池辺良さんがお亡くなりになった。92歳という年齢からいえば不思議はないのだけれど、万年青年のようなイメージがあって、どうもさびしく残念だ。
池辺良さんを初めて知ったのははるか昔、井上靖の楼蘭が演劇上演されて、ちょうどそれをテレビで見てからだった。まだこちらは子供のころだ。
それからだいぶたって、次に池辺良さんの名前に着目したのは「四季の味」に連載されていた料理エッセーの面白さでだった。それ以来、雑誌の連載から単行本まで、見かけるとだいたいは読んでいる。戦争中の従軍体験談も含めて、スターの片手間仕事というより、文章だけでも十分読ませるものを書いておられた方だった。
作家の作品でもご当人が亡くなると忘れられていくことも多いのだが、この方のエッセーなどは、忘れられてほしくないものだ。
それらのはなしは、料理や味だけではなく、一人の日本人の生活史、生きた時代の記録としても大変面白いものだと思っているからだ。
戦争に行ったこともある一人の日本人の、忘れられてしまうには惜しい記録なのだ。
池辺良さんを初めて知ったのははるか昔、井上靖の楼蘭が演劇上演されて、ちょうどそれをテレビで見てからだった。まだこちらは子供のころだ。
それからだいぶたって、次に池辺良さんの名前に着目したのは「四季の味」に連載されていた料理エッセーの面白さでだった。それ以来、雑誌の連載から単行本まで、見かけるとだいたいは読んでいる。戦争中の従軍体験談も含めて、スターの片手間仕事というより、文章だけでも十分読ませるものを書いておられた方だった。
作家の作品でもご当人が亡くなると忘れられていくことも多いのだが、この方のエッセーなどは、忘れられてほしくないものだ。
それらのはなしは、料理や味だけではなく、一人の日本人の生活史、生きた時代の記録としても大変面白いものだと思っているからだ。
戦争に行ったこともある一人の日本人の、忘れられてしまうには惜しい記録なのだ。