木は気候や気温、降水量等によって成長の度合いが変わります。
春季に木は成長が盛んになり、夏以降成長は鈍化していきます。
成長がゆっくりになると木は密になり色が濃くなります。
そしてまた春が来ます。
こうして1年周期で成長の早い薄い部分と、成長の遅い濃い部分が年輪となって現れます。
熱帯地方など四季がなく1年中一定の気候が続く地域では年輪ができません。
ヤシの木(Palm Tree)
木の年輪に親しんでいる私たちにとっては、なんだか不思議で奇妙な感じを受けます。
今年の7月は九州や中部、東北地方など大変な豪雨でした。
気象庁から顕著な災害を起こした自然現象に対して名前を付けられますが、今年の豪雨は「令和2年豪雨」と命名されたほどです。
(⇒気象庁)
岐阜県瑞浪市大湫(おおくて)町では、神明神社の大杉が根元から倒れました。
幸い民家の一部をかすめただけで、倒木による人的被害はなかったようです。
やはり「神木」でしょうか・・・。
人的、物的災害もさることながら、町のシンボルでしたから精神的にも大きなダメージだったと思います。
神明神社の御神木「大杉」
樹齢1300年と推定されています。
地域の人たちはこの大杉に小さい頃から親しんできたに違いありません。
倒木した大杉のこれからは、まだ模索中ですが、大湫町大杉再生プロジェクトが始動し、協力を求めています。(⇒大湫町 御神木・大杉応援サイト)
そんな中、この1000年以上も生きて木大杉の年輪を分析して気候変動の研究に生かそうとする研究が始まりました。
年輪の幅や化学成分は、その当時の気候や環境で変わりますので、そこから当時の状況を把握しようとするものです。
また他の地域の年輪と比較することで地球規模で理解できるようです。
名古屋大大学院環境学研究科 中塚武教授
気象のデータは、あっても100年程度で、この年輪の分析と研究で1000年の過去にまでさかのぼって多くの気象データを得ることができると期待されています。
一般の人にとっては、木の年輪は数を数えて何年経っているぐらいにしか思いつきませんが、年輪気象学や年輪年代学という分野もあり、奥は深いものです。
この大杉の分析や研究結果がどれぐらいかかるのかはわかりませんが、大変膨大な作業量のようです。
何しろ1000年以上も生きてきたんですからね・・・・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます