UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力が目覚めた件 302P

2023-10-23 20:29:05 | 日記

「草陰さん!」「握手お願いします!!」「俺はサインを!」「草案ちゃん! 怪我しちゃったよ! 直して!」「ふざけんな! 俺が先だ!!」

 何やらすごいことになってる。沢山の人だかり、その中心には中学校の制服に身を包んだ草陰草案の姿がある。そして更に言うと、草陰草案と人だかりを隔てるためのゴツい人達。

 あれは所謂、ボディガードというやつである。SPといってもいい。そんなのが草陰草案にはついてた。でもそれもしかたない。なにせ……だ。なにせ登校するだけでこれなのである。

「あふー、大変だよ小頭ちゃん~」

 そう言って野々野小頭の教室にやってきて抱きついてる草陰草案。それに厄介そうな顔をしてる野々野小頭である。

「こんなのわかってたことでしょ?」

「でも……想定以上だよ」

 確かに……と野々野小頭は思う。ちらっと教室から外を見れば、敷地内には入ってこないが、学校を取り囲むように人がいっぱいいる。それは取材であったり、ただの野次馬だったり……それはまだいいが、けが人とか、病気持ちの家族がいる人とか、断りづらい理由を持ってる人達もいる。

 更には草陰草案を神と崇めてるような人々が日々増えてる。なにせ本物の『奇跡』を行う少女である。担ぎやすいんだろう。さらにいうと、その行為を誰もが認めてる。その力を誰もすでに否定できなくなってる。

 今や草陰草案は本物の『奇跡』を行使できる少女なのだ。神の御使いとか一部界隈では言われてる。草陰草案は仏教徒のはずだが、キリスト教とかの人達から『彼女こそ教皇にふさわしい』とか『キリストの生まれ変わりだ!』とか言われてたりする。

 過激派は草陰草案の身柄の確保を狙ってるらしい。まあだからこそのボディガードである。今も教室の外に屈強な男たちが立ってる。そして時々教室の草陰草案をみて、インカムで何やら話してる。きっと逃走経路の確保とかしてるんだろう。それか周囲に危険人物がいないとか報告しあってる。

「けど嫌じゃないんでしょう?」

「……ふふ」

 さっきまでシクシクとした演技をしてた草陰草案だが、野々野小頭のその言葉でニヤッと口角を上げる。そこには別に全然疲れたような顔なんてない。むしろ、草陰草案は今まで一番いい肌の具合をしてると野々野小頭は思った。それに人前に出るからか、化粧だって今までよりももっとちゃんとしてる。

「それはね。だって、皆私の事崇拝してるし感謝されるし、それに……ニヒヒ――」

 そう言って嫌な笑みを浮かべる草陰草案。そう言って取り出した草陰草案の力の下である黄色い石……それにはいつの間にか外枠が出来上がってた。そしてなんなら、その外枠がめっちゃ豪華絢爛。メインとサイドが入れ替わってない? と野々野小頭は思った。

 それだけ様々な宝石がその外枠には入ってた。眩しい。

「――ガッポガポだよ。今の私なら湯船をお金で埋め尽くすなんて簡単だよ」

 めっちゃやらしい事を言ってくる草陰草案である。

(こいつを信奉してる人達はいますぐ目を覚ました方がいいね)

 野々野小頭は心のなかでそう思った。


転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 939

2023-10-23 20:23:40 | 日記

「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアア! …………はあはあはあはあ……んっ」

 ガバっと一人の女性がベッドから飛び起きた。そして薄着のネグリジェの上からでもわかるほどの大きな胸が大きく上下に揺れてる。それに汗……汗を沢山かいた彼女の胸には汗がその双丘に沿ってながれていく。

「どうした!?」

 そう言って扉が激しく開けられる。そして入ってきたのは、鎧に身を包んだ兵士だ。軟禁されてるペニーニャイアンのいる部屋を監視するために彼はいる。普段は絶対に開けないように言われてるが、今は緊急事態と判断して彼は扉を開けた。実際、今のペニーニャイアンは魔法を使えなくなってる。だから危険なんてない。

 魔法が使えないペニーニャイアンなんてのはただの女性である。胸が大きい……ただの女性。勿論顔もいいが……でもだからこそ……であった。だからこそ、絶対に許可なく入ってはいけなかった。

 それは彼の……見張りのためではない。なにせこの場所は宮殿の奥まった場所。普段は誰も来ないような場所。声を大きく上げたとしても、誰にも気づかれることはない。

 そんな場所に女一人……男一人……それに色々と仕込めないように、薄手の服しか与えられてないペニーニャイアンは基本薄着である。そんな女性を見たら、男はどうなるか……

「あっ……」

 そんな声が無意識に男から出た。なにせ……だ。なにせ、ペニーニャイアンは薄い服で汗だくで……さらには「はぁはぁ」と言ってるのだ。何やら彼女がハアハアしてるせいで、この部屋の気温が上がってるような……そんな気がした。

 更に言うと、匂いが……この部屋にはペニーニャイアンの甘い匂いが充満してた。普段はそんなに気になることはないかもしれない。けど、はあはあというペニーニャイアンと、火照った身体……そのせいで匂いまで強いような気がする。

 それにペニーニャイアンはその服を普通よりもゆったりときてる。着てると言うかもうはだけてる。胸なんてこぼれそう……

 ゴクリ――

 そんな風に喉を鳴らす。でも男は頭を振った。正気を保つためだ。そして何回か深呼吸をして心を落ち着ける。男はなんとか理性を保つことが出来たみたいだ。けど、ペニーニャイアンは美女だから、それが出来ない輩もいるかも知れない。

 だからこそ、勝手に入ってはいけないってのはペニーニャイアンのための規則だったのだ。