UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1031

2024-02-26 19:51:39 | 日記
「全員前を開けるのだ!!」
 
 そんな風に王様が言ってくれた。別に飛び越えていけたんだけどね。でもなんか後方にいた部隊がきれいに左右に別れてくれたから私はG-01でそこを歩く。いい気分である。そんな事を思ってると、なんか肩にアイが乗ってきた。
 
「私も行きます」
 
 勝手にすればいいさ。アイなら問題ないでしょ。これがネナンちゃんとかなら流石に下ろすけどね。皆さん何やら私に期待してるような視線を向けてる。ここで動くんだ。期待しないで……というのは無理だろう。前では勇者も頑張ってるが、その数の多さ、それに戦場にいるたくさんの人達をフォローしてるから大変そうだ。
 なにせ勇者は一人しかいないからね。皆さん頑張ってるが、流石にあの多さを一人でフォローするのは厳しい。それならさっさと白い砂獣を駆逐したらいいが、アイツラどんどん生まれてきてるからね。でも……
 
「私ならできる」
 
 左右に別れてた後方からでて、私はキィィィィィィィ――とブースタを稼働させる。そして一気に前に突っ込んでいく。両の太もものところから私は銃を取り出した。前はナイフだったけど、色々とエネルギー貯めることで装備を更新できる様になってるのだ。ナイフも高性能になってるが、ここは銃の方がいいかなって。小型の二丁の拳銃のようなそれは、青で白いきれいな銃だ。そして私は更にこの付近の全景を出して、すべてのドローンとリンク。
 G-01の視界に映る砂獣……更には無数のドローンが捉えてるすべての砂獣の位置と動き、それらを把握した。映像に映る奴らがロックオンされて赤い円が出る。後はポチッとするだけだ。
 
バンバン!!
 
 鋭い音を出して放たれた弾丸。それが白い砂獣を貫いて更にその後ろの砂獣……更にその後ろまで続く。それだけで砂獣は滅んでいく。爆散とかしてるわけでもないのに、砂獣はただの一発の弾丸でその動きを止めた。大きくなった奴らにとっては流石のG-01の銃弾だって一発で沈むような傷にはならないはず。
 でもそんな常識は無視して砂獣には致命傷になってるのだ。勿論それにはトリックがある。それは弾丸に込めた術式。それが砂獣を破壊してる。更にG-01は素早く動き、銃を撃ちまくる。
 
 ドトドドドドドドド――ババハババババババ――
 
 戦場に走るそんな音。その度に砂獣は動きをとめていく。嵐の様に吹きすさぶG-01。様々な砂獣がいるが、私はただ一つとして撃ち漏らしなんてしない。全てに当たって、そしてその全てが滅んでいく。ついでに飛んでる砂獣も一掃だ。ものの三分……たったそれだけの時間で地上に溢れてた砂獣が蹴散らされた。

ある日、超能力が目覚めた件 391P

2024-02-25 20:28:16 | 日記
(ここは……外? うわぁ……わあああああああああああああああああああああん!!)
 
 頭にたたきつけられる思念。それはまさに号泣だった。そしてそんな感じで風の少女が泣きわめいてるからだろうか? 一気にこの周辺の天気が悪くなってきた。風なのになぜに風の少女の感情に引っ張られるようにして強風が吹きだして、空も曇って、雨が斜めにたたきつけてくる。そんな状況になってた。風の少女も困惑して感情があふれてしまってるようだけど、野々野足軽だって実は結構混乱してた。
 
(なんで……どうしてここに?)
 
 だって野々野足軽的にはまずは向こう側……穴の向こうでドラゴンから風の少女を開放つもりだった。なのに……だ。なのになんかいきなり風の少女がここにいる。どういうことなのか、まったくもって野々野足軽だってわかってない。テレポートをした? いや、はっきり言ってもしもそんな事をしたら、きっとそれなりの力が減ってる事だろう。けど感覚的に、野々野足軽の想定以上には減ってない。なにせテレポートなんて憧れのような力を行使したとなったら、一気に力がガクッと減ると野々野足軽は思ってる。でもそんな様子はない。
 さっき力の巨人を作った分と、癒しの力をたくさん流し込んだ分……それだけが減ってる。まあけど……とりあえず……
 
「落ち着いて。もう大丈夫だから!」
 
 実際なんかどんどん天気がやばいことになってきてた。きっとこの事象はこれまでの気象情報の埒外だと思う。あんまり天気を観測してる人たちを混乱させるのも悪いだろうと野々野足軽はおもった。まあ本音はなんかトルネードが出来つつあるからこのままだと地上にまで被害が及びそうだったからだ。
 強風と雨くらいなら別にいいけど、竜巻となると大変なことになる。だから落ち着いてほしい。
 
「ありがとう! ありがとう!!」
 
 なんということだろう。さらにゴウ! ――と風が強くなって、きっと日本では観測史上最大規模の竜巻が出来上がった。野々野足軽達は中心にいるからなんともないが、もう周囲全部竜巻のせいで何も見えない。感謝されてるから強く言えない感じの野々野足軽。すると――
 
『こらあああああああ!!』
 
 ――そんな声が響いて、ポカっと風の子が風の少女へと手を挙げた。するとその衝撃のせいか、一気に竜巻が霧散して、晴れ間が雲の隙間から差し込んでくる。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1030

2024-02-25 20:21:17 | 日記
 私が出るのは簡単だ。それによってこの戦いに勝つこと事態はできる。けど本当にそれでいいのか? ってこと。それを私達はずっと懸念してる。誰かに……私達のような他人に頼って救われた世界は、また危機が訪れたとき、この世界の人たちは再び『誰か』に頼るのではないだろうか? 
 ただ祈るだけで、自分たちで抗おう……としなくなるかもしれない。そうなったら……それは私達の罪だ。はっきりいってそんなのを背負う気はまったくない。だからこそ皆に最後まで頑張ってほしい。最後の最後まで……その瞬間まで……その時になら、すべてをひっくり返すのもいいと思える。
 でもその瞬間までは……
 
「逃げるな! 立ち向かえ!!」
「ここで背を向けたら家族が!」
「俺にはこの後に結婚するんだ!!」
「来やがれ虫野郎ども!! 絶対に街には行かせねえ!!」
 
 ドローンが届けてくる光景。そこには逃げる人たちは居なかった。さっきの光線。あれによって溶けた人もきっとそれなりの数いる。流石に一瞬で溶けてしまったらミレナパウスさんの回復も効くことはないだろう。そんな光景を見てたら、次は自分だと思って、体が恐怖に支配されてもおかしくない。
 だってそれが人間だ。自分が大切な筈だ。けど……戦場に出てる人たちはもう自分じゃないのだ。皆のために、そしてその先に幸福があると信じて戦ってる。逃げないで……そしてそこには確かに最後まで……その瞬間まで立ち向かう覚悟が既にある。
 
『そっか、私はいつの間にか傲慢になってたのかもね』
 
 私はそんな事をポツリと呟く。G-01という圧倒的な力。私はそれを手にしてる。神になった気になってたのは私だったのかもしれない。なにせこの世界の敵なんて今や敵じゃない。私がいけば全てが解決する。その全能感。私は彼らを救える立場だと……そう思ってきっと救世主気取りだったんだろう。
 
『これが命の輝きか』
 
 私には小さな光が輝いてる様に見えるよ。彼らはもう私に頼ろうなんて思ってない。傲慢な私なんかに頼らずに、自分たちの幸せを自分たちので手繰り寄せようと必死だ。その輝きは絶対に嘘や偽りじゃない。
 
『楽をしようとするのはもう十分か』
 
 情報は既にある。解析は……戦闘をしてても進めることができる。なにせ私の脳は拡張されてるし、ここでの戦闘……それは私ならそれこそ片手間だ。
 
「皆さんがんばってください……」
「これは……」
 
 後方のネナンちゃんもなんとか支援をしてるけど、それでもこの距離からでは二度も強化された砂獣には通らなくなってる。そして既に攻撃の手を止めてるアイ。おい……である。まあこれまで私以上に頑張ってたし怒るのはやめてあげよう。これからは……
 
『私が出る』
 
 私は立ち上がった。今度こそ、明確に戦うためにだ。その異常を感じ取ったのか、皆が見る。でも私は喋らない、そんな設定だからね。ただ、G-01の両目が意思を乗せて光った。

ある日、超能力が目覚めた件 390P

2024-02-24 19:51:55 | 日記
(誰か……助け……なに、これ? あったかい……誰か……いるの?)
 
 ドラゴンの動きがおかしい。実際癒やしの力は届いたのか……なんとかほんのちょっとだけ、ほんのちょっとだけは届けられたと思う野々野足軽。それの影響か? ドラゴンがなんだか苦しそうにぐるぐるとその場で回ってる。でもこれは……チャンスだ! 野々野足軽はそう思った。
 
「行くぞ!」
 
 もう一度野々野足軽は力の巨人を完全権限させる。ここで決める気だろう。苦しんでるドラゴンをその大きな両手でガッチリと抑え込んだ。そして目……のような部分がカッと光り、顎が外れたように口を開く。そしてそのままドラゴンの長い首にかぶりついた。これで癒やしの力を流し込むつもりだ。
 
「いけ! いけ! 助けに来たって伝えるんだ!!」
 
 ここが勝負どころだと野々野足軽はありったけの力を流し込むことに決めた。一気に大量の力がドラゴンの内部へと侵入する。
 
「道はもうわかってる」
 
 一度たどり着いたから、最短でいける。もう迷うことはない。確実に届くとわかってる。ドラゴンが激しく抵抗するが、それでも力の巨人を意地で維持する野々野足軽。大量の力を使ってるからか、タラっと野々野足軽の鼻から血が流れ出す。けど、そんなことには野々野足軽自身は気づいてない。
 
(気の所為? 誰か……誰かいるの? 応えて!)
 
 …………
 
(やっぱり誰も……いないよね。こんな場所に、誰かいるなんて……そんなこと……そんなことなんてあるわけ)
 
 ……そんなふうに風の少女は上げた顔を再び膝小僧に埋めようとしてた。けど、そのとき、ほんの小さな光が彼女の側に来た。小さな小さな風で簡単に飛びそうな光……けど、それが彼女の手に触れると、聞こえてきた。
 
『助けに来た!』
 
 そんな声。それは気の所為なんかじゃない。思わず彼女は顔をあげる。そして気づいた。周囲にはさっきの光がいっぱいあった。さっきまで真っ暗だった……何もなかった。けど……今は確かにある。そしてその光が言ってる。
 
『助けに来たよ。さあ、行こう』
 
 ――と。風の少女は立ち上がった。そして、光の中へと飛び出す。
 
(うん!!)
 
 そんなふうに言って手をのばす風の少女。その手に光が一気に集まっていく。そして……次の瞬間、風の少女は懐かしい風を感じてた。
 
(ここは……)
「うお!? びっくりした……」
 
 なんと風の少女は野々野足軽の手を掴んで元の空間……つまりは通常の地球へと戻ってきてた。これには野々野足軽もびっくりだった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1029

2024-02-24 19:46:36 | 日記
 闇と光が混ざったような砂獣達。内部からパリパリと新たなその姿を表してくる。まさにその姿は脱皮のよう。そうして出てきたのは今度は真っ白な砂獣だ。蟻は蟻の砂獣のままだけど、その大きさはさらに大きくなってる。
 
「つっ、まだ今なら!」
 
 そう言って勇者が大きなミミズの砂獣を切りつけた。そいつは全長数十メートルとかなってる超巨大な砂獣だ。そいつも白くなってた。けど、勇者の一撃には流石にたえきれなかったみたいだ。いや……
 
「今なら行ける。皆、こいつらは脱皮直後で柔らかい! 攻撃をするんだ!!」
 
 そんな事を勇者が叫んだ。なるほど。確かに脱皮をした直後ってまだ固くなる前だもんね。これなら今の装備でも一気に砂獣共を切って切って切りまくるってことができるかも。勇者の言葉で皆が再び動き出した。手近な砂獣へと攻撃を叩き込んで行こうとする。けど……
 
「速い!?」
 
 どうやら確かに砂獣は今、柔らかくなってるみたいだが、聖騎士の力までも取り込んで更に砂獣は強化されたみたいだ。それに……なんか蟻の砂獣が口を開いてそこに光が収束してる。そしてそれを一斉に放った。
 
『まずっ!?』
 
 私は一回動いて再び膝を抱えて座ってたけど、これはまずいと思った。魔法を発動させて後方部隊の前に魔法障壁を展開させた。それによって後方部隊……つまりはネナンちゃんとか王様達は守れた。てかあのままだったら更に後ろのアズバインバカラまで届いてたかも。いや、間違いなく届いてた。あれは人を吹き飛ばした程度で止まるようなエネルギーではなかった。
 砂獣がどいつもこいつもあんなのを放てるようになった? そうなるとなかなかに厄介だよ。
 
「くっ、コイツ等!!」
「当たらない。速すぎる!」
 
 砂獣が再び勢いを増してる。それにきっとこれまでの事例からするに、これから波によって現れる砂獣はこの白い砂獣になるだろう。そうなると……まずいな。流石にこれ以上のパワーアップはそう簡単にさずけるなんて出来ないぞ。いくらミレナパウスさんが超回復をしまくってるといっても、それもあのアクセがある限りである。
 これだけ砂獣が強化されて致命傷を受ける人達が増えると、枯渇だって見えてくる。まったくどんだけ強化されるんだよって文句を言いたくなるね。それでも私にとっては雑魚だけど……一回部隊を下げて、私が一掃するか? それが一番確実だ。でもそこまでやるのは……ね。そんな事をするのなら、もう最初から私がG-01で前線に出てたら……ってなってくる。それに……
 
『まだ皆諦めてないか……』
 
 そう、この世界の人たちはまだ自分たちで自分たちの居場所を守ろうとしてる。だから私が先に見限る事はできなくない?