UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力が目覚めた件 389P

2024-02-22 00:53:03 | 日記
(反応が遅れる……)
 
 そう野々野足軽は思ってた。なにせアホみたいに速いドラゴンの対応をしつつ、ドラゴン内部の風の少女……そこまで癒やしの力を届けてるのだ。どっちも油断なんて出来ない。ドラゴンと対峙してる方では既に攻撃の必要性はないかもだけど、けどだからって都合よく一回の癒やしの力で風の少女の心を溶かせるか? という疑念はある。流石に一回では厳しいだろうと、野々野足軽だって思ってた。
 けどまずは手応えが欲しいと思って、とりあえず今は攻撃を続けるんじゃなく、ドラゴンの翻弄の方へと野々野足軽は舵を切ってしのいでる。それでなんとか、頭のリソースを癒やしの力の方へと持って行ってるんだ。
 
 これが更に攻撃を続けようとするとなると、勿論だけど力の巨人の一部を作るための収束、そしてそれを操る意識、更にはドラゴンの動きを正確に読むための思考……それらがひつようになってくる。流石にそれだけのリソースを今は割くことが出来ないって判断もあった。まずは一度風の少女へと癒やしの力を届ける。それを何よりも優先してのことだ。
 
「とどけ……届け……」
 
 既に2つの力の層はこわれて、今やあと一つの層だけがなんとか残ってる状態だ。それも徐々に限界を迎えつつある。なんとか僅かなつながりを辿って力を操作してる野々野足軽。既に傷が完全に塞がってしまってるドラゴンの内部の力を感じるのはとてもむずかしい。取り込まれてなくても、それはとてもか細い、一回瞬きをしただけで見失いそうな……それほどにか細い糸。
 だからこそ、今はそっちに野々野足軽は集中をしないといけない。なにせドラゴンの体にはそもそもが野々野足軽の力が通りにくい。もしかしたら電波を妨害するように、野々野足軽の力を妨害してるのかもしれない。それでもなんとか繋がってる状態。せめてこれでその道を作りたいと野々野足軽は思ってる。
 なにせ今は何もない道を進んでる状態だ。誰も踏破したことがない山に挑んでるような……そんな状態。けど一度目的地に付くことが出来たら、そこに行くまでの『道』ができる。そうなると……だ。そうなると一度目よりも格段に色々と予測できるようになるだろう。層だってそうだ。3つでたどり着けたらそれでよし、心もとないのなら、4つにするとかの対策ができる。でもそれもまずはこれでたどり着かないとだめだ。
 だからこそ、僅かな繋がり必死に維持してる。これだけは手からこぼす訳にはいかない。
 
パキ……パキキ……
 
 と層が限界なのがわかる。けどそれでも一瞬で力がなくなるわけじゃない。ただちょっとでも風の少女へと届けば、こうやって助けようとしてると……僅かでも伝わるかもしれない。そうなるともう一度……もう一度彼女には希望が灯る可能性だってある。
 だからこそ、野々野足軽は綻びそうな力を必死にまとめて、なんとか少し……そう少しだけでも、泣いてる風の少女へと届けた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1028

2024-02-21 23:53:58 | 日記
『だから狂信者は嫌なのよ』
 
 嫌なものを見た。私はその場にはいないが、この戦場のどこよりも私はこの戦場の情報を得てるだろう。だからこそそれを見た。勇者が倒した聖騎士達がその最後を迎えたところを……まあ実際あれは勇者が最後を与えたわけじゃない。自身で最後を選んだ――って感じだった。そう考えると、奴らは幸せだったのかもしれない。
 なにせこの残酷で過酷な世界では自身の死を選べるほうが少ない。でも奴らは少なくとも、自ら進んで死へと進んだ。まあなんか騙されてそうだったけどね。だって奴らの最後の言葉……『次の世界』とか、『その資格を』とか、そんな事を言ってたが、実際まだ空の扉には変化はない。中央にいる奴らはなにかやってるようだけど……聖騎士達の死では変化はみえない。つまりは奴らは騙されたのでは? って思うんだけど……まあ同情はしない。
 どうせ敵だ。敵に感情移入していいことなんてない。
 でも……だ。
 
『でも、ただ死んだだけ……なんて思えないよね』
 
 勇者も警戒してたが教会とはろくでもない奴らである。なら碌でもない事をやってくるハズ。その警戒は間違ってないと思ってる。奴らは勿論こっちの人たちをなんとも思ってない。けどそれは仲間だってそうだ。奴らにはとってはこんな戦場に真っ先に投入するような奴らってのはきっとそれこそ生贄だ。その生命なんてどうでもいいと思ってるだろう。だからこそ、死だって計画通りだと思う。
 死ぬときはこうすれば先に楽園に行ける――そんな甘言をつかって聖騎士たちを誘導してた様に見える。
 
『仕込んでたのは聖騎士……ではなく、砂獣なんでは?』
 
 そう思った。その時だ。何やらこの戦場にいる砂獣全体にその変化は訪れた。いや全体は言い過ぎか……空を飛んでるハエみたいな砂獣にはない。アイツラは教会が産みだした砂獣だからだろう。まあけど、普通は教会が直接関わってる方に何らかの変化? ってやつは出そうなものだ。でもなんか違う。砂獣の場合は自然発生的な方にそれは起きてる。
 それは既に『強化』がなされてた砂獣共だ。そいつらには空に現れたなにかの残骸……それを食らって既に強化されてて、その甲殻にひび割れのような模様が浮かんでた。禍々しい模様だった。
 それが今、光ってる。それはさっき食べた聖騎士の光が内側から溢れてるかのよう。あのヒビのようなものは実際ただの模様だと思ってたんだけど……どうやら違ったらしい。なにせそのヒビが入ってた部分から砂獣達は生まれ変わって行ってるからだ。

ある日、超能力が目覚めた件 388P

2024-02-20 23:50:08 | 日記
「よし!」
 
 ヤマ勘が当たったことによる声……それがでた。なにせ、ドラゴンがどこに出るのかそれは実際わからない。風になって右にでるのか左に出るのか……それか上やら下、さらには背後って選択肢だってあった。そこで上に出たドラゴン。別にそれは本当に偶然で何か誘導してたとかもない。それに力の巨人は一瞬で出せる……という感じじゃない。
 もちろん全身を出すよりも今は部位だけ出してるから素早く構築出来てると思うが、それでも……だ。それでも一瞬では無理だ。これがこっち側。もともとの世界――地球なら一瞬で出せると野々野足軽は考えてる。試してはないが、たぶんできるだろう。なにせ時間がかかってるのはこっちの空間。この穴の先の空間には何もないからだ。何もないから野々野足軽は自身の力を流して、それを元に力を使えるようにしてるんだ。
 でも今の野々野足軽にはこの空間のすべてを力で満たすことが出来ない。そもそもがこの空間はどこまであるのかもわかんない。それに今はこのドラゴンとやりあってるところに集めておきたいってのがある。そしてそれを遂次集めては力の巨人にしたりしてるのだ。なので一瞬ってことはできない。全ての方向に事前においておく……というのも難しい。だからこそヤマ勘で用意してたところに来てくれたのは嬉しかったみたいだ。
 
 そしてそのまま殴りつける。拳を叩きつけるようにドラゴンの頭部を砕く。そして力を流し込む。癒しの力だ。壊して治す……ある意味でマッチポンプみたいだな……とか野々野足軽と思った。奥へ奥へ……けどこの奥というのは別にドラゴンの体内のどこか……とかじゃないみたいな? どこを進んでるのかも野々野足軽にさえ、よくわかってない。ただ深く……そう思って進めてるんだ。
 
パリン――
 
 癒しの力を守ってた力の膜……それが砕けた。これまでの経験で経て、どうやったら奥で泣き続けてる風の少女へと届くのか……それを考えた結果がこれだっだ。野々野足軽は何回も色々な事を試した。けどこれが一番いいと判断した。力を力で守る。いうのは簡単だ。けどやるのはそこそこ難しかった。それに……だ。
 
パリン――
 
 さらにもう一つの層が壊れた。そう、癒しの力を包んでた力は一つじゃなかった。そして二つでもない。三層だ。三重の力の層で守ってる。
 
「届け……たの――うお!?」
 
 癒しの力を届けてる間もドラゴンは動いてる。既に傷口はふさがってるが、層のおかげで野々野足軽の意識は二つに分断されてるようになってた。つまりは風の少女へと届ける力を操る意識と、ドラゴンへと対応しないといけない意識……その分割思考で野々野足軽の頭は悲鳴を上げつつあった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1027

2024-02-20 23:46:37 | 日記
 爆散したでっかい聖騎士。何かあるか? と思って自分は警戒してた。けど、どうやら復活してくる……なんてのはないらしい。よかった。下の方では落ちた普通の聖騎士達が、こちら側の者たちと戦ってる。けど……その聖騎士達に変化が訪れた。どうやら聖騎士達には砂獣は襲いかからないみたいだったけど、でっかい聖騎士が倒された事を確認した聖騎士達は、手近な砂獣を攻撃しだした。
 それに周囲の人たちが困惑してる。それはそうだろう。だって砂獣と共に戦った方が絶対的に有利だ。こちら側も強化されててあの武器でなら、砂獣をそこそこ簡単に倒せる。そして今や魔力が尽きた聖騎士なんて、砂獣よりも柔らかいはずだ。そんな聖騎士がこちらの戦力と渡り合うためには砂獣を利用するしかない。そうしないと生き残るなんて出来ない。
 それが一番わかってるのは奴らの筈だ。いや、もしかしてわかってない? 確かに奴らなら今でも自分たちが上……と思ってる可能性はある。なにせ地上で戦ってる彼らは聖騎士達から見たら、それこそずっと見下して来た存在。そんなのが今や自分自身にまで及ぶほどになってるなんて……いやそれか超えてるかもしれないなんて、聖騎士なんていう高尚な職についてる聖騎士なんて言う奴らには認められないってのはなんとなくわかる。
 
 普通はあそこまで追い詰められたら悟るものだし、理解したくなくても認めるだろう。そうしないと生きることが出来ない。でも奴らの場合……教会関係者の場合はそうじゃなくても納得できてしまう。だってそういう奴らだし。
 
「何を……」
 
 そんなふうにきっと周囲の兵士も賞金稼ぎたちも困惑してる。それに……だ。それに聖騎士達は近くの砂獣に攻撃をし始めたけど、それで砂獣を倒せてるのか? といえばそんな事はなかった。彼らの無駄に大きくて、そしてきれいで美しい剣は一様に強化された砂獣の甲殻に阻まれて傷がつけれていない。むしろ、その刃が刃毀れしてるくらいである。
 元々が魔力で強化をして使うのが前提の剣なのかもしれない。魔力を帯びたらその特性を発揮できるが、今や聖騎士達はでっかい聖騎士の渾身の一撃のためにその力をすべて持っていかれてしまってる状態だ。だから剣にも魔力を送れなくてすっからかんになってる。その状態だと、あの剣はきっとそこらのナマクラ……そんな状態なんだろう。
 
 そしてそれは起こった。いや、奴らはきっとそれが狙いだったんだろう。彼らは一様にその剣を自身の腹に突き刺してこういった。
 
「「「我らの次の世界へと行く!! その資格を得た!!」」」
 
 そんなことをのたまった聖騎士達へと、さっきまで共闘してた砂獣が群がる。そしてその肉体を貪り始めた。きっとあの一撃、意図的に砂獣へと攻撃したあれがきっかけだったんだろう。つまりは奴らは自分自身を自ら砂獣の餌へとしたんだ。

ある日、超能力が目覚めた件 387P

2024-02-19 20:31:38 | 日記
「ごめん――」
 
 そんな事を呟いた野々野足軽は再びドラゴンへと攻撃をする。突っ込んでくるドラゴンに合わせての攻撃。太い腕を作って殴る。ドラゴンの鱗へと入る亀裂。野々野足軽はすかさずそこに癒やしの力を流し込む。なにせ殴った瞬間に『痛い痛い』と風の少女が叫んでる。その叫びが激しくなればなるほどにドラゴンは強くなってしまうんだ。ただ攻撃するだけではだめ……だから癒やす。けどその癒やしはこのドラゴンへ対してじゃない。
 
「届け!!」
 
 野々野足軽が癒やすのは今さっきぶっ壊したドラゴンの体じゃないんだ。その奥にいる絶望に沈んでしまった風の少女、その子だ。だからこそ流し込んだ癒やしの力を奥へ奥へと送る。届かせるために。でも……
 
「くっそ……」
 
 消えた。いや、食われた。中へと流し込んだこっちの力が風の少女へと届く前にドラゴンへと吸収された。体内に無理矢理押し込んでるんだからそうなるか。そもそもが力的にはドラゴンの方が大きいんだ。だからきっとただ力を流し込んでも、奥まで行く前に塗りつぶされてしまうんだろう。途中で完全に野々野足軽の制御を外れて、力を感じれなくなった。
 
 けど野々野足軽は諦めない。何度だってやってやる――その気概だ。殴っては送り込んで、蹴っては送り込む。何度も試行錯誤を繰り返す。力の密度を高めたり、速さを出してみたりだ。でも風の少女まで届かない。いや、なんとなく野々野足軽には見えてる。風の少女は確かにドラゴンの中にいる。ただ絶望という殻に閉じこもってしまってる。それもドラゴンの一番奥の場所で。
 そしてこっちの癒やしは届いてないわけで、何回も傷つけてるせいで、ドンドンと風の少女は意固地になってる。今のところ結果は不利に働いてる。それに……
 
「なっ!?」
 
 これまでの様に風のように速いドラゴンを力の巨人の腕で攻撃をしようとした。今までなら、直線的にやってくるドラゴンをぶっ叩くのは見えるようになった時点で簡単だった。慣れたとも言える。だったのに……今の瞬間、ドラゴンは対応してきた。なんと目の前にいたドラゴンが消えた。それはまるで風のようだった。風のようにまるで竜巻が解かれるようにその姿が霧散してそしてすぐ横にその風がゴウ!――と流れる。そして流れた風は再び結ばれてドラゴンの形を形作って食われた。
 
「完全に風になって回避してるのか……」
 
 厄介な……と野々野足軽はつぶやく。確かに元が風の少女がこのドラゴンだ。だから最初はそれこそ風なら攻撃とか通るのか? と思ったときもあった。けど普通に通ってたから、そこら辺は気にしてなかった野々野足軽だ。けどここで通らない様になった。ドラゴンは自身を完全に風へと戻すことで攻撃を回避して、任意の場所に再び集めて元に戻ることができるようだ。
 でも攻略法はある。すぐに野々野足軽はそれを思いつく。だから焦りはしない。厄介だけど……でもまだ……再びの攻撃。また直前でドラゴンは風になった。そして今度は上の方に現れた。けどこっちも用意してた。再びドラゴンへと戻った瞬間、こっちも隠してた別の腕で現れたドラゴンへと攻撃をする。