ビルマと中国で天災で人が一斉に亡くなって

生き残ったのにテントすらない人たちが言う「雨風さえしのげればいい」。
うん、わかる。かつてガス爆発の火事で私も部屋を失ったものの一人だから、火事後で部屋がない、お金も持ち合わせてない、電話をかける１０円もなく、ただ、そこに、無事だった自分が一人いるだけ、っていう、あの空虚な感じは、何とも人にうまく伝える言葉がない。部屋も服もお金もないのだ。半袖半ズボンにつっかけで、ただ放り出されたのだ。
夕方になってきて、風が出てきて、雨も降ってきてて、雨も、風すらもしのげないのに、時間とともに暗くなってゆくあの風景の中で、「雨風しのげたら」という、たったそれだけで、こわくなったことを思い出した。ビルマも中国も万という単位で人が死んだり、怪我したり、家を失って、家族を失って、食べるもの、眠るところに困っている。
雨風をしのげていれば、少しだけ、心は緩むのだ。雨風。早くしのいであげてほしい。切実に思う。