UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 296P

2023-10-15 20:02:07 | 日記

「あれ?」

 野々野小頭の目には知らない天井が映ってた。それに……だ。それに何やら知らない……いや、最近はちょっとカギ馴れてた薬臭いような……そんなにおいが鼻をくすぐるってるような気がしてた。

「小頭ちゃん!! よかった!!」

「わっ!? ちょ――なによ一体? てか、あんまり引っ付くな」

 そういって塩対応する野々野小頭。けどそんな風に言われて手で頭をぐいぐいとされても、草陰草案は野々野小頭の首に手をまわしてて離れようとはしなかった。それどころか――

「ぐすっ――よがった――よがったよぉ」

 ――とかいって泣いてる。ボロ泣きである。はっきり言って野々野小頭的には鼻水とか涎が自身に流れてきてないか心配だった。

「よかった。本当に」

 そんな声を発したのはアンゴラ氏だ。彼は野々野小頭の足先の方にいて立ってた。それから――何やら騒がしい音が響いてさらに三人入ってきた。

「目が覚めたのか!!」

「おおお! よかった」

「いい実験になった」

「「おい!?」」

 大川左之助、東海道馬脚、朝日倉三はそれぞれの言葉を投げかけてきた。最後の朝日倉三の言葉は冗談なのかなんのかよくわからない。なにせ一定のテンションで言ってたからだ。でも入ってくるときは三人ともに前のめりになって入ってたからきっと心配してたはずだ。

 だからもしかしたら今のは朝日倉三なりの場を和ませるためのジョークだったのかもしれない。

「えっと、すまん。俺たちのせいだ……俺たちの家に君が……いや女性が入ったから……」

「うん? あの……一体全体……何がどうして私は……ここは病院ですよね?」

「覚えてないのか? いや、それはそうだな。仕方ない」

 大川左之助の言葉に困惑気味にそう返す野々野小頭。彼女は現状を理解してない。野々野小頭が目を覚ました事に安心しきってた面々だが、この野々野小頭発言で「そういう事もあるよな」と納得した。だから代表して大川左之助が何があったのか――それを話そうとしたとき、泣いてた草陰草案がガバッと起き上がって野々野小頭の肩をつかんで一息に言ってのけた。

「小頭ちゃんは刺されたんだよ! おなかとかいろんな所を何回も女に刺されて血まみれだったんだよ!!」

「え? ……あ……わた――しっ――」

 思い出したのか、野々野小頭の体が震えだした。それを抑えるためのなのか、体を抱えるようにして縮こまる野々野小頭。そこに草陰草案が被さってこういった。

「大丈夫……もう大丈夫なんだよ」

 それは今まで聞いたことないような草陰草案の優しい声だった。それに触れ合う肌の暖かさ……自身の無くなっていくぬくもりを感じた今、野々野小頭はそれがとても心地よい……と感じた。


転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 933

2023-10-15 19:55:06 | 日記

「はっ――はははははっ――はははははははっはぁーはっはははははははは。ばかめばかめばかめ!!」

 なんかいきなり発狂しだしたドローンに宙吊りにされてる男。多分これはもう言い逃れなんて出来ないって思ったんだろう。だからそれならば……そんな心境だと思われる。

「お前たちなんてこれから贄になるだけなんだ!! お前たちが生きてられたの教会のおかげだろう。それならば喜んでその生命を差し出せぇ! 我々の為に新たな世界への贄となるのか貴様たちのあるべき姿だと何故にわからない!

 それがお前たちの幸福であり、役目なんだよ! その生命はお前たちのものじゃない!! 俺たちの、教会のものなんだよおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 聞くに堪えない言葉とはこのことか? と言いたくなるほどのものだった。私がそう思うんだから、勿論だけど今まで教会を信じてた人達はそれこそ腸が煮えくり返る思いだろう。

 だってコイツラの教義に従って、こいつらの言葉に従って、それで大切な人達を失ってきた人達だってここにはたくさんいる。今までは教会は慈悲があると沢山の人達が信じてたし、そこに疑いなんてなかっただろう。

 でもコイツラは……教会は自分たちの命なんてなんとも思ってなかった。いままで教会に供養されて来た人達は実際ただ消耗品とかとしか見られてなかったんだと知った。

 供養のくの字も……教会になんかありはしなかった。それは怒らないわけ無いよね。

「ふざけるな!!」「お前たちは俺たちを騙してたの!!」「私の子は、あんなに苦しんでたのに!!」「俺の爺さんだってあんた達がいう言葉を最後まで信じてたんだぞ!!」「全部、全部、嘘だったのかよ!!」

 そんな声がいたるところから上がる。もう教会は取り繕う必要なんてないって思ってるんだろう。空には楽園へと続く扉が再び現れて、そして今の教会はきっとその開け方にたどり着いてる。だからこそ、もうこの地上の人達なんてどうでもいい。コイツラが贄と言うからにはもしかしたら、教会は地上の人達を殺し尽くしたら開くとか思ってるのかもしれない。

 本当にそうなのかはわかんないが、私達よりもずっと長く教会はあの空の扉の開き方を追い求めてたはず。なら手順の一つにそんなのが本当に有ったとしてもおかしくはない。

 まあさせないけどね。

「いくらでも叫んでろゴミ共が……ああ主よ、一足先に私は楽園へと向かいましょう。ここの者達を道連れにして『アーシャ・カターシャ!!』」

 そういったときだ。同時に、それぞれの映像の捕縛された教会の奴らも同じ言葉を叫んでた。そして一気に変化は起きた。ボコボコと奴らの身体が膨らんでいく。そして一気に肥大してドローンでは支えきれなくなった。

『皆さん、離れてください!!』

 そんな声が聞こえる前に、危機感地能力が長けてるこの世界の人達はまっさきに逃げ出していた。お陰でドローンがその男を離しても被害はなかった。でも、なにやら気持ち悪い存在に成り下がったようだ。

 八つ足を歪になった身体から生やし二足歩行もできなくなったそれは背中側からは大量の腕を生やしてる。そして蕾のような顔には大量の目と、その蕾の先端からよだれをボタボタとたらしてた。

 化物……砂獣でもない化物へとそいつらは変化してた。