それでも生きるために

「生きづらい」人びとのためにいくらかでも役に立つ情報を提供したり、共に生きるための提案や呼びかけをしたいと考えています。

いじめ被害経験者の「生きづらさ」について(その2)

2021-10-30 | いじめ
 いじめ被害によって強い心理的打撃を受けて、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の状態となっている方はかなりいるはずです。仕事を続けることができなくて、「ひきこもり」の状態になった方、また、うつ病を発症し、自死にいたるケースもかなりあるのではという指摘もあります。
 いじめ被害のために学校に行けなくなると、学力や学歴の面でも不利な状態になります。その結果、収入の少ない働き方を余儀なくされている方も多いでしょう。また人間関係をうまくつくれないために、知人や友人が少なく、社会的に孤立しがちになることも推測されます。

 犯罪被害者や性暴力被害者については一定の支援の仕組みができつつあります。しかし、いじめ被害を受けた子どもたちが成人後にいたるまで体験している困難(「生きづらさ」)についてはあまり関心が向けられていません。さまざまな生きづらさの背景にいじめ被害経験があることは当事者もあまり気づていないことが多いかもしれません。

 私の体験についてはnoteに公開した記事「いじめ被害の体験から考えたことなど」をご参照ください。

 いじめ被害経験者への支援などについて、また記事を書くつもりです。


いじめ被害経験者の「生きづらさ」について(その1)

2021-10-13 | いじめ
 被害を受けた子どもの自死という報道によって注目が集まる「いじめ」問題。子どもたちの間での「いじめ」の実態は深刻なものがあります。
 いじめの加害者たちは巧妙で残酷な手法を用いて被害者を絶望的な状況へと追いつめてゆきます。被害者は被害を訴えることもできない心理状態におかれます。被害者は加害者だけでなく、面白がって見ている子どもたち、見て見ぬふりをしている子どもたちにも取り囲まれて、徹底的に孤立化させられます。
 多くの被害者が強い心理的ダメージを受け、その後、成人してからも「いじめ被害後遺症」とでも名づけうる困難を生きています。あまり知られていない現実かと思います。
 継続していじめられていると、「自分には何か問題があるのでいじめられるのだろうか」という思いがわいてきます。自己信頼感が低下して、自己受容がむずかしくなります。人間不信や対人恐怖などの状態が続いている方も多いようです。人とかかわる場面において、「またいじめの被害を受けるかもしれない」という不安が生じて、人間関係をつくることが困難になります。就労に不安を感じたり、職場にうまく適応できないで仕事が長続きしない方も多いかもしれません。


最近の「いじめ」メール相談(子どもから)より

2011-01-27 | いじめ
次のような内容の相談が寄せられています。

 ・集団で悪口を言われ笑い者にされる。
 ・部活のなかで仲間はずれにされているが、部活をやめることができないで困っている。
 ・身体的特徴を理由にからかわれたり避けられたりする。親に話しても「いじめ」と認めてもらえない。

 いずれも被害を受けている子は深刻な精神的苦痛を感じていることが文面からうかがえるものでした。


「いじめ」の現実

2010-10-26 | いじめ
 学校での「いじめ」は教師の目の届かないところで起きることが多いものです。「いじめ」の件数の統計が発表されますが、その数値は氷山の一角と言えるかもしれません。
 先日も、ある小学生が継続的な「いじめ」被害により、自死にまで追いつめられたことが伝えられました。私自身、小学六年生の頃、同じクラスの複数の男子から集中的にいじめられていた経験もあり、心が痛みました。
 現在、「いじめ」は学校だけでなく職場でもさまざまな形で広がっています。少し前にも、私の事務所に「同僚の継続的ないやがらせによって服薬治療を余儀なくされている」という相談がありました。
 さまざまな場所で起きている「いじめ」や社会的排除により「生きづらさ」を強いられている人たち、そうした人たちへの想像力は失うまいと思っています。

 学校での「いじめ」、「職場いじめ」についてメール相談に応じていますので下記のページをご覧ください。

学校での「いじめ」相談室 (保護者対象)

子どものためのいじめ相談室

職場での「いじめ、いやがらせ」相談室

「いじめ」メール相談から

2009-10-02 | いじめ
 子どもたちの間の「いじめ」においては、直接の被害者だけでなく、その周囲の子も悩ませることがあります。
 「いじめられている同級生と仲良くしたために、別の友だちとの関係がうまくいかなくなって悩んでいる」という趣旨のメール相談が少し前にありました。回答を書くのに苦慮しましたが、その子なりに受けとめてくれたことがうかがわれる返事が返ってきました。

自殺した同級生に対する「いじめ」を見た生徒が

2009-03-29 | いじめ
「いじめ、先生も認識」下関の中3自殺、同級生が両親に説明(読売新聞) - goo ニュース

 自殺に追い込まれた生徒の元同級生が高校卒業を機に、両親の元を訪ねて、目撃した「いじめ」の事実を話したということです。「いじめ」はそれを見る者にも重苦しい気持ちを強いるということを考えさせられました。