UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 307P

2023-10-29 19:35:20 | 日記

『今度の今度は本当ですか? 一生のお願いは効きませんよ? というか、野々野君は私の……事……いえいいです。私なんてつまらない女ですもんね。

 ちょっと顔がいいだけの。ああごめんなさい。ちょっと顔と体が良いだけの最高の女なだけですもんね。野々野君は手に入れた物には興味が無くなるタイプなんですね』

「これは……まずいな」

 野々野足軽は届いたメッセージをスマホで見て、そうつぶやいた。差出人は勿論、野々野足軽の彼女である『平賀式部』である。

 この微妙にも自慢しつつ、怒ってます……みたいな遠回りなのか直接なのか分からない感じの文章を送ってきた経緯は簡単だ。

 簡単な事で、それはつまりは野々野足軽が平賀式部とのデートを何回もすっぽかしてるからである。まあデートと言っても大げさなことではない。

 テーマパークに行くとか水族館にいくとか、それか一泊二日程度の旅行にいくとか……そんなのじゃもちろんない。普段の何気ない一幕を「ちょっと今はごめん」とか言って断り続けたせいである。

 お弁当を一緒に食べるとか、ちょっと「家によってく?」とかそんなのを断り続けされたら、それは彼女なら『私になんてもう興味ないんだ』と思われても仕方ないというものだ。けど勿論だけど、野々野足軽は平賀式部を嫌いになった――わけじゃない。

 ただ、本当に忙しかっただけだ。でも学生の忙しさなんてのは普通はたかが知れてるだろう。だって学生の忙しさって個人でそんなにかわるものではない。

 大抵は学校で一日は拘束されてる。そしてそのあとは部活かアルバイトとかだろう。でも野々野足軽にはそのどちらもない。なら学校が終わればラブラブな時間を設けるのなんて簡単……なはずなのに、それをやってこないのである。平賀式部がそのプライドを曲げててでも誘ったとしても断られる。最初はそれこそ「急ぎすぎましたね」とか殊勝に思ってた平賀式部である。

 けど何回も断れらるとこう思う「私って魅力ない?」とかね。だから最近はいつも以上に身だしなみには気を使ってたし、学校で喋るときも『異性への意識のさせ方』という本で得た知識をさりげなく使ってもいた。

 その内自身を魅力ないと思うよりも「何が何でも連れ込んで一線を越えてやる」みたいな暴走気味になってた。それもこれも悉くを野々野足軽が拒否してきたからである。

 もちろんだけど野々野足軽はそれをまずいと思ってる。けど仕方なかった……なにせ……だ。なにせ世界が『力』という存在に気づいてしまったからだ。そしてそれに関わる人達が増えたのが大きい。


転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 944

2023-10-29 19:26:51 | 日記

「よい声だ。皆の声、きちんと届いておるよ。希望に満ちた、明日を信じた声だ。我々はこれまで教会の言葉を信じて来た。その言葉を受け入れて、従っていればよいと……そう思ってきたのだ。

 いや、思わされてきたというほうが正しい。彼らはこの世界の為に、我々の為に厳しくもそういってるのだと。だがそれらは全て違った。

 教会の……奴らの言葉は全て自分たちの為だった。許せるはずもない。我々に信仰を押し付けておいて、甘い汁をすすっていた。あまつさえ、この世界を捨てて、楽園いくという。

 許せるはずもない。だが奴らは強大だ。皆もそれはわかってるだろう。なにせ……我々が奴らに頼ってた。我々にできないことを教会は出来た。だからこの戦いは勝てるのか? と思ってもおかしくはない。

 しかし今の声に恐れはない。それが皆の気持ちだろう。だから我が王として言葉にしよう。われらは負けぬ。我らは勝つ……勝つのだ!!」

 腕を上げる王。その様子がアズバインバカラやジャルバジャルへと中継される。それと同時に、民衆たちも腕を上げて興奮を示す。

「それでは余はこのくらいで。我らの女神から勝利の祝福をたわまろう」

「ふぇ……」

そういわれて画面に映ったのはネナンちゃんだ。今日のためにしつらえたのだろう立派で豪華な服を彼女は着てる。そして彼女自身があふれさせてる力で私が作り出したアクセサリーがピカピカまぶしいくらいである。

 いつもも、ネナンちゃんはかなりいい服を着てたわけだけど、流石にこの晴れの舞台となれば、さらにもう一段階上にいくらしい。

 この世界は暑いからなるべく薄着で、生地も薄く……なんなら着ないって選択肢だって多い。けどそんなこの世界には似合わないくらいに今のネナンちゃんは着こんでる。

 そんなネナンちゃんの隣には年が近い王子様がいる。二人は手を取り合ってるから、とても微笑ましい感じに映ってることだろう。

 まあ別段二人が付き合ってる……ってことはない。でも、こういう配置にしたのには一応思惑ってやつがあるだろう。ネナンちゃんはとても貴重な力を持つ存在だ。だからこそ王族としては取り込みたいし、この戦いの後……それをきっと見越してるんだと思う。

 早いはやい――と思うかもしれないが、それがきっと上に立つ人たちが考えなくちゃいけないことなんだろう。そんなことを思って見守ってると、緊張してたネナンちゃんか大きく深呼吸をして、一歩前にでた。

 そしててんぱりつつ、こういった。

「えっと……その……この、来るべき……うええ……」

 いや言えなかったみたいだ。なんか手に持ってたから多分あらかじめスピーチの文面はあったんだろう。でもネナンちゃんは緊張でそれを紡ぐことはできなかった。けどそんなとき、そっと第二王子であるプライムがネナンちゃんの肩に手を添える。そして二人は何やらちょっとやり取りして、うなづきあう。

 そうしてこれだけを二人でいった。

「「私達全ての人へ、祝福を!!」」