軽井沢~標高1150Mの森の家とエコ農園からの便り

雄大な浅間山の南麓・千ヶ滝西区の農園で、自然の生態系保全のため化学物質を一切使用せず西洋サラダ野菜の栽培に取り組む

農園からの初出荷

2008-06-29 20:25:08 | Weblog
梅雨の時期、恵の雨を受け農園の野菜達もすくすくと育ち出荷の時期を迎えた。
まずはいつもご注文いただいている東京のお客様達への発送。野菜の彩りとハーブの香りが引き立つよう丁寧に梱包。早速Aさんから「美味しい、ハーブの香りで癒されます」と嬉しいご報告。Kさんからはサラダやハーブの写真付メールで、色々と楽しんでくれている様子。生産者として大いに励まされた。こうしたオルトアサマファンの皆様は本当にありがたいと感謝している。

もう1件の東京への発送は、表参道のランスへ。シェフのIさんがイタリアから帰ってきたばかりということで、イタリアの野菜と較べ農園の野菜達への反応が楽しみだ。何を送ろうかと野菜選びにもひときわ力が入った。7月には赤坂で店をやっているシェフ仲間と農園を見に来ることになっている。Iシェフとの再開が楽しみだ。

そして、長年お取引きいただいている旧軽通りにあるレストランさんが農園を訪問。今年の野菜をじっくりと観察していった。その後新メニュー向けの野菜・ハーブをとの相談を受け、プレゼンテーションした。農園の野菜ソムリエにより野菜の特徴を生かした数種の組み合わせを提案させてもらった。本日、注文の野菜を届けたら、なんとプレゼンのとおりで決定し今日からお客様に出しているとのこと。とてもうれしかった。このように、今年は野菜達がどのような料理に変身するのか楽しみだ。

このレストランはお取引先というだけでなく個人的にも気に入った場所だ。ここ数年、私と妻で誕生祝いはここと決め、農園の野菜を盛り沢山に使ったスペシャルメニューを堪能している。と同時に、料理人と生産者との味を介したコミュニケーションの場としても大切にしている。ここはパンで超有名な店で、石焼でじっくりと焼いたハード系のパンとわが農園の強い野菜の取り合わせは絶妙であると・・全粒粉パン好みの妻曰く。

おととし7月は、農園の近くに陶芸の窯を持っている陶芸家で元総理大臣のH氏と、H氏は窯焼きの、私は農作業の、それぞれ日々忙しくしている合間の息抜きに、このレストランを訪れ、美味しいランチと会話を楽しんだ。H氏曰く「さすが、サラダ野菜はおいしいですね」と。H氏は、その後も家族で訪れているようである。便利な場所にありながらさりげなく落ち着いて美味しい。安心して人に薦められる店である。


写真は、軽井沢スーパーマツヤ野菜売り場の一角にある《軽井沢のエコ農園オルトアサマ》のコーナ。今年は農園のコンセプト「4Vgitables:安全・安心・元気・きれい」をしっかりとお客様に伝えられるよう、いろいろと知恵を絞っている。野菜売り場のチーフが素敵な棚を用意してくれた。この棚を十二分に活用し、野菜を通したお客様との交流、野菜情報の発信、農園のショールームとしてなどに生かしたい。

今年度の初出品に合わせ新商品を野菜ソムリエとともに企画し、数種のサラダ野菜が一度に食べられ目でも楽しめる《サラダ゛ブーケ》と、料理・お茶・デザート・卓上花にも使えるよう数種のハーブを組み合わせた《ハーブブーケ》を出品した。毎日の食卓はもちろん軽井沢のお土産やプレゼントとしても、提案させていただいた。皆様どうぞよろしく。

しかし何といってもすべて元気な野菜ありきだ。農園での栽培に今まで以上に愚直に取り組むことが基本の基本。




結球し始めたレッドロメインレタス

2008-06-22 01:04:18 | Weblog
東京で種を蒔き、そして大切に育てた約150株のレッドロメインレタスがいよいよ結球し始めた。

種を蒔いたのが3月18日だった。同じ日に蒔いた仲間にフェンネル、ウィーンサンゴ、マスカラがある。共に農園で農薬・化学肥料・そしてビニールマルチのお世話にならず、(エコ農園の我が農園は、環境対策を考慮して焼却時にダイオキシンを発生させるビニールマルチを一切使用しないことにした)、裸地のまま豊かな自然の中でじっくりと(ここまでくるのに3ヶ月かかっている)、しかし逞しく成長し続けている。

ロメインレタスは、立ちチシャとも言われ食感の良さもあって日本でもグリーンのものは栽培する農家が多くなったようである。ただし、そのほとんどは農薬や化学肥料を使ういわゆる慣行農法で栽培されているのが現状のようだ。

以前、我が農園でも日本で栽培されるようになったグリーンのロメインレタスを栽培していた。しかし、今は栽培していない。常に先進的でありたい、そして栽培難度の高い野菜の栽培に挑戦したいという熱い気持を押さえることが出来ず、今取り組んでいるロメインはレッドロメインとイタリアのロメインレタス(ROMANA)である。

写真のレッドロメインは、標高1100Mの浅間の自然と太陽とそして・・・愛の下、まるでワックスをかけたような赤銅色の輝きを発しながら結球し始めている。

シャリ感と甘味があり、そしてサラダの彩りとしても抜群のレッドロメインは、栽培難度も高く、日本ではまだ希少であることもあり、高級品だ。増してや、軽井沢でも高標高地で育った有機のレッドロメインは・・・。

さて、そろそろ収穫期に入ったこのレッドロメイン、何方に最初に食べてもらおうかと思案中でアリマス・・・(笑)。





満開のシブレット

2008-06-15 09:17:15 | Weblog
シブレットが満開になった。

250株ほどのシブレット(チャイブ)の開花は、毎年、我が農園に初夏の到来を確実に感じさせてくれる。早速、ドライハーブにするため3~4束分採り、農園の日陰になってる白樺の木の枝に吊るした。ついでにオレガノも一緒に吊るした。

初夏のシブレットの開花に始まって秋口まで、ハーブ達の開花が切れ目なく続く。
カモミール、セイジ、タイム、ラムズイヤー、ワイルドストロべりー、ペパーミント、タンジー、オレガノ、フェンネル、ディルなど。

我が家では妻がキッチン用のハーブはあれこれの料理に、それもたっぷり使う。料理のほかハーブブーケなどももよく作りお客さんに差し上げたりして喜ばれる。

今日の夕方、友人のOさんがご夫婦のお客さんを連れて農園に見えた。Tさんという方で、森の家の近くで陶芸の窯を持っている陶芸家とのこと。美しい絵模様の作品の写真をいただいた。

農園の色とりどりの野菜の説明はOさんに任せて、私と妻はT氏夫妻に差し上げる野菜とハーブの採取に取り掛かった。

Tさんは足元の白い小さな星型の花の群生を見つけ、庭に移植したいと一株掘りあげ、大事そうに抱えていた。

帰り際に、妻がご夫妻にハーブの料理について説明していた。シブレットやルッコラセルバチカはサラダのトッピングに、セージは肉や魚に、オレガノはジャガイモやトマトなどと。

私が、「秋刀魚や鰯でもハーブを使うと高級魚になりますよ」と言ったら,Oさん「いや、Kさん、今は鰯は高級魚だよ。なぜなら、原油高で鰯漁に出られないそうだから」と。




農園は、高級別荘地の一角に・・・

2008-06-13 23:56:35 | Weblog
毎年のことだが、春から初夏にかけて、軽井沢はそこかしこで別荘の新築工事が始まる。

だから、この時季、農園にいく途中で行き交う別荘工事のための車両はとても多い。軽トラ、ダンプ、住宅設備車両などなど。

農園の周辺は高級別荘地で、有名人も多い。女優の○○さんや著名な作家も農園に見えたこともある。

写真は、別荘建築の大型クレーンが稼動しているところだ。普通の住宅建築で大型のクレーンを使うことはよほどの建築でない限り、まず必要ないだろう。

承知のごとく、軽井沢は旧軽井沢などの一部を除いておおかたが傾斜地で、多くの別荘が傾斜地に建っている。眺望、通風、日照などのメリットがあるからだろう。

しかし、こうした傾斜地の建築となるとクレーンを使わないわけにはいかない。工事車両が敷地に入れないからだ。だから建築資材はクレーンで摘み上げなけなければならない。

そう言えば、森の家の一帯の建築の時も我が家はほぼ平坦地だが傾斜地はクレーン車が稼動していた。

農園であれこれの仕事をしていても、近く、遠く聞こえる重機や大工さんの工事音は、浅間山がすべて受け容れてくれているのであろうか、農園には騒音として伝わらない。

美しきはウィーンサンゴかな

2008-06-11 22:18:53 | Weblog
成長を続ける美しい姿のウィーンサンゴ。

昨年、ウィーンに行った時に手にいれた種。この種を大切に保管し、今年も蒔き苗を育てた。

日本のスーパーなどで売られているサニーレタスの仲間だが、葉の形や色が全く異なる。サイズもコンパクト。

とにかく、美しい。しかも透明感のある美しさだ。葉の形がサンゴに似ているので、妻がウィーンサンゴと名付けた。誠に相応しい名前なので、その後はこう呼び続けている。

レッド系のサラダ野菜は、ウィーンサンゴも入れて7~8種類作っているが、色、葉の形、サイズ、透明感などでこのウィーンサンゴはとてもユニークな存在だ。おそらく、日本ではそうざらにお目にかかれるものではなかろう。

サラダに散りばめると、ひときわ美しい。

この種も、あと残り少なくなったので、自家採種しようと思っている。浅間山麓生まれの2世、3世の誕生を期待している。


成長を続けるフローレンスフェンネル

2008-06-10 08:24:24 | Weblog
東京で発芽し、そして幼苗期を過ごしたフローレンスフェンネル。
すっかり浅間っ子になってすくすく成長している。この品種は

肥大化したカブを主に利用する品種。もちろん、葉も茎も花も利用できる。

フェンネルは、一般には、魚料理の定番と言われている。そのとおりで魚料理には抜群の味を醸し出してくれる。ほんとうに素晴らしいの一語だ!

しかし、我が家ではそのほかいろいろと利用しており、それも年を越して春先までの長期間に亘って利用している。サラダ、スープ、カレー、ピクルス、ヨーグルトのデザートなどなど。昨年、茎と葉を冷凍保存しておいたものを毎日の魚料理に使い、魚の生臭みが抜け抜群に味が良くなるので重宝していたが、とうとう使いきり、今は今年産の成長を待つばかりである。

浅間の清澄な大気と降り注ぐ太陽、その浅間山麓で育ったフローレンスフェンネルの香気は、まさにヨーロピアンの香気とでも言うべきものであろう。私は、妻と一緒でこの香気が大好きだ。

先日、友人のOさんが自家製のとても美味しい味噌を農園に持って来てくれた。妻は大喜び・・・。Oさんとの農園談義によると、Oさんの奥さんは種を採る多年草のフェンネルを育てているそうだが、カブを利用するこのフローレンスフェンネルは育てていないとのことなので、「それじゃ、大きくなったら差し上げましょう」と約束した。

180株のフローレンスフェンネル、皆早く大きくなア~れ。




華やいだ1日・・・

2008-06-08 00:57:44 | Weblog
とても、華やいだ1日だった。

農園は初夏の陽気で、新緑と爽やかな風、そしてカッコウの鳴き声も近く遠く・・・。
そんな中、東京からコンサルタント会社の社長とスタッフが農園にやって来た。
二人とも、まだ若い女性だ。

来園の目的は、各種サラダ野菜のコラボレーションやコラージュの写真撮影だ。
妻も加わって、3人でいろいろやっていた。数時間はやっていたであろう。

時おり、3人の軽快な笑い声が、すぐ近くで次に植え付けるロロロッサの畝作りをしていた私の耳に入る。普段は、別荘建築の車や散歩中の別荘人がときたま通るくらいで下界の夾雑音が一切入ってこない静寂そのもの農園だ。
だから、たまにはこうした軽快な、弾むような女性の笑い声が男性的な浅間山麓に響くのもいいものだ。

帰京する彼女達を見送った後、妻はビーツの間引きを、私は250株ほどのロロロッサの苗の植え付けをそれぞれやった。

どちらも、7月下旬頃には収穫出来るであろう。明日は、オークリーフの苗を植えようと思う。その後は、イングリッシュミックス、サラダ菜、イタリアンミックス、マスタードグリーン、LATTUGAなどなどと続く。苗達は、浅間の太陽の下で順番待ちだ。


ハナ子の再訪問

2008-06-05 23:10:51 | Weblog
いつものように、朝起きてすぐ庭に出て静寂な新緑の中に佇んでいたら、なにやらうごめくものを目にした。

ハナ子だった。
およそ3週間ぶりの訪問だ。目をあわせた瞬間、ハナ子!と声をかけたらじっと私の顔を見ている。警戒心を和らげるため、私はハナ子を背にして歩き始め・・・。

カメラを取りに家に入り再び庭に出たら、ゆったりとした動きで庭の新葉を食んだりしていた。警戒心が和らいだのであろう。

家の前の通りでカメラを向けて声をかけたら、なんと・・・近づいて来た。
どんどん近づいて来たので、急いでシャッターを切った。それが、この写真。

もう1枚の傑作の写真があるが、それは後日にして・・・。

一時の間の交流の後、突然、踵を返すように私を後にして緩やかな下り道を歩き出し立ち去った。ゆったりした足取りで、そして何事もなかったかのように。

ハナ子が立ち去って、そして思った。
そうだ!ハナ子は野生動物であってペットではないのだ。

ペットは人間の側についているかぎり安泰だが、野生動物は厳しい自然界で生き抜かなければならない。頼れるものは自分だけなんだ。人間様との安っぽい感傷的な気分にいつまでも浸ってはいられないのだ。

ハナ子の、凛とした、そして美しい去りかたに我が人生の去就を重ね合わせて考えないわけにはいかなかった。

ハナ子は、森に帰って行った。




結球しはじめたLATTUGA

2008-06-04 22:48:48 | Weblog
越冬し、その後も順調に成長しているイタリアサラダ野菜はこのブログでもたびたび登場しましたが、そのうちLATTUGA(レタス)が、いよいよ結球しはじめました。

結球といっても、日本のスーパーなどで一般に出回っている、いわゆる玉レタスのように固く結球するものではなく半結球と言ってもいいかもしれません。

外葉もピンと立っていて、根元からカットして持ち上げても、まるで造花のようで全体の形が崩れませんね。

幼くして厳寒の地で越冬し、逞しく成長して、ここにこうして明るい緑と赤銅色の美しいリーフの姿を見せてくれてることに言いようもない感動を憶えてしまいます。

このLATTUGAの仲間ですが、東京で育てた約300株ほどが農園の気候に順応し今順調に生育しています。

しかし、イタリアはじめヨーロッパの野菜は、チコリなどに象徴されるようにほんとうに美しいものが多いですね。だから研修旅行では・・・真っ先にメルカートに行ってあれこれの野菜について見聞し、そして食べたいもの、色の濃いものをどっさり買ってホテルに持ち帰り、バリバリ食べるんです。

気候風土の違いなどもあってか、西洋野菜の栽培にはかなりの苦労を強いられます。リスクも伴います。それでもこうして立派に成長した姿をみると感動して余りあるものがありますね。だから、また頑張って作ろうと・・・。

あと1月ほどで、数々の結球し始めている華麗なLATTUGAの全容をお見せすることが出来るでしょう。


森の緑に囲まれた静かな朝

2008-06-01 23:23:47 | Weblog
1日のスタートの朝は、けっこう慌ただしいものである。
これは、どんな仕事であれ、どのよう立場の人でも同じであろう。

東京で長年仕事をしていた私も、その頃は朝はやはり同じだった。四季の移ろいなどを、朝、ゆっくり堪能することはなかった。いつもバタバタした朝で、そして電車に飛び乗って、あるいは車で猛ダッシュしたりして出勤していたもだ。

でも、今は違う。
各季節ごとに、季節感がはっきりと感じ取れ、そして日毎に異なる風情を見せてくれる森の生活に入って、しかも農業という自営業だから朝からバタバタしたり、朝食も取らずに出かけるようなことはしないし、したくもない。

前から決めていたことだ。
時間に支配されずに、時間を支配する生活を。そして自分の24時間を創造的に組み立てそれに熱きものを注ぎ込もうと。

1日のスタートの朝はとても大切だ。バルコニーから新緑を愛でつつ、自家製の美味しくてヘルシーな全粒粉の焼きたてパンとイタリアンコーヒー、そして手塩をかけて育てた農園の各種サラダ野菜をしっかり食べて~、さぁ、今日も農園の仕事に全力投球しよう。