45禁:オジサンのためのカラーコーディネイト

アラ還の筆者が45歳以上のオジサンを対象に、カラーコーデを図版入りで解説するという前代未聞のおためごかしサイトです。

白ジャケット(オフホワイト含む)の着こなし その2

2013-05-31 04:50:30 | 白・オフホワイトジャケットの着こなし
 ホワイトデニムや白パンがあらゆるアイテムに合わせられたように、白という色はどんな色とも組み合わせることが可能です。しかし、だからこそ無造作に色を重ねるとうまくいかなくなることも多いようです。足し算、引き算の匙加減が、白いジャケットの着こなしの要点といえるでしょう。

 白いジップアップパーカーと白シャツにベージュのチノ。これだけで、十分にお洒落で上品な雰囲気。余計な挿し色を足さないことで白い色が生きています。パーカーという子供っぽいアイテムでも、白を選んで色数を抑えたら、十分大人の着こなしになります。
昨日の冒頭の「白シャツ」のコーデを思い出してください。白シャツにグレーの大柄ボーダーTともに無彩色。パンツは色味の強いオリーブ。これも多いようで色数はモノトーンとグリーン系の二色コーデ。白、オフホワイトは最も明度の高い色です。ネイビージャケットに合わせる明るいベージュやグレーのパンツも、白と合わせたら十分濃淡の「濃」の役を務めます。

次は白いボタンダウンシャツに、オフホワイトのワークジャケット、パンツはグレーベージュ。このグレーベージュのパンツが着こなしのすべてですね。
これも色数を絞った着こなしの例です。靴のベージュにいたるまで全体がベージュのグラデーションになっています。

ホワイトジャケットとベージュのチノとなると、ついネイビーのポロシャツなどあわせてみたくなります。しかしベージュの優しい雰囲気を大切にするなら、ネイビーでもギンガムチェック柄で優しく対応するのが正解。元気のいい雰囲気と今年っぽさを演出できます。チェック柄は大きくなりすぎないように注意が必要です。

淡いアースカラーのパンツの他にライトグレーのパンツもモノトーンコーデとして欠かせません。インナーは白・紺ボーダーでマリンテイストを添えます。

白・オフホワイトは、ネイビーや黒のパンツを合わせたらかなりかしこまった雰囲気になります。しかし明るくくすんだ色のパンツとあわせたらこのように、休日の気取らないお洒落な着こなしのメニューの一つになります。
 また、明るい色の上下の着こなしは、背の高くないオジサン向けのありがたいコーデでもあります。パンツを暗くして上下の濃淡をはっきりさせると背がより低くみえがちです。それより全身を分断しない淡い濃淡のほうが全体が一つのまとまりとして見せるスーツに近いイメージの着こなしです。
 ワンマイルウエアといいましたが、海外旅行、リゾートウエアとしても白は気分を盛り上げてくれる最適の色だと思います。

白ジャケット(オフホワイト含む)の着こなし その1

2013-05-29 22:19:30 | 白・オフホワイトジャケットの着こなし
 夏といえば白。白のジャケットなんて芸能人じゃないんだから持ってないよ。そういわずに、よくよくクローゼットの中をご覧ください。夏しか着られない白いウエアが結構ありますよ。そう、生成りの白、いわゆるオフホワイトも白のジャケットと同じ考え方で着こなせます。
何もない?本当にないですか?それじゃ、白のボタンダウンシャツはいかがですか?
それならあるけど、これを上着代わりに着るのは変だろうって?大丈夫です。
着丈は長すぎないですか?生地は腰がありますか。そうですか。

①白シャツを羽織る

白シャツを白シャツに見せないためには、インナーが上質なものに見える必要があります。グレーかベージュの柄の入ったvネックのカットソーが必要です。そんなのないって人は、グレーのボーダーTでもいいですけど渋い色合いのものを選ぶのがコツ。間違ってもマルチカラーのボーダーなど、子供っぽい柄は着ないでください。パジャマの上にワイシャツを着た感じに見えてしまいますから。
パンツは何色でも合うのですが、ここではあえて濃いめのオリーブグリーンをチョイス。ミリタリーテイストが白いシャツをジャケットっぽく見せてくれます。
シャツを羽織って近くのコンビニに行くってときも、インナーのカットソー、パンツの選び方ひとつで、お洒落に見えるという見本。これはマネしない手はないですね。近所の奥さんが間違いなく自分から話しかけてきますよ。

②オフホワイトのコート

ライトベージュの時にも取り上げましたけど、春から梅雨時にかけて、シャツのうえにコートを羽織る着こなしは、粋で軽快で土曜の夕方の外出とか手っ取り早い身支度として楽でよろしいです。
インナーには、変に色物を持ってこないで、オフホワイトのサマーニットでさらりとかわして、パンツもライトグレーのクリースの入ったジャージーパンツあたりが気負いがなくていい感じです。
コートが無地のオフホワイトなら、パンツにグレンチェックの柄ものを持って来てもいいでしょう。
こんな格好してどこにいくのかって?休日のワンマイルウエアですよ。今はもう暑くなってきましたが、4月5月の肌寒い日に、着込んでも夏らしさを忘れないスタイル。サマーセーターを脱いでシャツ一枚でも十分着こなせる格好だと思います。しかし、コートをジャケット代わりに着るときは、コートを脱いだときの状況も念頭におく必要があります。


ついでにライトベージュのコートの場合は、インナーはデニムシャツ、パンツは白パンで。全体を淡いトーンながら白パンでまとめて色相の差を際立てます。


カットソージャケットでもギャバジン素材であれ、テーラードカラーであれショールカラーであれ、オフホワイトのジャケットって、ついつい惹かれて買ってみるものの意外と合わせがわからないということはないですか?
ネイビーのポロシャツをあわせるとか、白いボタンダウンシャツをあわせるとか
ボーダーTとデニムシャツを重ねたインナーにしようとか思いつくけどパンツは何がいいのか案外悩むものです。
グレーがシックでいいけどなにか地味っぽい。グレンチェックのパンツなら派手目になるけど、使いまわしが効かない。茶色っぽい濃いめのベージュパンツも今一つ・・・

そういう時に、デニムの上下。

リジッドデニムにダンガリーでもいいし、色落ちデニムパンツに、色落ちデニムシャツも。インナーに白Tをのぞかせ清潔感を出すことも忘れずに。

④白ジャケット
さて、本格的に白ジャケットですけど、最初は白ポロあわせ。

上半身が平坦なのでパンツは派手なストライプパンツを。
逆にいうと、このような個性の強いパンツを穿くときは上半身を白でまとめるということです。TPO的にはリゾート気分満点。まぁ休日の自由な気分を表現するのにこれくらいの冒険はいいかもしれません。服を遊び倒すうえでは、派手なアイテムは一つだけで十分です。それを盛り立てる白ジャケ、白シャツも実は十分派手。
⑤白パーカー
白ジャケなど持ってないと言われそうなので、それでは誰でも持っている白いパーカー。

小僧たちのようにサーファーっぽくデニムにあわせないで、ダークネイビーのチノパンにあわせるとぐっと大人っぽくなり、陳腐な雰囲気も消えます。さらにインナーに着るクラフィックプリントTもグレーや黒でなく、鮮やかなコバルトブルーやサックスブルーをもってくるとインナーが青系の濃淡でまとまり、白のパーカーの存在感が増します。この着こなしもぜひトライしてみてくださいね。

ブルージャケットの着こなし

2013-05-23 06:54:00 | ブルージャケットの着こなし
デニムシャツの着こなしを参照していただくとわかりますが、明るいブルーというのは案外と他の色を受けいれない頑固者です。
 それに比べて、ネイビーブルーは恐ろしいまでに許容力のある色です。この二つを上下にもってきたときのインナーで悩むことが多いです。白いブロードクロスのシャツ一枚でいいのですが、何か物足りない。


色が足りないと思い込んでマルチカラーのボーダーシャツとかもってくると、奇妙な感じになってしまいます。
 実はそのあたり、5月20日のブログに書いていますが、パンツのネイビーを濃くしすぎない。これが大切です。ジャケットが明るいブルーならパンツは黒なんですね。ブルーと黒の相性のよさは、ブルーとネイビーの相性をはるかに勝ると私は思います。
 ネイビーとブルーの配色では、黒を上手に使う。黒のニットタイ。夏のブルーのジャケットに欠かせないアイテムです。
 ニットタイなんかしたくない。そういうお方はパンツを黒か白パンに替えたらよろしいのです。
 ブルーと濃紺の上下以外でも、上下の濃淡の差を調整するインナーの役割は重要です。
 逆に、上下の濃淡の差がない場合のインナーの扱いについても


さて、話をブルーにもどすと白パンあわせのケースで上半身に濃色をもってくるか、明るいグレーで逃げるかの二通りがあります。




最後の図版はLEONのものですが、ストールの使い方としてはまさに適材適所という感じです。

















ギンガムチェック・ガンクラブチェック・千鳥格子のジャケットの着こなし

2013-05-22 23:30:27 | ギンガムチェックジャケットの着こなし
春夏のプライベート用のジャケットとして大抵のオジサンが持っていると思われるのが白地にネイビー、またはグレーの千鳥格子。秋冬はウール素材ですが、春夏はコットン+麻、あるいはコットン+ポリエステル。シルクを混紡したりジャージー素材で柔らかな伸縮性をもたせたりして、トラベル用に特化したものもあります。千鳥格子(ハウンドツース)は折柄で格子の柄の色が二色交互に入っているのをガンクラブチェックと呼びます。この折柄をシャツ生地で仕立てたギンガムチェックジャケットもあります。
 着こなしは基本的に同じです。


焦げ茶のギンガムチェックなら白・グレー・茶・ネイビー・黒のパンツによく合います。これが白黒ギンガムになってもガンクラブチェックでも同じ。
まず、ガンクラブチェックですが、ジャケットの柄の一色でもある明るめのネイビーのパンツをあわせます。シャツは白。ガンクラブチェックの柄のもう一色の茶は靴とベルトに使います。シャツの白は、ジャケットの柄のベースカラーと同じ。


 同じガンクラブチェックを違った趣向で着こなしたのがこちら。写真はシャツ生地の柄のようにみえますが、実はプリント。トラベルウエアとしてよく使われる柄なのにコットンではしわになりやすい。その点を解決した伸縮性素材を使っています。製品紹介がこのブログの目的ではないのでカラーコーデの説明にもどると、グレーはこうして合わせろという見本のような着こなし。本来白パンを持って来れば問題ないところをこれも伸縮性素材のライトグレーのパンツを持ってきて、ジャケットのインナーにチャコールグレーのカットソーを着る。これではあまりに「色味」に欠けるので、マドラスチェックのシャツを裾出しで利かせる。実際に機内でのクーラー対策のためのカットソーだから、脱げばそのままマドラスチェックはガンクラブチェックのジャケットに「パターンオンパターン」のコーデとしてなじむ・・・はずです。さすが人気スタイリストのプロのコーデですね。


 白グレーチェックのジャケットでもインナーにチャコールグレーのカットソー(写真はスエットパーカ)でボトムスはホワイトデニム。ベルトに赤、靴に赤茶のスエードをもってきてアクセントに。これもトラベルウエアとして最適。


 ギンガムチェックはシャツ生地ですから、黒いポロシャツの上に長袖のギンガムチェックシャツを肩にかけてもオフホワイトやライトグレーの綿パンとあわせてくつろいだ着こなしになります。


 いやどうしても、ジャケットをラフに着たいというのなら、いっそこの写真くらい明るく鮮やかなインナーを着たら、寛ぎを表現できます。なにしろパンツは白。ジャケットはネイビーと白ですから、どんな派手目なブルーがきても大丈夫。
 やっぱりこのジャケット遊び着なのだということがよくわかりますね。

ギンガムチェックジャケットの着こなし こげ茶編

2013-05-21 00:18:28 | ギンガムチェックジャケットの着こなし
 今の季節に外せないもう一枚のジャケットをご紹介しましょう。私がこのジャケットに出会ったのは今から30年近く前、当時服装にわりあい自由な職場だったこともありブルゾンを着て通勤していたら、会社で急なパーティがあり同僚の上着を借りたことがありました。それがコットンの白地に焦げ茶のギンガムチェック。とても洒落たジャケットだったのを覚えています。嫌がる後輩の真新しい上着を拝借した私は、それきりその柄も素材もそういうジャケットがあること自体忘れていました。今年銀座のショップで、このジャケットに再会。おそらく身幅が足りず、着丈が余るだろうと思い試着すると、袖丈、着丈を詰めれば着られることが判明し、早速購入しました。
20年ほど前に雑誌メンズクラブブックスで焦げ茶のギンガムチェック、あるいは千鳥格子だったか・・渋い雰囲気のジャケットにリーバイスをあわせた着こなしが乗っていました。その一枚の写真に目を奪われて以来、焦げ茶のギンガムチェックを探していたのです。


 さて、コーデですが、これもほぼシアサッカーと同様、白パン、チノパン。それと特筆すべきは、色落ちデニムとの相性のよさです。シャツは、おそらく白のブロードクロス、またはネイビー、黒、焦げ茶のポロしか合わないでしょう。チェックのジャケット全般に言えることですが、ネイビーやグレー無地のようにいろいろ着こなしの幅を楽しむジャケットではないようです。何しろギンガムチェックという個性の強い柄ですから、ジャケットが主役でネクタイさえも必要ないくらい存在感があります。タイは当然無地(黒、紺、焦げ茶)でしょう。

白パン、白シャツの合わせが一番ドレッシーなのはいうまでもありません。ノーネクタイでも威風堂々たる雰囲気を感じさせます。それでいてグレンチェックのジャケットほど「他は何も合わせられません」みたいな余裕のなさがかんじられず、ジャケットのボタンをあけて着ても、上下白がすこしも不自然でないのは、ジャケットの色味が強いからではないでしょうか。
 こういう格好で、歌舞伎でも見に行くなんてどうでしょうか。芝居がかった着こなしが晴れがましい気分をもりたててくれるかもしれません。ギンガムチェックと歌舞伎の市松模様、どこか似たような雰囲気に見えてくるかもしれません。観劇のあとのシャンパンもさぞかし美味しいことでしょう。


 チノパン合わせは、そこまで晴れっぽくないプライベートシーンで。とはいえ白シャツをタックインで着ていたら、それでもこのままクールビスのオフィスに出勤できそうな雰囲気ではあります。古い友人たちの夏場の集まりには、こういうくだけすぎず、ネイビージャケットのようなかしこまりすぎない恰好がいいかもしれません。
 それでは、より寛いだシーンでは、どうするかというとインナーにネイビーか焦げ茶のポロシャツを着る。上着を脱いでも、下が白パンだからカッコよく決まります。


 ポロシャツを黒にして色落ちデニムを穿くと育ちのいいジャケットが一気にやんちゃな表情をみせます。もともと白で引き立つジャケットなので、巻物で白を補います、これはもう、小旅行やドライブに最適なスタイリングですね。


 私は最後に一枚、色落ちデニムにギンガムジャケット(おそらく古着)にヴィトンのトランクを運ぶこの一枚が大好きです。こんな格好で旅をしたいといつも思っている一枚の切り抜き。今までの着こなしにシャツをブロードクロスの白に戻せば、いつかトラベルウエアで着て行こうと思った着こなし。解放感とくつろぎにあふれた雰囲気です。海外出張も行き帰りくらいはこういうスタイルでいかがでしょう。ただし、コットン素材ですから飛行機の中は着替えが必要かもしれませんが。

 

シアサッカージャケットの着こなし 夏の定番ジャケット

2013-05-20 03:16:28 | シアサッカージャケットの着こなし
夏のジャケットと言えば、シアサッカー。そうあの縞柄で白い部分が浴衣みたいに縮んだ感じのあの涼しげな上着。
 白い貝のボタンがついている軽い仕立てのジャケット。これ一着あると夏場のプライベートのかしこまった食事会や、旅行の時に大変便利。
パンツは、白パン、ベージュのチノ、紺の綿パン、黒い麻のパンツと結構幅広い組合せが可能です。ただし、インナーはシアサッカーの色から一色抜くのが鉄則。白シャツ、またはネイビー(柄によっては黒 またはグレー)
 まずは、ネイビーのポロに白パンに気軽に羽織ってみましょう。パンツにサスペンダーをつけて穿くのも洒落てます。

 サッカー地の縞がグレーなら黒いポロシャツをあわせるとさらにシックな雰囲気になります。

 白いボタンダウンシャツにベージュのチノをあわせたらよりカジュアルな雰囲気に。

黄色に黒のストライプのニットタイでもすれば、きちんとした雰囲気にも早変わり。夏場の海外出張でもON OFF両面で活躍します。価格も手ごろで、一着持てば意外と長持ち。私はとても気に入っています。コードレーンは同じ風合いの春夏の綿素材で同じくグレーと白、紺と白などストライプの柄になっています。やや厚みがある生地で皺になりにくいですが、涼しさでシアサッカーのほうが一枚上手。
 素材にシルクを混紡したものやストレッチをもたせたものなどもあり、布地の風合いが微妙にことなるものもあり飽きさせません。

 ブルーデニムももちろん合うけれどネイビーの綿パンなどあわせてみると色みと風合いを引き立たせる着こなしになりそうです。

 さて、夏のタウンウエアとしても十分活躍するこのジャケットですが、やはりリゾートのプールサイドなんかが似合いますね。真夏でなく初夏、麻のパンツの裾をまくり靴を片手に水辺を歩く。これほど裸足、そしてデッキシューズの似合うジャケットはほかにありませんね。
 おいおい、真夏にこんなの着たら汗だくだぞ。そうおっしゃるのはよくわかります。だから町場でもリゾートでも基本はポロシャツとパンツ。上着は手に持って歩き、冷房の効いた室内や山間のリゾートの夕方に袖を通す、そういう着方でしょうね。

デニムシャツ・ダンガリーシャツの着こなし

2013-05-19 13:41:19 | Gジャン・デニムシャツの着こなし
 Gジャンもそろそろ暑苦しい季節になってきました。どちらかというとデニムシャツ、あるいはダンガリーシャツをはおるのがちょうどいいくらいの気候になってきました。
 ダンガリーというのは、薄手の平織デニムのような生地のことで、シャンブレーとも風合いが似ていますが、ダンガリーのほうが少し厚みがあるますし、織り目も詰まった感じです。
 昔からあるアイテムなんですが、私事で恐縮ですが、これには少し思い入れがあります。
 ダンガリーシャツというのは大抵これくらい淡いブルーのものが多かったです。

1970年代に学生時代を過ごした私は、世の中全体がオイルショックの不況の中で貧しく倹しい生活を送っていたのを覚えています。そんな時代に大学生が着ていた服は一部の金持ちの息子をのぞいて大抵はサープラス、つまり米軍の払い下げのコートやフィールドジャケットや、なかにはバイト先の運送屋の作業服をそのまま着てくるような奴もいました。弊衣破帽とまでは言いませんが、「ボロは着てても心の錦」の歌詞をこころの中で口づさんでいたのは間違いありません。
 20歳前後の頃はプライドだけが光り輝いていて、あえて自分の現実を鏡に映してみようとは思わなかったから不思議です。若さと未来への夢、それが自分のすべてであるから、きっとどこかにその輝きを見出して惚れてくれる女性がいるに違いない。そう思っていましたが、バイトして少しでもお洒落したほうがモテたと反省するのはそれからずいぶん時間がかかりました。

 当時の私の得意の恰好は、今でいうダンガリーシャツ。ポプリンのベージュのパンツの上にダンガリーを羽織っていまだヘルメットをかぶった学生がアジ演説をくりかえすキャンパスを闊歩しておりました。おそらく、その組み合わせは、母親がこれとこれを合わせて着なさいと選んでくれたものだったのでしょう。
あと、覚えているのは書籍代といって親からもらった金で買ったJUNのコットンサージの紺のジャケットと秋になってよく着たキャメル色のハーフコート(これは今にして思えば国籍不明の謎のデザインでしたけど)。
 当時の衣料を思い浮かべると感傷的な気分になります。
 ですから、私はダンガリーとデニムシャツには特別な思い入れがあります。今でもデニムシャツは濃淡あわせて6枚くらい持っています。しかし20代半ば以降、デニムやダンガリーシャツを一枚で羽織る着方はほとんどしなくなりました。学生時代のめちゃくちゃな服の着こなしなど、記憶にとどめて再演しても仕方がないと思っていたからでしょう。

 ところが、映画の中で、リチャード・ギアがくたびれた中年男を演じるなかでかのダンガリーシャツをライトベージュのパンツの上に羽織っているのを発見。俺の着方は正しかったんだと思い目頭が熱くなったのを覚えています。学生時代は、メンズ雑誌といえばメンズクラブと男子専科しかなくて、アイビーとコンチネンタルなんたらが主流の服飾界でダンガリーシャツが取り上げられるのは、その後5年くらい経って雑誌ポパイが創刊されて以降の話です。

 さて、デニムシャツをラフに男臭く着こなすには、リジッドデニムが一番。Safariお得意のコーデ。これは平凡なコーデだけに、バッグなど他のアイテムが大きくものをいいます。ダンガリーは、腰がない素材だけに存在感が希薄でこういう着こなしには向いていないように思います。

ダンガリーシャツは、やさしいベージュのパンツ、もしくはライトグレーのパンツがむいていますね。



 デニムシャツでも、テンセルなどの細い糸を使ったデニムシャツは色味が濃いめでも涼しさを感じさせます。インナーはボーダーTがよく
あう感じですね。
 デニムシャツでも色落ちの進んだものを淡いオリーブのパンツにあわせてもキレイです。


TPO的には、やはりターミナル駅から先には、この格好で行くのは勇気がいりますね。
車で買い物、近くのスーパーや犬の散歩という感じで、45歳以上のオジサンがそれなりの敬意をもって迎えてほしいのなら、やはりが外出にはジャケットがいるでしょう。

 ということで次回は「夏のジャケットの着こなし」にまいります。

 さて、デニムシャツのまとめです。

デニムやダンガリーの色落ちの差で微妙な違いがでてきます。濃色はダンディな雰囲気、単色は
カジュアルでくるろいだ感じでパンツの色もそれを意識するのがいいみたいです。

 これまでに出てきた「ジャケット+でデ二シャツコーデ」もあわせておさらいです。



濃いめのGジャンの着こなし、リジッドデニム、ベージュのチノ、ホワイトデニム

2013-05-18 06:52:38 | Gジャン・デニムシャツの着こなし
 脱色の少ない暗めのGジャンの方がもっと合わせは簡単です。
 リジッドデニムパンツにあわせるには、「シャツの裾出し」で「上と下の見切りライン」をつけること。ポロシャツでもボタンダウンでも襟のあるシャツを選ぶほうが落ち着いた感じになると思います。色は真っ白だとコントラストが付きすぎる感じに思えるなら、明るいグレーでもよろしいかと存じます。
 いずれにしろタックアウトで着るのが上下の色が同じ場合の基本です。「ラフな雰囲気をあえて出す」ためにシャツの裾出しがリラックス感の演出に重用なのです。そうなるとシャツの着丈が長すぎるというケースがでてきますがその時は白いカットソーを重ねる(左写真)ことで問題解決。下に着た襟付きシャツはタックインして裾を隠せばOKです。

 
もちろんTシャツ一枚でも大丈夫ですが、その場合のパンツの色を変える。カーキもわるくはないですが、明るさでいくとベージュのチノが一番です。インナーは大柄なボーダーTにすると白Tより洒落た雰囲気になります。


白シャツはドレスシャツしか持っていないしTシャツも下着しか持ってないという方は、濃いめのブルーのオックスフォード地のシャツ(ダンガリーやシャンブレ―でないほうが素材の差がでていいでしょう)が使えます。または、ちょっとパープルがかったブルーのトレーナーなども濃いめGジャン、ベージュチノにはよくあいます。

 ゴルフ用に買った赤いポロシャツ。普段は着ないのだがなんとかならんか、という方には、白ジーンズのとのコーデをお勧めします。白・赤・ブルーのトリコロール配色で綺麗にまとまります。ゴルフの練習の行き帰りからでもトライしてみて下さい。

 実は、白パン、暗めのGジャンはビビッドカラー吸収万能コーデでもあります。本人の顔色など合う合わないはありますが、厄介な原色系や派手目の色みのポロシャツとの相性がいいようです。
 

Gジャン、デニシャツをジャケット代わりに着る その1

2013-05-17 06:19:02 | Gジャン・デニムシャツの着こなし
さて、同じライトベージュジャケットの話だけだと、飽きられそうです。続きはサンドベージュ、オフホワイトのジャケットの時につなげるとしていきなりGジャンとデニムシャツにまいります。

 Gジャンというもの、オジサンでもお好きな方は何枚も買い換えたりしている方もいらっしゃるようですが、着ない人は一度も着ていないみたいな極端な傾向にあるようですが、これほど便利な服もないくらい着なれたら手放せないアイテムです。
 何が楽って・・・コーデが決まっている。これ以外のものはあわないというくらいパンツは①黒②リジッドデニム③カーキ(オリーブ)④ベージュ
の4つならどれでもよくて、インナーはまず白Tを着たら間違いないという代物。
 ですから、休日奥様が急に出かけるというとき急いでする身支度にはちょうどいい。また、写真のように海外旅行の機内の服装なんかにも皺をきにせずに着られ、機内の脱ぎ着も簡単。

 着方のコツは、カラーコーデを定石通りこなしたらあとは、恥ずかしがらずに襟を立てる。これだけです。
 次は、やや色落ちの進んだデニシャツ。これも色合わせはGジャンと同じです。黒の綿パン、ブラックジーンズにあわせ、Tシャツを深いVネックにすると思い切りセクシーな雰囲気になります。日曜の朝からミッキー・ロークばりの色気を発散したくなかったら、Tシャツの襟ぐりを小さくするだけで大丈夫。
 こんなきどらない恰好で犬の散歩にでかけたら、いつもすましている近所の奥さんが、自分から話しかけてくるかもしれませんよ。
 もちろんこのまま、街歩きをしても全く大丈夫。

 さて、最後がベージュのチノ。これは映画Shall We Dance?でリチャード・ギアが休日自宅の庭でくつろぐ時、ベージュのチノに、真っ白なTシャツ、色落ちしたデニムシャツという出で立ち。ごく当たり前の米国の郊外住宅に住むオジサンの格好なんでしょうけど、いい雰囲気でしたね。
 さてGジャンはジャストサイズで着るもので、インナーに何か重ねるのは難しいですけど、若者雑誌では薄手のパーカーをシャツ代わりに、パンツにタックインして(裾を出さずに)着る着方もあるようです。ジップフロントなら、インナーにタンクトップの白を覗かせるのもいいかもしれません。

ライトベージュジャケットにリジッドデニムのコーデ

2013-05-16 12:48:54 | ライトベージュジャケットの着こなし
 ライトベージュジャケットをシンプルに着こなすには、暗色のパンツと合わせるのがいいですが、黒の綿パンというコーデは「オバサンコーデ」だと申し上げました。雑誌でもあまり見かけないですし、街でみかけると年配の方だというケースが多い。白のブロードシャツにあわせると地味すぎる感じになります。その理由は黒パンツでは茶の靴があわせにくい。シャツは白地にベージュのピンストライプくらいの柄をいれたいのに黒と白では「まじめさ」が強く出すぎます。
 黒パン、白シャツにするならジャケットは「キャメル」。これはいずれキャメルジャケットで解説いたしますが、明るいベージュには黒はバランスが悪いと私は思います。
 そこでリジッドデニム。これなら遠目に黒っぽいし近くでは濃紺の色味があって若々しさが出るのではないでしょうか。

 もっとラフに着こなすにはインナーをグレーのTシャツにする。明度と彩度のバランスは丁度いいですがかなりシックなイメージになります。各アイテムの質感に気を付けてよいものを選んでくみあわせないと、手抜きコーデにみられかねませんのでお気を付けください。休日の散歩着として気軽にジャケットを羽織る習慣をつけるのにリジッドデニムとのコーデは楽でよろしいかと存じます。

この二つのコーデ、同じライトベージュのジャケットでもUOMOとSafariの求めるテイストの違いがはっきり分かれていて面白いですね。


さて、ライトベージュジャケットの着こなしのまとめです。