■「心の自立」
登山では、依存心の強い人は万年セカンド、という位置づけになりやすいので、依存的な心をどうやって自立心に導いて行くのか?ということに、興味が湧き、『心の自立』という本をたまたま読みました。
結論から言うと、この本はすごい本です!
しかし、私にとって新鮮だったのは、自立の項ではなく、「関係欲」という項目でした。
■関係欲で結婚すると結婚が苦痛になってしまう
もし結婚生活が上手く行かなくて悩んでいる人がいたら、この本の関係欲という項目は、必読です。
つまり、人間には「愛」と一見ソックリの「関係欲」という欲があるのです。
ある人と関係を持ちたい!という欲です。関係欲は、嵩じると嫌がる相手に無理やり交際を迫って、ストーカーまがいのことをしてしまう、というような心です。
それは相手のためを全く思っていないので、どこが愛なのか?ということになりますが、本人は好きだからと信じ込んでいるし、また周囲もそれを受け入れてしまうような土壌が日本にはありますね。熱烈ファン、というようなことで迷惑行為が許されてしまいます。
が、どう考えたって変ですよね。相手が嫌がっているのに押しかけるなんて。
この「関係欲」について知ると、「結婚は3年で飽きる」とか「男はみな浮気したがっている」「妻(夫)がいなくなって清々した」などの発言をしなくてはいけないような、結婚が、「愛情」ではなくて、「関係欲」に基づいて行動された結果だと分かります。
そうした場合、生活がすでに築かれていたり、子供がいたりすると、その「関係欲」に基づく「関係」は、より解消しづらくなると思いますが、基本的に愛に基づいていないのですから、本当は解消した方が良いのかもしれません。
・関係欲とは?
関係を持ちたいという欲
相手が自分に応じてくれることを求める、自分のための要求
関係欲 愛
飽きる 飽きない
疎ましく思う 思わない
一遍に覚める 続くもの
自分本位 相手本位
恨み・憎しみに転嫁する 転嫁しない
重荷となる 重荷とならない
嫉妬の対象 嫉妬の対象とならない
執着心 執着の対象とならない
愛:相手が何をしてくれるかにかかわらず、相手のためを思い差し出す心
・関係欲の場合は、自分が構ってもらえないとなると、一切の貢献の努力は失われる
・それどころか、関係を迫って危害を加えたりなどという、とんでもない行為に及んだりします。
例: 好きだから別れたくないと言って嫌がる相手を包丁を持って追いかけた。
交際を断られた相手を誰かにとられるくらいならと思って、殺してしまった
■ 一歩進んで見分け方
モノゴトは、裏側からも見ることができます。ので、いつも思うのは、
・飽きてきたら、それは愛ではないのではないか?
・疎ましく思ったら、愛ではないのではないか?
・にくく思ったら、愛ではないのではないか?
・嫉妬したら、愛ではないのではないか?
・執着したら、愛ではないのではないか?
などの、”質問力”を常に使い、自分に問うことではないか?と思います。
そのような残念な結婚をしている人は、たいていは「結婚とはそのようなものだ」という自分にとっての真実を、あたかもすべての人にとっての真実、であるかのように語ると思いますが、そのようなことが真実であれば、人類の歴史の中で婚姻システムと言うのは壊れて締っているはずです。
そういう場合は、その人は単純に結婚した時点で、「愛」と「関係欲」が見分けられるほど、成熟していなかったということなのでしょう・・・
残念ですが、お気の毒という以外は、他人からは手の施しようがありませんね。