UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力が目覚めた件 305P

2023-10-26 19:45:24 | 日記

「今日も沢山の人を救ってしまった」

 そんな事を言って満足そうにしてる草陰草案。その言葉はなにかの比喩……とかではない。実際あった事実。彼女によって今日、何人もの大病が治された。でも……それでも、草陰草案一人ではこの世の病を根絶するなんて出来ない。当たり前のことだけど……

 二人は高級車に乗ってた。なんか胴体がやけに長い車である。今日助けた人がどうしても……ということで、それで送りたいということでその車に二人は乗った。

「「わあ!? なにこれ?」」

 二人共軽とかファミリカーとかにしか乗ってこなかった庶民である。同時にそんな声を出した。なにせその車は草陰草案と野々野小頭の『車』という常識を壊したからだ。

 なにせ外から見たら「なんかバスみたいだな」とか二人は思ってた。だから中はバスみたいに席が何席もある……とか思ってたけど、なんとそれは全く違ったのだ。中は広々としてる。席が何席もある……も別に間違ってはない。けど背中を向けるように座るのではなく、窓を囲むように席は設置されてた。中央には大きなテーブル。それに何故か壁面にはLEDとか仕込まれてるのか、間接照明が光ってた。

 でも下品な照明ではない。温かい色の高級感を醸し出すような……そんな感じだった。そしてゆっくりと動き出したら、なんかもとから乗ってたピシッと上品な服を着てた人がオシャレなグラスにオシャレな飲み物を注いで渡してくれた。

「これって……」

「オレンジジュースです」

「「あ、はい」」

 オレンジジュースかと二人は思った。なんかカクテル? みたいなのを注ぐような底が浅いグラスにお花が添えられてたから、アルコールなのかと思ったが、オシレンジジュース。

 ちょっとガックリした二人であった。まあけどきっとこのちょっとしか入ってないオレンジジュースももしかしたらこれだけの量でもいつも飲んでるようなジュースよりも高いのかもしれない。実際、今飲んでるオレンジジュースはとても濃い味をしてると二人はおもってた。

「これからもこんな事をやっていくわけ?」

「大いなる力には、大いなる責任が伴う……」

「はい?」

 なんかいきなり変な事を言いだした草陰草案に怪訝な顔をする野々野小頭である。

「聞いたこと無い? よく言われることだよ。漫画とか映画とかでね」

「それは聞いたことあるけど……あんたそんな責任を感じるタイプ? 責任はあるかもしれないけど、でもそれを背負うのは結局個人の意志でしょ? あんたは背負う気あるの?」

「私だって心情の変化くらいするよ」

 そう言って髪の毛をくるくると指で弄ぶ草陰草案。そしてちょっと微笑んでる草陰草案の横顔を見て、野々野小頭はたしかにすこしは変化してるのかも……とか思う。なんか慈愛に満ちた感じの顔してたからだ。そんな顔は今までの草陰草案には見られなかった表情だ。

「やっぱり感謝されるのは気持ちいいのよ。私、そんなのなかったし」

「私だって、そんなのないし。でも……本当になんでも治せてるの?」

「そんなの……私だってわかんない」

「へ?」

 なんか衝撃の発言を草陰草案はした。そのせいで野々野小頭は間抜けな声を出してた。


転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 942

2023-10-26 17:52:27 | 日記

「まあペニーニャイアンが感じたことはちょっとびっくりだけど……やっぱり巫女はなにか繋がりがある?」

 私はそんな考察をしてたりする。勇者とペニーニャイアンは二人だけで会話してたが、私はどんなことだって知ってるのだ。てかペニーニャイアンは運が良かったと思う。だって今頃、本当ならあの場所……あの変な場所で巫女は生贄になってたのだ。

 多分そこに例外はない。そもそもが、巫女にも順位があったわけだし、上の方の巫女だけがいればいいってわけでもなかったみたいだしね。まあなんか順位低そうな巫女は雑に爆散してただけだったけど、ペニーニャイアンが言ってた巫女のトップスリーとも言える女性はけっこう悲惨な事をされてた。

 それは言葉で言うのも憚れるような……そんな生贄のされ方だった。彼女たちは目は虚ろで口からはよだれがたれてた。きっとなにか薬物か何かを事前に盛られてたんだろう。夢と現実の区別もつかない状態……そんな感じになってた。三人とも美女だったんだけど、流石にそんな状態ではせっかくの美も台無しである。それになんか裸だったし。

 赤いインクなのか……それとも血なのかで、その全身にはなにかかが書かれてた。そして彼女たちは前の方に連れて行かれて、まずは足を切断された。そこで足をなにかに入れられた。そして更に内側に連れて行かれて、次は腕だった。なんか不思議な事に血は出てなかった。それに痛みもないのか、その巫女達は虚ろな目のままだった。

 そして腕もなくしてダルマになって、更に内側に。次はどこかと思ってると、胸の下辺りで分断された。中身がボドボドと出てきた。でもそれでも……死んだりしない。「うへうへ」となんか言ってるだけだ。そして更に内側にいって、そこには教皇がいる。そこで次は首を切断される。

 そしてそんな三人の首は最終的には異型の化物……教会の本当のトップの奴らのもとまで運ばれて、ソイツ等がその首をかざして儀式を始めた。

「うわーー」

 私は引いてたよ。だって流石にグロすぎる。どうやら切り離したそれぞれの部位もその場で儀式に使うようだった。本当にペニーニャイアンは私達に感謝したほうがいい。

 てかどこまで見たんだろうか? なんとなくただ巫女達の死を感じてるだけなのだろうか? それとも具体的にその時の事を追体験してるとか? まあそこらへんはわかんないが、少なくともあのまま中央に居たらペニーニャイアンも間違いなく生贄にされて今頃肉片になってたのは間違いない。

 実際巫女達はこの役目のために色々とわがままを許されてて、自由奔放にやりたいことをやってきた悪女しかないから……と言われたらそれまでである。ペニーニャイアンの話を聞く限り、ろくな奴らは居なかったらしいし。

 まあけど、おかしな事に変わりはない。これからの戦いは自身の生……そして死を自分たちで決める事が出来る世界を勝ち取る戦いだ。


転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 941

2023-10-26 00:01:41 | 日記

「どうしたんですか?」

 そういって勇者が目の前のペニーニャイアンへと質問する。ペニーニャイアンも勇者が来る前にどうやらちゃんと身だしなみを整えたのか、きちんと呼吸を整えたらしい。けど……なぜか服のボタンは更に開いてた。

「聞いてほしいの。私、これから取っても重要な事を話すわ」

「はぁ」

 なんか勇者も面倒くさそうである。まあ勇者は忙しいからね。なにせ魔王がいなくなったから、実質勇者が私たちの集団のトップ……という認識になってる。アイとかもいるけど……アイはなんかいきなり出て来た存在だからね。最初から矢面に立ってた勇者が私たちの中でリーダーと思われてもおかしくない。てかそう思われてるし。私は存在自体を隠してるからね。まあG-01はもしかしたら自律的に行動できるんでは? とは思われてると思う。

 そもそもがあんまり勇者が直接命令してる場面なんてないしね。でも私という少女が中に入ってるとは思えないだろう。だから私に対しては拝む程度。面倒なことが頼まれることはない。

 なので面倒なことは全て勇者が担ってる。それに勇者は人当たりが誰よりもいいし、性格も流石勇者としか言いようがない性格だ。魔王は魔王だったしね。まあ今はいないけど。代わりに来たアイは男性陣への受けはいい。最初だけね。

 最初だけというのは、アイは人の気持ちなんて考慮しないのだ。いやできない。私に対して遊んでたし、もしかしたら意図的かもしれないが、あいつは周囲に合わせるってことしないからね。基本丁寧な言葉遣いを使ってるから不和を起こすってことはそうそうないが、誰もが一歩引いての接触になってしまってる。いや、ある意味で崇拝……とかされてるけどね。アイは魔王の後釜に納まったから基本ジャルバジャルにいる。実際そこの奴らはなんかやけに魔王を尊敬してた。

 そこにどうやってアイがつつがなく収まったのかは……まあ正直よくわかんない。私もそこら辺の機微は想像やら、前世の物語くらいしか知識がない。

 でもなんかいつの間にかジャルバジャルの人たちにアイは受け入れられてた。今や毎日あいつの椅子を取り合うほどである。ちなみにいうと、椅子というのは人間椅子であり、つまりはジャルバジャルにはアイの椅子になりたい……という奴らか大量にいるという狂気の街になってるということだ。恐ろしくて今や私はあんまり近寄ってないよ。

 だから何をしてるのかはよくしらない。まあけど、問題はないようだ。つつがなくジャルバジャルを発展させてるからね。そんなことを思ってるとペニーニャイアンは勇者に対してこういった。

 至って真剣な顔でね。

「教会の上層部が、巫女をいけにえにしだしたわ」

「それでどうなるのですか?」

「えっと……そう、最終決戦が――」

「既に教会の進軍は確認してます。そしてそれに対する備えも始まってますよ」

「えっと……私がいれば教会への交渉材料に……」

「深くは言えませんが、それは間に合ってるので結構です。ここで世界の運命を祈っててください。それがきっと一番安全ですよ。それでは」

 そういって勇者は丁寧に対応して出ていった。何かその背中に言いたそうだったペニーニャイアンだけど……どうやら二の句は告げなかったらしい。でも完全に扉が閉まって……数秒後……こんな声が聞こえた。

「何なのよもうおおおおお!?」

 彼女はきっとここまでぞんざいに扱われたことなんかないからプライドが傷つけられたんだろう。まあしっかり反省してほしい。