『どうすればよいのですか?』
『それは……今の俺にはわからない』
『そんな……』
『今の俺はただの残りカスだ。データをもとにこれまでの事には応えられるし、想定の推測はできる。だが、それ以上の事は出来ない』
アイと楽しそうに話せてたのも、そういう過去の記憶のデータ、はあるからか。でも当然だけど、今の彼は実物ではなく残されたデータから作られた幻影であって、AIみたいなもの。だから想定以上の出来事が起きたら、その対策までは考える機能はないんだろう。
『それでも、色々と対策を用意してるんじゃないんですか?』
私は更に食い下がる。だってこのままメタリファーが運命の衝突でユアの卵から誕生できないとなると、この場所から自力での脱出しないといけない。できるかな? わからない。なにせここは時空間が特殊だ。これまでの世界とつながってない可能性だってある。いうなれば盤上が違うみたいな?
今までの世界は同じ碁盤の上にあってマス目が一つ一つの世界だったとしよう。それなら繋がってなくても隣接はしてるじゃん。でも今いるここは……この場所もそうなのかはよくわかんない。
碁盤の上にあるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。てか私的にはそうじゃない可能性が高いきがする。時空間を操れるメタリファーが作った碁盤の盤外の場所……みたいなさ。
だからG-01の世界を渡る能力でも渡れるかは正直わからない。そもそも発動条件が……ね。大体はサンクチュアリを手に入れると次の世界へと飛べてた。ここにもあるの? サンクチュアリ?
『確かに対策はしてたさ。だが……もうその全ては試している。だが運命か……はははは! そうか、運命まで絡んでくるとはな』
なんか笑ってる彼。いやいや、笑ってる場合じゃないでしょ。確かに彼にとっては実験とかの一つかもしれないが……こっちには結構由々しき問題だよ? 流石に私はまだここで朽ち果てたくはない。いつかは外に出たいし? それにはもっともっとG-01をアップグレードしていかなくちゃいけなのは自明の理。
それにG-01が作られた世界、そして私を生み出した理由とかさ……まあそこら辺はどうでもいいと言えばいいが、外に私が出るためには、私を生み出した人々に会わないといけない可能性はあるからね。
世界を渡り続ける必要があるんだよ。だからここで晩年を過ごす……というのは早すぎる。だから笑ってる場合じゃないんだよ!
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