「はっは、お前がそんな風に食べてるなんて一体いついらいやろな」
そんな風におじいちゃんが豪快に笑いながらそういってる。すると流石にちょっと恥ずかしかったのか、おばあちゃんはちょっと勢いをおとして、背筋を伸ばした。全然小頭的にはさっきまででも、全然お行儀良かったと思ってる。実際小頭の憧れはおばあちゃんなのである。おばあちゃんの凛とした女性らしさ。そして気品、そんなのがとても美しく見えてた。でもそんなに小頭は行儀がいいか? と言われると、流石におばあちゃんほどじゃない。けど、一応箸の持ち方とか、使い方や、姿勢とかは良いという自負が小頭にはあった。でも精々そのくらいだ。おばあちゃんみたいなにじみ出るような気品を持つには全然小頭は努力が足りないといえるだろう。
「そんな風に言わないでください。私だってご飯をたくさん食べる時くらいあります」
当たり前の事なんだけど、おじいちゃんにはやけに嬉しそうである。それだけ珍しいという事なんだろう。おばあちゃんはそんな風に言ってたが、確かに小頭が覚えてる限りでも、おばあちゃんはいつ食べてる? という印象が強い。何回か箸でご飯をちょこん……と取って口に運んでるところは見たことある。おばあちゃんがとてもきれいに魚を食べてたのも記憶にある。
(確かあの時は本当に……本当におばあちゃんが食べた後の魚がきれいだったんだよね。だから覚えてる)
それはまるで元から骨だけの魚を洗って皿に盛り付けたんじゃないか? という程だった。だからこそ、小頭は衝撃的で覚えてる。でもそのくらいだ。だから確かにこんな風に箸に沢山のご飯を盛って口に運んでいくおばあちゃは珍しいのかもしれない。
「いやいや、お前がそんな風に食べてる時なんか、それこそ……そうだ! 初めてあった時くらいだろう。あの時は本当に驚いたな」
「やめてください。あの時は礼儀も何も知らない子供だったんです」
「子供というか野生とかいうかって感じだったぞ」
そういってまた「がははは」と笑うおじいちゃん。おばあちゃんは反応したら負けと思ったのか、プイッとそっぽを向く。そんなおばあちゃんが小頭かわいいと思った。それと同時に――
(二人の出会いってどういうのだったんだろう? 幼馴染って聞いてるけど……)
最近おばちゃんに関する色々な事をしった小頭。おじいちゃんはこの今いる家の子供としてやんちゃな子供時代を過ごしたんだろう、とわかる。そんなおじいちゃんに対して、おばちゃんはあの廃村の出身で、そしてあの廃村は呪術師の村だったらしい。そんな所で野生? はて? である。一体二人はどうやって結婚に至ったのか、とても興味がわいてきた小頭である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます