それでも生きるために

「生きづらい」人びとのためにいくらかでも役に立つ情報を提供したり、共に生きるための提案や呼びかけをしたいと考えています。

映画「小さき麦の花」を観て

2023-05-15 | いろいろ
 中国の農村を舞台とした、ある夫婦の物語です。夫ヨウティエも、妻クイインも家族からは疎(うと)んじられていました。若いとは言えない年齢で見合い結婚をして農民としての生活を始めたふたりはさまざまな苦難に出会います。クイインは不自由な足を引きずりながらも農作業などに従事しなければなりません。ヨウティエは村人のために何度も献血をさせられます。借りていた家は取り壊しのため立ち退きを迫られます。
 それでもふたりはくじけることなくいたわり合い支え合って生きてゆきます。ヨウティエがツバメなどの生き物を大切にする場面、作物を育ててくれる土を大切にする場面も印象的でした。ふたりの素朴な感情が、そして体が汚れるような働き方が静かに輝いているように見える映像です。
 物語は悲しい結末を迎えます。それでも、ふたりが共に過ごした時間は消えることはないでしょう。外面的な部分で人が評価され、要領よく生きられないと生きづらい状況に追いやられる。そうした世界にあってこの作品に出会えたことは、私にとって残された人生を生きるうえでささやかな救いになりました。

 ここからは個人的な話です。この映画を鑑賞した日、チケットをはさみこんだカードケースを紛失したのです。コンビニのプリペイドカードや図書館の貸し出しカードが入っていました。「せっかくいい映画を観られたのに」と落ち込んでしまいました。ところが帰宅後に映画館から電話があり、そのカードケースを拾得して預かっていますとのこと。この日もう一度、救われた気持ちになりました。映画館(京都みなみ会館)の職員の方、ありがとうございます。

映画「小さき麦の花」公式サイト


「ひとりだけど、ひとりじゃない」(NHK)を観て

2023-05-15 | 「つながり」をつくる
 親類と疎遠になり、近隣とのつながりも希薄なひとり暮らしの方がふえています。鹿児島市でそうした人びとの支え合い活動に取り組んでいる「鹿児島ゆくさの会」を取材した番組です(2023年4月22日、Eテレ放送)。訪問見守り、通院付き添い、買い物代行などの互助活動のほか、誕生日会や小旅行を楽しむ活動もしています。世話役をしておられる方は何かと苦労が多いこともうかがわれました。こうした活動はこれからますます貴重なものになると思います。私ももう少し生きられそうなら、こうした活動ができればと思っています。