軽井沢~標高1150Mの森の家とエコ農園からの便り

雄大な浅間山の南麓・千ヶ滝西区の農園で、自然の生態系保全のため化学物質を一切使用せず西洋サラダ野菜の栽培に取り組む

ピエモンテ~花屋のような野菜売り場

2010-02-28 23:12:30 | Weblog
ヨーロッパのスーパーに行くと、市場もそうだが、商品もお客さんも活き活きとしている。
とくに食品売り場でそうなんだ。

何故なんだろう!と考えてしまう。

旅から帰ってすぐに日本のスーパーに入るとがっかりする。
まちがってドラッグストアに入ってしまったのかと。

野菜も含めてほとんどの食品が過剰に包装されお化粧されすぎているのである。
そのため本来持っている野菜の美しい姿を見ることができない。

ヨーロッパのスーパーでは、市場ではもちろんのこと野菜など青果物は包装されているものはほとんどない。

洗っただけで、根っこのついたまま台や箱に山積みされているものも多いのである。

そのほうが、裸のままのほうが野菜の品質や鮮度などの状態を良く観察できる利点もある。
見てくれなどは眼中にない厳しい選択眼をもった国民性だ。

お客さんは、目にかなったものを勝手に袋に入れて目方を量ってレジに持って行くのだ。

石油系の袋に入った、或いはぐるぐる巻きされたスーパーの野菜の鮮度や品質を、まさかその場で袋をぶち破ったりして中を検閲?することは出来んだろう。

だいいち流通に時間がかかったうえに、さらに袋に入れられたり、包装されたり人手でいじくり回された野菜の鮮度はそれだけで急降下してしまうというものだ。

写真は、ピエモンテ州ノヴァ―ラ県のスーパーの野菜売り場で撮ったもの。
手前左がカステルフランコ(クリーム色)で、私も栽培している。

2月だというのに大地から直行したと言わんばっかりにチコリ系サラダ野菜が美を競っている。

繰り返すが、花屋の店先で撮ったものではない。
正真正銘のスーパーの野菜売り場だ。


フィレンツェのモーニングは・・・

2010-02-27 14:59:13 | Weblog
フィレンツェでの食事は、料理の勉強のための、或いはイタリア在住の方から教えてもらった観光客向けではない地元のイタリア人が多く入るお薦めの店に行く以外は自分たちで作った。

だから、食材は、毎日のようにリュックを背に買出しに行く。
行く先は毎日やってるスーパー、日曜以外はやってる市場、姉妹でやってる美味しいパン屋など。

野菜を欠かさない妻は先ずそれとオレンジなどの果物、次に肉やハムなど動物性のもの、乳製品のヨーグルト、チーズそして朝以外はしょっちゅう飲むワインなど。

魚もよく買った。鮮度が良く生でもいけそうな鯖などは丸ごと市場で安く手に入る。丸焼きで食べるのでピッコロ!といって小ぶりのものを買う。

もちろん頼めば気持ちよく下ろしてくれる。

市場などで見受ける野菜は、いま自分で栽培しているものも多くありそうした野菜を目にすると嬉しくなりつい買ってしまう。

冬の時季の野菜なのでやはりチコリ系が多い。それもラデッキョロッソなどあれこれの赤系のものが根っこのついたまま積み上げられて計り売りされている。

冬に強いロメインレタスやフェンネル、ルッコラも・・・。

カステルフランコもあった。
これは、農園で昨年から今年にかけて半年がかりで栽培に成功した大変美しいチコリだ。
ついでなので、農園のチコリは一躍軽井沢の有名レストランの寵児となった。

野菜・果物たっぷり、トスカーナパン、オリーブオイル、ハム類にピエモンテの農家の方からいただいた大ぶりのビンに入った無農薬キウイのジャム。

コーヒーは毎朝、毎週火曜日に開かれるカッシーネの市でまけろ!まけろ!と言って1ユーロまけてもらって買ったイタリア製の手動のエスプレッソマシーンで煎れる。

基本的にこのような食材の下での毎日のモーニングだったが、軽井沢のそれと内容的にはさほど変わったものではなく1ヶ月間というわりと長期の滞在であっても極端な‘ご飯と味噌汁恋し‘となるようなことはまったくなかった。


幼苗の寒締め

2010-02-23 23:05:48 | Weblog
軽井沢もここ2,3日、暖かい日が続いている。

夕方、農園の帰りの国道18号の気温表示はプラス3度だった。

暖かいと言っても、それは日中の話であって最低気温はやはり氷点下だ。

セルで育苗中の苗がいくつかある。
ロッサ・リシオリーナ、ラトゥーガ・ロマーナ、ジェンテリナ・・・。
イタリアンレタスミックス(Lattuga Miscuglio)もある。

これらを、今小さなポットに移植している。

苗の成長段階に応じて器の大きいポットに苗を移し変える作業だ。

苗を次の段階の苗の大きさに相応した器に移植する作業は通常、2~3段階くらいに分けてやる。秋苗はやらないが、寒の戻りがある春苗の場合にある程度の大きさに育てるためにやる。

が、慣行農法の一般の農家は春苗であっても遅霜の恐れがなくなってから植えるのでセル箱からいきなり畑に直行。
移植作業など手間のかかることはやっていられないのであろう。

写真は、車のボンネットに載せた移植苗。
強い紫外線を浴びてるが外気温はかなり低く、時より小雪が苗の上で舞っている。

寒締めホウレンソウはご存知だろう。
が、寒締め幼苗は? たぶん聞いたことがないだろう。

このように、幼苗段階で自然界で徹底的に鍛えるのが私の農法。
温度管理のハウスの下でぬくぬくと育った苗では、農薬や化学肥料を一切使わない、まして有機肥料も極少の畑ではたちどころに害虫の餌食になったり病気になったりで・・・

とても育たない。

こうして我が農園が送り出す野菜の苗は例外なく春先は寒締め、夏から秋にかけては風雨締めで鍛え上げられた猛者達だ。











フィレンツェのカーニバル

2010-02-20 22:06:49 | Weblog
カーニバル(謝肉祭)の季節だ。

ヨーロッパの、それも主にカトリック系の国のお祭りだ。
四旬節の前に通常数日から1週間前後に亘って行われる。

ヨーロッパには、この時期、毎年旅したりしているものの、カーニバルを見ることがなかった。ニースに行ったときなどは、残念なことに開催準備中であった。

昨年のこの時期、仕事に関連してフィレンツェに長期滞在していたこともあって幸運にも見ることができた。

ある日、アルノ川沿いをいつものように妻と散歩していたら、川沿いの通りに奇妙な姿の群団がいっぱい。

なんや、これは?

パレード開始に備えて大勢の参加国が待機していたのだ。

フィレンツェのパレードは、国別対抗パレードのようだった。
激しいリズムとその踊り、かと思うと中世の王侯貴族スタイルの衣装で犬と共にシャナリシャナリ・・・などなど。

それぞれのお国柄を象徴する臨場感いっぱいのパレードだった。

ちなみに、日本人も参加していた。
和服姿で少し地味かなと感じたがそれでも頑張っていた。

カーニバルで世界的に有名な町としてはブラジルのリオ、フランスではニース、イタリアのヴィネツィアなどなど。

今年のカー二バルも、春の到来を祝ってそれぞれの国の、それぞれの地域の伝統やスタイルで華々しく行われていることだろう。

さて、農園に春がやって来たと実感するのはカッコウの初鳴きを聞く時だ。



お贈りいただいたパネトーネ

2010-02-19 21:29:13 | Weblog
朝一番で焼きたてのパンが届いた。

東京の成城でパン教室を開いていらっしゃるTさんからだ。

Tさんは、昨年秋の頃、滞在先の蓼科の別荘からご一家で農園体験ではじめて農園に来ていただいた方だ。
お孫さん、お嬢さん、そしてお嬢さんの友人と友人のお嬢チャンの6名でいらっした。

その際美味しい、様々なパンをたくさん持って来ていただいた。
そこで、農園のあれこれの採りたてのサラダ野菜とともにいただいたパンの味は最高!

お孫さん達も農園のあちこちを飛び回りほんとうに楽しんでいたようだった。

農園でのさまざまな話の中で、‘今年のクリスマスにはパネトーネを贈ります‘と妻と約束したようだった。その話は私はまったく知らなかった。

Tさんのお手紙に、‘クリスマスの頃ベルギーに行っていたので焼けませんでした‘とお詫びの文面がありましたが・・・。

いいえ、お気になさらないで下さい。美味しいパンでしたら10年先でも、20年先でもお待ちいたします!

妻はすっかり忘れていたようで、Tさんからの電話に大喜び。

届いたばかりのパンを、早速、モーニングにいただいた。
パンの好きな二人、美味しい!を連発させながらいただいた。

マシュ・マローのブーケ、喜んでいただきありがとうございました。
今夏も美しく咲いてTさんご一家をお迎えしてくれることでしょう。

再会をとても楽しみにしております。

夕食後、パネトーネをデザートにいただきました。
寒締め?のパネトーネはさらに美味しさを増しました。




草津の十割そば

2010-02-17 23:40:18 | Weblog
蕎麦(そば)にもいろいろある。

良く聞く名称は、二八そばと十割そば。

蕎麦粉と小麦粉の割合がどのくらいで入っているかの「割合名称」なのだ。
そば粉100パーセントが十割の、80パーセントが二八の蕎麦というわけだ。

割合が高くなるほどに店で売ってる値段は高い。

安いと思って手に取って商品案内を見ると・・・
頭に小麦粉、次に付け足しのように蕎麦粉と表示されている。

蕎麦もどきが圧倒的に多い。

反対に、頭に蕎麦粉と表示されていれば・・・これは表示を見なくても値段ですぐ分かる。
同じ分量なのに格段に違うからである。

草津で十割蕎麦を食べた。

この蕎麦屋さんは白根山も望める360度見晴らしのきく小高い丘の上にあって店の前の畑で自ら栽培し、石臼で挽き打ったものを出してくれる。

注文してから少し待たされるが、正真正銘の十割蕎麦だ。

店の名前は、‘風‘。

入り口には可愛い山羊さんもいて、お客さんを出迎えてくれる。





曇天でも雪明りで・・・

2010-02-16 20:33:31 | Weblog
今日は朝から曇天で、ときより雪が舞った。

気温も上がらず真冬日だ。

セルで育っている7種類の幼苗のポット移植を昨日より始め、今日も引き続きやった。
苗はラトゥーガ ロマーナなど。

午後のおやつの時間に窓越しの庭を眺めて改めて思った。
曇天なのに広い庭全面がかなり明るいのだ。

大地の雪が太陽に代わって明るさをもたらしてくれ、ヘタすると空よりも大地の方が明るい。

軽井沢の街全体が雪明りかというとそうではない。
国道やメーンの通りはすぐ除雪してしまいアスハルトの路面と化してしまう。

森の家一帯は観光道路である白糸通りから入った奥まったところにあり一般車は入ってこない(別荘地なので進入禁止となっている)ので除雪も必要最小限度。

いうなれば全域に亘って雪の保全・保護区だ(笑)。

普段なにげなく雪に接し時に樹氷や比類なき美しい雪景色に感動しつつも、圧雪路はスタッドレスタイヤが減らなくていいやと実利的に考えたり、雪かきを億劫がったりもするのであるが、今後はもっともっと年一度の自然界からの贈り物・雪をすべてその恵みと受け止め感謝しつつ懐深く享受しようと思う。


聖バレンタインデー

2010-02-15 22:35:49 | Weblog
昨日は、聖バレンタインデー。

そして、旧正月。

バレンタインデーということで、妻が手造りでケーキを作ってくれた。
そのケーキを美味しくたべるため、丹念にコーヒーを煎れた。

コーヒーは、軽井沢の丸山珈琲の深煎りブレンド。
ちなみに、丸山コーヒーの丸山さんとは旧知の仲。

エスプレッソにやや近い濃いコーヒーと相性がいいケーキだった。
コーヒーとケーキの好きな自分にとっては満足のいくものだった。

一日の締めくくりは、ロイヤルプリンス通りの「テラス サクマ」コーヒー店へ(写真)。

妻がバレンタインデーにご馳走してくれると約束済みの店だったのだ。

コーヒーとケーキを食べた。
コーヒーも、そして吟味されたケーキも美味しかった。

周りが別荘なのでそれに相応して店内も落ち着いた、そしてセンスの良いインテリアでまとめられておりゆっくり寛げるのでお薦めだ。

ペレットの薪ストーブの炎がゆらぐ中、我々二人とママさんとの間で親しく会話が進んだ。

昨年秋の頃放映された農園のTV(長野朝日放送)を見て‘あ~いいなあぁ~‘と思ったんですよぉ~。「そうだったんですか」とママさん。

「美しい野菜やハーブをお客様に・・・」とプレゼンティーションしてさしあげたところ、ふたつ返事で是非・・・と






ハルニレテラス~イル・ソーニョへ

2010-02-15 00:27:53 | Weblog
店のマネージャーから野菜の注文があった。

店は、昨年7月オープンしたハルニレテラスのイル・ソーニョ。
オープンして間もないのに一躍人気のトラットリアとなり、昨年の夏場を中心に連休の日などは順番待ちとなる。

ピザの国際大会で優勝した職人や、イタリア人の料理人スタッフもおり料理は美味しいのはもちろんスタッフ全員が明るくマナーも良い。

値段もリーズナブルなので家族連れやカップル、友人同士で気軽に入れるのでお薦めの店だ。

この店を紹介してくれた方は、私の農園の野菜のファンで、時々農園に見える方だった。
イタリア野菜を多く栽培していることを知ってるし、更に実際に農園を見てるし、そして食べてるし、だから「ここの野菜なら紹介しても大丈夫だ」と確信したのであろう。

この店には、私が紹介してさしあげたものだが、友人のピエモンテ在住のイタリアワイン協会のマスターソムリエである奥山理恵さんのみが取り扱ってるワインを置いている。

オリーブオイルもそうだ。

いずれも、イタリアのことならすべて知り尽くしており、現地の人たちから厚く信頼されている彼女がせっせと足を使ってイタリア各地を巡り厳選した品物なので信頼していい。

彼女は「WINE ART」という商号の日本法人の会社を立ち上げており、その代表者である。

是非、ホームページをご覧いただきたい。

ちなみに、今日届けた野菜はカステルフランコと黒ダイコン。
降り積もった雪を取り除くとガチガチ凍りついた土にへばりついているカステルフランコ。

外葉はグチョグチョだが、中心部にいくにしたがって神々しいほどの美しさに変身していく様に思わず息を呑んだ。

イル・ソーニョの女性スタッフ「とってもキレイですね!」と。



厳冬の農園一帯は・・・

2010-02-13 20:41:59 | Weblog
農園一帯のカラマツの林は今日も樹氷に覆われていた。

朝、レストラン「シェ草間」からサラダ野菜の注文があったので農園に出かけた。
気温は、昼間で氷点下5度。

いつも通る標高の高い別荘地の中を走る。

車一台やっと通る細い道なので対向車(といっても別荘建築の工事車両ぐらいだが)が来るとどちらかが崖方向に乗り上げて通してあげるのだが、それだけ自然が守られているわけで両サイドの雑木の樹氷はなんとも美しい。

あまりの美しさに助手席の妻は感動の声をあげ続ける。

誰もいないはずの農園のハウスの中、妻がなにかに声をかけていた。
野鳥が入っていたのだ。とても美しい野鳥だった。

厳冬の中、破れたビニールの穴から寒さと空腹をしのぐためハウス内の野菜などを求めて入ったのであろう。

ゴールデンビーツの幼苗が引き抜かれたままでいた。
これは食べてはいけないと思ったのだ。

妻と手分けして凍りついた雪の中で、「シェ草間」に納品するカステルフランコ、チリメンキャベツ、そしてカーボロネロなどの野菜を採取してハウスに戻ると・・・。

先ほどの野鳥が開けた扉から再び入っていた。
よほど空腹なのだろう。

しかし・・・
彼らは、どんなに空腹でも食べてはならないものは絶対に食べない。

そして・・・
彼らは、必要量以上は絶対に食べない。

それにつけ、人間はどうだろう???