生活保護で大阪府内の救護施設に入所している方から、施設での処遇について相談を受けました。「反貧困・春の大相談会in大阪」に来られて、私が生活保護申請支援をした方です。今日、再び同施設を訪問して、本人の苦情申し出をサポートしました。施設側は施設長が苦情解決責任者として対応しました。
1)キャッシュカードなどの預かり問題
本人の訴え
「『施設で預かることになっている』と言われて、入所時に、金融機関のキャッシュカード(本人名義)、年金証書、年金手帳を預けさせられました。」
これについては、本人には施設にカードなどを預ける意思がないことを明確に伝えて、現物を返還してもらいました。本人は入所時に、意味を理解できないうちに保管同意書に署名をさせられたようです。本人に金銭管理能力があるにもかかわらず、預けさせようとする姿勢と本人への説明のあり方に疑問が感じられました。
2)食事の問題
本人の訴え
「朝食はおかゆ、昼食はうどんが主食であることが多いです。おかずは少量で、味付けなどもとうてい満足できる水準ではありません。最近は消化器系の不調(消化不良)に悩まされています。職員に給食の改善を申し出ても、「できない」と回答されました。また、栄養士との面談を求めても応じてもらえません。
施設から私に支給されるのはタオル、石けんなど限られた生活用品と月6000円の小遣いだけです。空腹を満たすため食料品を買わざるを得ず、必要な衣類などを買えない状態です。」
これについては、「できるだけのことはするが、入所者全員が完全に満足できるようにすることはむずかしいことを理解してほしい」との回答でした。
上記の事実は、本人の同意を得て掲載いたしました。
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<参考>
社会福祉法
(福祉サービス利用援助事業の実施に当たつての配慮)
第80条 福祉サービス利用援助事業を行う者は、当該事業を行うに当たつては、利用者の意向を十分に尊重するとともに、利用者の立場に立つて公正かつ適切な方法により行わなければならない。
(社会福祉事業の経営者による苦情の解決)
第82条 社会福祉事業の経営者は、常に、その提供する福祉サービスについて、利用者等からの苦情の適切な解決に努めなければならない。
救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する最低基準
(昭和41年7月1日厚生省令第18号)
第13条 給食はあらかじめ作成された献立に従って行うこととし、その献立は栄養並びに入所者の身体的状況及び嗜好を考慮したものでなければならない。
☆福祉施設における預金通帳などの預かり問題
障害者施設などで入所者の預金通帳、現金などを当事者の同意なしに施設が預かり、不明朗な管理を行っている事例が報告されています。寄付金などの名目で入所者の年金収入から天引きされていた事例もありました。
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