイ(* ̄∇ ̄*)

店の外を見れば、長蛇の列…

シュールだ…(^_^;)

おそらく“30分待ち”の札が出されたのだろう。

これだもの

それでも待つと言う人がいることが何とも不思議。
喫茶店って飲み終わってもいたりするじゃない?ラーメン屋と違って時間読めないのにね。

それでも無駄に接客できないお客を入れないのがここノイズクオリティ。
中にいる人は外の喧騒を全く感ずることなくリラックスできるのだ。(だから儲からない)

客もエーかげんにせーよとも思うけどね。(ー_ー;)

ツレのランチの注文と同時にアイスコーヒーを注文。
初めてノイズで頼んだメニューだ。
これで〆よう。

「お釣りはいいです」
「お疲れさまでした」
「頑張ってください!」
レジでお会計をする方はどなたも一声あって、ジンと来るね…。

皆さんの一人一人に思い出があるんだろうね。

十月祭のお客さんで、ここの解体を手伝うって人から話を聞いた。
解体かぁ…
泣いちゃうなぁ。(自分のことも重ねて)

私はとても手伝えないってか立ち合えない。せめてもの慰労にスタッフへ栄養ドリンク渡してきた。

オーナーママ、タミさんには軽く手を降った。
仰々しい挨拶は違うかなって思った。

私だったらして欲しくなかったから。

“町田ノイズ”

移転とか復活とかして欲しいけど、クラウドファンディングも盛り上がってるけど、支援したけど、これだけのキャパ、町田界隈厳しいよね…。
オーナーママにはその重圧から逃れて欲しいとも思うよ。

でも生きてる限り待ってるよ。
コメント
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