軽井沢~標高1150Mの森の家とエコ農園からの便り

雄大な浅間山の南麓・千ヶ滝西区の農園で、自然の生態系保全のため化学物質を一切使用せず西洋サラダ野菜の栽培に取り組む

ロロロッサの苗~陽ざしを浴びて

2010-04-30 22:43:54 | Weblog
ポット移植を終えた150個余りのロロロッサの苗達が今日も標高1100Mの農園で強い陽ざしを浴びて気持ち良さそうだ。

ときより突風に近い風が吹き、そしてロロロッサの頬を撫でていく。

ロロロッサはヨーロッパのサニーレタスと言われる。
しかし日本で売られているサニーレタスとはまるっきり違う。

違いの大きな点はなんといっても赤色の濃さと葉先の縮れだ。
それと日本のそれのようにぼでっとしておらず、フルサイズでもあまり大きくはならない。大人の男性の手のひらに載ってしまう位のサイズで、キリッと締まった感じがとても良い。

この可愛らしさとしゃきしゃき感、ほろ苦さは特に女性に人気があり、したがってレストランの需要も高い。

プレートの彩りとして農園の赤チコリは夏の頃から、その間このロロロッサやロッサ・リシオリーナなどが大活躍する。

レストランのサラダ野菜の中に夏場はロロロッサなどが、秋以降は様々な赤チコリが彩りとして入っていたらそのレストランはクラス感のあるレストランと言ってよい。

ただし輸入のものでない国産品であること、それが有機であればもう超一流(笑)。

レストランへ届けたサラダ野菜は・・・こんな感じ

2010-04-29 20:50:59 | Weblog
今日の軽井沢は昼前から晴れ上がり、しかし少しひんやりとした風がときより突風となりハウス内を駆け抜けていく。

そのたびにハウス全体がガタガタ揺れ動く。

露地に植えたレッドロメイン、リシオリーナ、BARBA(顎ヒゲ)などが強い風に煽られて前後左右に激しく揺れ動いていた。

まだ定植前で強い陽ざしを浴びているパルマフェンネル、ロロロッサ、フレンチミックス、芽キャベツなどの苗達も同様だ。

幼苗段階で強い風にあてることはその後の成長過程で病害虫に強い野菜に育つことが信州大学の実験で判明したことについてかつて長野県の新聞で報じられていた。

この実験をまつまでもなく私はとっくに自分なりにそのように考えていた。

人間と同じで免疫力の高さは罹病率に大きく影響を与える。
免疫力を高める簡単な方法の一つは可能な限り雨、風など自然に身を晒すこと、つまり野生に還ることだ。

魔法ビンのような共同住宅と隙間風ピュ-ピューの木造住宅とでどちらの住宅で育った子がより風邪を引きやすいか。答えは明らかだ。

雨、風そして寒締めにされて育った苗達は、今立派に成長し連休中は連日レストランに届けられる。

そのレストランは「シェ草間」。
今日届けた写真の野菜はほとんどがイタリア系。

その名はマラビラ、バルバ、リシオリーナ、ジェンテリナ、ロマーナ、イタリアンミックスそして赤軸サラダホウレンソウなど。

手提げバスケットに10数個入れたらモリモリとなってしまった。写真には全部は入らない。
もっと大きめのバスケットでなければこりゃ~駄目だぁ~(笑)。

届けた際、店のIさんから「明日は、ルッコラセルバチカもお願いします。いつもの倍で」と。

店の前はすぐに駐車場。品良く整備された駐車場にはお客さんの高級車がずらり。
さぁ~明日も頑張るぞぉ~と。



雨が上がり晴れ上がって・・・

2010-04-28 23:50:58 | Weblog
今日、昼近くになってすっきり晴れ上がった。

昨日特に夜半は強い雨になり床の中でもはっきりと聴き取れる雨足だったが・・・
今日は午後になってしっかりと、すっきりと晴れ上がり、イタリア国旗はパタパタとたなびく。

気温も上がり露地のレッドロメイン、マーブルレタス、ロッサ・リシオリーナなどはたっぷりの湿度のあとの陽ざしにとても満足そうだ。

化学肥料は(勿論農薬もだが)一切入れず、僅かの有機肥料だけであとは浅間のたっぷりの太陽と野菜の生命力を信ずる農法なので・・・。

明日から、大型連休だ。

レストランも大忙しだ。
連休中も連日届ける予定のレストランがある。

レストラン「シェ草間」だ。

現時点(大型連休時)で最高級のイタリア系サラダ野菜をお客さんに食べてもらうべく2月の厳冬の時期から頑張って育ててきたものだ。

お客さんに喜んでもらえる自信は充分ある。






東京国立博物館・平成館~「細川家の至宝」

2010-04-25 23:33:34 | Weblog
東京・上野恩賜公園内にある東京国立博物館、その平成館で現在「細川家の至宝」特別展が開催されていることは先日書いた。

19日に行われた開会式・内覧会・セレモニーにはほんとうに大勢の方が来ていた。テープカットのあと案内された2階の特別展会場内は貴重な歴史資料などの文化財に、我々同様目を凝らす人達でいっぱい。

帰りに際しては図録もいただいたのでこれからじっくりとそして永く見ることになるだろう。

特別展と並んで先日行われた細川家18代当主で永青文庫理事長の細川護熙氏の講演会も盛況で定員をはるかに超えた申し込みがあり抽選だったと・・・

軽井沢のホームセンターで偶然会った友人のAさんが話していた。
彼は地元のOさんと共に軽井沢の人間で氏と交流がある仲間の一人だ。

実は、平成館を訪れるのは今回初めてだ。
1999年皇太子徳仁親王(浩宮)の成婚記念に開館されたそうで、本館に比して新しい。

当日、開会式等の時間までは少し時間の余裕があったので妻と公園内をぶらり。
森の家のお隣りさんで家族ぐるみのお付き合いをしているAさんご一家。そのAさんの奥様が音楽学部の教授をしておられた(最近退官されたそうですが)東京芸術大学、その前身の東京音楽学校、そして黒田記念館などを巡った。

東京に半世紀を越えて住みそして働き、家もあるのにこれじゃまるでオノボリサン!

しかし用事が済めばすぐに軽井沢に帰りたくなり・・・、だからさっさと空気の清澄な、星の綺麗な軽井沢に帰る。

時がたとえ夜半になったとしても。

いよいよカントリーライフが身についてきたのであろうか。





アートの空間(続々)~イタリア野菜は今さらに・・・

2010-04-23 09:22:47 | Weblog
美を競いあいながら、さらに逞しく成長している。

レストランの要望の強い大型連休時の納品を照準に厳冬期の2月から頑張って育てたイタリアンなどのサラダ野菜の成長は順調だ。

高冷地の軽井沢で、通常、大型連休の頃に純粋の軽井沢産野菜が出揃うことはまずないと言って良い。

ましてや、昨今の低温・日照不足、昨日の軽井沢は午前中から雪が舞ったくらいの異常天候ではだ。

2月、寒締めに遭い、その他においてハングリーに育てられた苗達だ。
異常天候など別にどうってことはない元気さだ。

まだヤングの段階だが、今日、いつものように離山通りのレストラン「シエ草間」さんに数種類のイタリア系のサラダ野菜、それと旧軽井沢の「ホテル鹿島の森」さんにはハーブティー用のフレッシュハーブを届けた。

「ホテル鹿島の森」さんは、今春からお客様にハーブティーのサービスをしたいということ
でこれまで2度ほど最初はYシェフと一緒に担当の2人の若き女性スタッフが農園に見えた。

農園のあちこちに自生しているハーブを目で確かめて、そして触れて、嗅ぐんで等々・・・してもらった。

そう言えば、とても愉しいひと時があった。
「ホテル鹿島の森」さんで6名でハーブティーのミーティングの最中に男性スタッフの方が席を立って行った。

フィレンツェに滞在中に妻と一緒に尋ねた800年の歴史を誇る世界最古のハーブ薬局「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」の話をした際だった。
この薬局はサンタ・マリア・ノヴェッラ教会のすぐ前の確かスカーラ(SCALA)という名前の通りだと思ったがこの通りにあって、とても目立たない入り口だが中に入ってびっくり。エントランスが素晴らしい。店内は歴史を感じさせる重厚さで壁面には絵画なども。

実は、この薬局の話が出たからであろう、男性スタッフの方がこの薬局で販売されている薬草リキュールを含む小さな瓶を二つほどもってきてくれた。すでにホテルにあったのだ。

皆で嗅ぐんだりしながら薬局の話がはずんだ。

本物に接することはとても感動的なものだ。










葱の効用

2010-04-21 23:49:39 | Weblog
昨年の初冬にハウス内に自家保存用として移植した葱、厳冬をくぐり抜け今元気いっぱい。

昨年の春に、私が葱を作っていないことを知ってか、地元のOさんが葱の苗を持って来てくれた。
Oさん曰く「これ、今畑に植えておけば秋には食べられよ」と。

その葱はその後立派に成長し、妻と初冬の頃まで大事に食べた。

写真の葱は別のもの。
昨年の初冬、近隣の町に住む知り合いの年配の女性から電話が入った。
「あのさぁ~、葱があるんだけんどさぁ~買ってくれない?」と。

お付き合いということでOKしたら、ナント・・・
肥料の空き袋にどっさり入っていた。それも3袋も。

その女性は葱のほか地場の野菜などを作っては小遣い銭にしているようだった。
買った葱は、どうやらいっぱい作り過ぎ寒さ到来の時期でもあるし処分を急いでいたのかも。

「家にはハウスがないんだけんどさぁ~」、「あんた~のところにハウスがあるんならさぁ~、その中に埋けておけばいいよぉ~」と。

夫婦二人ではとても食べきれない量なので、「こんなにいっぱい、もおぅ~」とブツブツ言いながら降雪の前に露地から移植したフェンネルやチコリで満杯のハウス内に無理矢理押し込んだ。

持ち込まれたときの葱は、見た目しょぼくれた感じだったが厳冬を体験したからか、農園の環境に合ったのか肥料など一切やらないのに見違えるほど立派になってしまった。

家では豆腐をよく食べるのであるが、これと葱はセットだ。
埋ける際不肖にもブツブツ言ってしまったが今ではとても重宝している。

葱はビタミンA,C、カルシウム、βーカロチンなど多くの栄養を含み漢方的には発汗作用、体内の保温効果があると言われている。





細川家の至宝

2010-04-20 23:48:44 | Weblog
昨日、久しぶりに妻と東京へ。

目的は、東京国立博物館・平成館で開催される旧熊本藩主・細川家伝来の文化財の特別展に先立って行われる開会式. 特別内覧会.レセプションに出席のためだった。

細川家18代当主・永青文庫理事長細川護熙氏とは農園の仲間だ。

氏は‘農‘にも造詣深く軽井沢にも自身の畑を持ち、その畑は私の農園の目と鼻の先位のところにあるので夏などは畑仕事の帰りに奥様と一緒に農園に立ち寄ってくれたりする。

特別展「細川家の至宝ー珠玉の永青文庫コレクションー」は4月20日~6月6日まで東京国立博物館・平成館で開催される。

少し前に、農閑期に高田馬場に滞在していたときに目白にある永青文庫に足を向けたことがあった。

その時のアンケート用紙の「興味をもったものは」の項に次のように書いたのを今でもはっきりと憶えている。

「宮本武蔵」と。










種まきから半年~赤軸サラダホウレンソウ

2010-04-16 17:36:47 | Weblog
随分長いことかかってここまで成長してくれた。

人気の赤軸サラダホウレンソウだ。

播種したのは、昨年の10月の末。
したがっておよそ半年かかったわけだ。

11月芽を出したが、その頃の農園の外気温はもう氷点下にもなってしまう時期でもあるので成長はストップしてしまう。

3月になって少し寒さがやわらぎかけた頃に成長開始、しかしご存知の異常天候なので一気に成長とはいかずゆっくりゆっくりの歩みだった。それでいいのだ。

農園のすべての野菜は完全な有機栽培、そして時間をたっぷりとかけて育てられる。
その時間の流れの中には気温はときには氷点下10以下にもなるという条件も加わる。

その結果サラダ野菜などは肉厚、色艶、香、保鮮性などにおいて卓抜したものに育つ。
これらの要件のひとつにでも欠陥があるとしたら、その野菜は?

見分けの手っ取り早い方法は保鮮性かもしれない。これは絶対にごまかしがきかないものなので試しに2~3日ほったらかして置くといい。その結果は一目で瞭然だ。

このサラダホウレンソウは限定なので「シェ草間」さんほかお得意様限りである。

昨日はラバネロ(ラデッシュ)2種を播種した。
次のサラダホウレンソウ、そしてラーパの播種の準備も今日やった。

今朝から小雪が舞い、一旦やんだが夕方からまた雪が降り始めた。
外気温はすでに氷点下。雪は明日の朝まで本降りの模様だ。

生育中のサラダホウレンソウはいよいよ鍛えられ更に肉厚になる。



イタリアの可愛い車(続き)

2010-04-15 23:49:58 | Weblog
前回に続きイタリアの車・・・。

前回はどちらかと言うと新しいタイプの車だったが、今回はかなり年数が経った年代ものの車だ。

よく見ると、三輪車だ。
昔、日本でも勿論三輪車があった。これは牛や馬にだけ頼れなくなったのでトラックよりも小回りの利く運搬車として開発されたのであろう。この三輪車は前に一つ、後ろに二つの車輪だった。

イタリアの写真の車は逆、前に二つ後ろに一つ。
乗用で、しかも車体に人力車の絵が描いてある。

この車は、仮に人力車だとしても現役だとはとても考えられない。おそらく華の都フィレンツェの人力車として活躍し今はリタイア、オーナーと共に悠々自適の毎日なんだろう。

東京24区とまで言われる軽井沢、季節によっては東京23区の多くの外車が集中する。

それはそれとして、この車のように高価さや、性能などを誇るのではなく世界でオンリーワン・・・絶対的な個性を持つ車が我が道をのんびりと走っている町でもあってほしいと思う。

アートの空間(続き)~イタリア野菜は今

2010-04-13 23:45:20 | Weblog
北極振動とか言うらしく、北極からの寒気がこの時季になっても締まりなく日本に流れ込み全国的に極端な寒暖を繰り返している。

自然界の営みなので受け容れるしかないのであるが、自分もその一人だが農の関係者はこの天候におおいに翻弄されていることであろう。

農園の周辺の畑の全ては、したがって昨年畑仕舞をした状態のままで未だ手が入っていない。
ここのところ軽井沢地域の天気予報は霜どころか降雪の予報も出ているくらいだから、さぞかしウズウズしていることだろう。

まあ~、そんな異常天候の中であっても我が農園では異常天候を想定して抵抗力をつけるため幼少期に寒締めに遭いながら育ったイタリア野菜の苗達ちがすくすくと育っている。~

暖房など一切無い、外気温と1度しか違わないハウスの中だ。
ちなみにこの時季最低気温はプラスになることはめったにない。

前回の写真とは別の角度から撮ったのであるが、また少し成長したようだ。

今日の夕方注文のあった「シェ草間」に赤チコリを含むサラダ野菜を届けた。
そのサラダ野菜の中にこの写真の中のいくつかを入れた。

まだヤングの段階だが「大分種類が多くなってきましたね」とシェフ。

これからこれらの野菜達はますますミケランジェロのダビデ像のように美しくかつ筋骨逞しく育ってくれると確信している。