UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力が目覚めた件 290P

2023-10-07 19:30:24 | 日記

「よろしくお願いします」

 草陰草案が元気に挨拶する後ろで、野々野小頭がぼそっと同じように挨拶してる。さらにその後ろにはアンゴラ氏がいる。どうやら野々野小頭は兄である野々野足軽に頼めなかったからアンゴラ氏を頼ったらしい。

 そして三人の前には一人の男性がいる。二十代くらいの身なりはきちんとした、三人組だ。

「よろしく。君が草陰草案さんだね。えっと早速だけど……」

「はい、私の力が本物だと見てください!」

「「おおー」」

 どうやらこの人たちはちゃんとオカルト好きなのは本物らしい。野々野小頭はオカルト好きというのはただの金を稼ぐだけのポーズではないかと疑ってたのだ。けどどうやらこの三人組、ちゃんとオカルトが好きらしい。草陰草案が力を見せる……といったら目を輝かせてる。

 そして草陰草案は野々野小頭に見せたような事をやってみせた。でも今度はもっと自身の力を見せつけたかったのだろう。もう本当に色まで茶色になってカサカサになってる哀れに見える程の花を用意してた。

 それを両手の手の平のおいて、目を閉じてなんか静謐に見える草陰草案。手のひらから光が湧いてきて、そしてそれが花へと吸い込まれると、次第に元気になっていく花。それに対して彼らが「「「おおおお!!」」」と声を大きくして言ってた。

「これは……凄い……」

「マジか……」

 オカルト系Youtuberである三人組が草陰草案の力を見て驚いてる。何も言ってない一人は、無言で花をとって見つめて、さらには草陰草案の手を両手でつかんでめっちゃ見てる。そして持ち上げたり、手のひら、手の甲とみて、腕の方にも視線を向ける。

 そしてそして、指をぷにぷに、手のひらぷにぷに――

「えっと……あのぅ……」

 なんかめっちゃ触られてることに対してだんだんと羞恥心ってやつが出てきたらしい草陰草案。手を触られてまくってのがこそばゆい感じになってるみたいだ。でも彼は止まらない。手首をぺたぺた。さらにその先をぺたぺた、二の腕ぺたぺたそして脇をぺたぺた。

「んっ!?」

 変な声が出る草陰草案。どうやら草陰草案は脇が敏感らしい。さらにはそこから胴体……女性の場合はそこには胸があるわけで……

「やめろバカ!!」

 一応触ってた彼は脇から下に行こうとしてたからおっぱいを鷲掴みにしようとしてたわけではないだろう。けど、手の付け根くらいは胸に触れてもおかしくなかった。

 そんなことを成人男性が女子中学生にしたら下手したら通報ものである。だからハッとした同じチャンネルを運営する仲間である二人は一心不乱に草陰草案の体を触ってた彼を止めた。

「お前、やりすぎだ!」

「おかしい。何も種も仕掛けもない。こんなのって……」

 さっきから草陰草案の体を触ってた人はそんなに感情の起伏がなさそうな、けど顔は抜群に整ってる細身の男だった。はかなげな感じのある男性で、ある意味で女装させたらそこらの女よりもきれいになりそうな容姿をしてる。

 

 そんな抜群のイケメンだから、ある意味ここまで草陰草案もされるがままだったのかもしれない。なにせこの世の中にはイケメン無罪という言葉があるのだから。


転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 927

2023-10-07 19:24:40 | 日記

「ふう……危ない危ない」

 私はコクピットの中から状況を見つつそうつぶやくよ。流石にここでアズバインバカラの住民と、それ以外の住民が全面的にやりあうのはまずい。

 なにせそうなったら、決定的な確執へとなってしまうだろう。そうなると困る。まあ私は困らないが、この世界の人たちはこれから教会を倒す戦いが始まるのである。いや……

「すでに戦いは始まってる……か」

 私は一つ、まったく別のところを映してるモニターを横目でちらっと見てそうつぶやいた。まあ彼らはそんなことはわかってないだろうが、ここで仲間同士がぶつかるのは悪手なのだ。

 だって当然、もしもここで彼らがどっかに行ったら、戦力が大きく減ることになる。まあここから出ていくなんて選択肢は実際はない。だって彼らの元居た町、そこはすでに廃墟である。一日で砂に埋まってしまったよ。

 そもそも彼らはそれを見てるだろう。なにせ街を砂から守ってるのは都市核なのだ。それをあるべき場所から外したら、砂の浸食が始まってしまう。彼らは自分たちにもう帰る場所なんてないってわかってる。

 だからここでうまくやらないといけない。だっていくらこの世界の人たちが頑丈だといっても、ただ何もない砂漠で生きていけるほどじゃない。砂を食べて生きながらえることなんてできないんだ。やっぱりだけど、飲み水も、食べ物も必要だ。

 それにこの世界なら宵になるまでに安全な場所にはいってないといけない。それは街の中だったり、教会が開発したテントだったりだ。でもあのテントはめっちゃ高いから庶民が持ってるわけない。せいぜい軍に支給される程度なのだ。

 なのでここで生きてかないと外から来た人たちはいけないわけだけど……そこに不和が生じた。きっかけは一つの殺人だった。実際荒くれ者たちが多い世界だ。酒に酔ってやりすぎてしまう……なんてことはよくある。

 まあだからってめった刺し……ってのはめったになかったが。なにせアズバインバカラも物資が潤沢になってとても潤いだした。だから羽目を外してしまうやつらは多くいて……そこにさらに外からここに移住してきた人々まで加わった。

 今までならそれこそ、アズバインバカラの中だけでの関係性なら、ある程度知り合いってことで自制になってたんだと思う。なにせ街と街を移動なんてめっちゃ危険な行為だし、大体の人は一生を一つの町で終える世界である。

 だからある程度、街の人たちはみんな知り合い位な感じで、互いに自制しあってんだろう。けど、ここ最近で一気に知りもしない人たちが増えた。

 もちろんこんな世界だ。助け合うのが前提みたいな世界だから邪険になんてしてなかった。それこそ食べる分とかが減るなら嫌がる人たちは出るだろうだろうが、事前にそんなことにはならないってラパンさんから通達がいってたからね。

 元からアズバインバカラにいた人たちは不満はなかったはずだ。それに全くしらない別の町のことを知れるのだ。ワクワクしてた人たちだって大勢いいただろう。

 当初は上手く回ってた。まあ三日くらいだったけど。どっちも歩み寄ろうとしてたんだ。けど猟奇的に殺される殺人事件が起きてから変わった。

 それは一回では終わらずに、二回・三回……と続けざまに起こった。そしてアズバインバカラの人たちを不安にさせたのは、今まで殺されたのが全部、アズバインバカラに元からいた人という事だった。だからここに元からいた人達は思ったんだ。

『これは外から来た奴らが仕業ではないのか?』

 ――とね。