ファッションと気候風土

2012-06-16 12:46:42 | インポート

サルエルパンツのことから妙なことを思い出してしまった。明治になってそれまでのキリスト教禁止令が解かれ、欧米から宣教師も派遣されてくるようになって、カトリック教会でもシスター方の会が日本にやってきて、ヨーロッパの気候にはちょうどよかった修道服も日本の蒸し暑い気候の中では非常に苦労の種だったという話を聞いたことがあった。

第二ヴァチカン公会議以前の女子修道会の修道服やベールは見た目にも厳かで神秘的で美しく見えるのだが、実態はベールの姿をすぐそばで見ると、耳のところに黴が生えていたのだとか。昔の長くて大きいベールの時代は砂漠の修道生活に習って水を節約する習慣があったりした時代だから、洗濯も簡単には出来なかったし、昔々は特殊なベールはクリーニングやアイロンは海外に発注するしかなかったという話も聞いたことがある。

被服の歴史をみても、世界各地でそれぞれの気候風土にあうようなデザイン、材質が選ばれてきたことがわかる。日本の着物も現在のようなきちんとした着付けが中心になる前の時代は、もう少しラフな着付け、暑さ寒さに合わせた着こなし方がなされていたのだ。今のように普段は洋服が当たり前で着物はよそ行き用が主という時代ではなく、着物しかないのだからそれなりの着こなしというものがあったわけだ。

今の時代の着物はごく手軽な浴衣か、下手をすると自分で着付けができないようなよそ行きかどちらかになってしまっているような気がするが、当方の母親の時代はそうではなかったと思う。母は普段着の着物は自分で縫っていた。洗い張りも自分でしていた。その人の子のこちらになるとすでにそんな技術も忘れられてしまっているが、せめて着物の機能を今の服装で生かすことはできないだろうかと考えるわけだ。着物の身八つ口や、おはしょりを一つの機能として取り入れることができたら、洋服も面白くなりそうな気がするのだが。

もっとも中国のベビー服が排便用に初めからお尻が出るようにつくられているような、実質本位のものを連想させてしまうのは困る。もっとデザイン的にも美しさと機能性が両立しないとだめだとも思う。さて、どんなものなら可能なのだろうか。

 


サルエルパンツ

2012-06-15 18:47:32 | インポート

初めて見たのはトルコ旅行記の中の現地女性の服装写真でだった。

これは着たり脱いだりも簡単そうで、イスラームの女性なら異性の目から若い子なら女性美を、おばはんなら弛んだ体型を隠すために生まれた衣装だろうと思うが、日本人女性が着ても面白そうだと思ったものの、誰も着ていないようなものを着るのは勇気がいるから流石に買い求めて着てみようとまではおもわなかったのだ。

ところが最近、このてのものが流行してきて、一着か二着くらい持っていても便利だろうなと思わせられるようになった。元々、若い頃はキュロットスカートが好きだったから、つくりが似ているサルエルパンツも好みのタイプなのだ。

そんなときにちょうど近くの商店街のエスニックファッションの店で展示していたから、とりあえず地味なものを一着だけ買ってきた。もう一着気に入ったのがあったものの、ウォーキングストックを買ってしまったし、7月、8月は相当に緊縮財政になるからやめておいた。でも夏にぴったりのひまわりのイメージの素敵なサルエルパンツだった。

     

夏は華やかな色彩が似合う季節だ。

 


聖体大会

2012-06-14 14:02:01 | インポート

こんにちは~、マリーで~す。今日は木曜日だからうちのおばはん、出かけるのは夕方だし、なんか朝からのんびりしちゃってるのよねえ。あんまりのんびりしていると、またブログを書くのがおそくなっちゃうぞって脅かしたんだけど、だめねえ、あの人。今日もあたしに任せるって逃げちゃってるのよ。

このところあの人、毎週木曜日はだいたい真生会館の「聖書の集い」に行ってるのよ。だけど今週は主宰の幸田司教様も、グループの重鎮も、国際聖体大会でアイルランドに出かけてお留守なんだわさ。国際聖体大会って何だって? ケータイのあたしにそんなのわかるわけないじゃないの。さっきあの人も検索で何かわかりやすい説明はないかって調べてたわよ。キャッシュみたいだからちゃんと出るかどうか怪しいけどこんな記事が見つかったみたいよ。岩島神父様が書いてらっしゃるらしいし、いい加減なことは出てないと思うけどさ、どうかなあ。

     http://homepage3.nifty.com/t-iwasi/np/09.html

うちのおばはんだって、その昔、十代から二十代の初め頃はプロテスタントだったから、カトリック教会ではご聖体がどうしてそんなに大事にされてるのか、最初、意味がわかんなかったのよ。

ある時にねえ、知り合いの人に連れられて行った小さい修道院の聖堂で赤ちゃんの姿のイエス様のご像を見たんですって。ニコニコ笑ってて、まるでだっこしてちょうだいって言ってるみたいに両手をこちらにさしだしている赤ちゃんの姿のイエス様よ。それであの人、何でこの赤ちゃんはニコニコ笑いかけてるんだろうって不思議に思ったの。だってさあ、プロテスタントの教会で教わっていた苦悩のイエス様の姿と全然違うじゃないの。

それでずっと心の中でそのイエス様のことを考えていたら、あるとき、ぱっとわかったの。赤ちゃんの姿のイエス様は誰でも怖がらないでご自分のそばに来てほしいんだ。この宇宙、この世界全体をおつくりになった転地万物の造り主は、こんなちっちゃな笑っている赤ちゃんの姿で人間たちの前にあらわれたんだ。誰もみんな怖がらないで近寄ってくることが出来るようにって。そうか、だから同じこころでイエス様はちっぽけなパンの形にもなっておいでなのか。イエス様は、すべての人が怖がらないで安心してご自分のところにくるようにって、ちっちゃな赤ちゃんになったり、ご聖体になったりしたんだ。やっとわかったぞって。

ほんでもってあの人はカトリックに改宗しちゃったんだし、国際聖体大会には行かなくてもご聖体がどんなに大事なものかはよくわかってるんじゃないのかなあ。とにかくそんなわけで今日は残った人たちでお留守番だけど、イエス様がどんなことをおっしゃったのか聞きに「聖書の集い」には出かけるみたいよ。あの人さあ、こんなことくらい自分で書けばいいのにもう。

とにかく今日はこんなところでおしまいよ。ほんじゃまたね。

 


思ったよりスポーツ用品らしいぞ

2012-06-13 16:27:24 | インポート

こんにちは~、マリーで~す。 あのねえ、もっと遅くなるかと思っていたら、うちのおばはんの注文したウォーキングストック風の、安心二本杖っていうの、今日、Amazon から届いたわよ。あんまり早くてびっくりしちゃったもんね。

どんなものがくるのかと思って、あの人もちょっと心配だったらしいんだけど、見た目は思ったより、いかにもお年寄り向きって感じには見えなくてほんとによかった、よかっただわ。 半分スポーツ用品て感じなのよ。体を支えるためっていうより本当に歩くための道具みたい。とにかくこれはおばはんみたいに坐骨神経痛で痛いから、座ってもあるいてもつい片足にばかり重心がかかってバランスが崩れている人には一本杖よりもよさそうよ。道具だから消耗品だし、使ってれば壊れたりもするらしいんだけどなんかパソコンと同じね。寿命があるみたいよ。

でもとにかく、杖は来たんだし、しばらくは慣れるまで練習が必要みたい。まあ、初めてのものはなんでもおなじだわさ。とにかくこれで使い慣れれば少しはあの人も外出が増えて、歩く量も増えるんじゃないかしら。元々はあの人、お散歩大好き人間だったんだもん。歩ければ体重管理も出来ると思うのよねえ。

荷物はもうこうなったらリュックでいくしかないし、いかにして荷物を軽くするかも研究しなくちゃ。だけどそれにしても、信用のおけるところだったら通販てほんとに便利ね。うちのおばはんは大抵Amazonだけど、楽天とか、おばはんのお友達の使っているところはやっぱりおなじく安心がおけるみたい。問題は、うちのおばはん、とにかくまじめに減量しないと足も腰も血圧もみんなだめだけど、ちゃんと普通のサイズの服も着られないから衣料品は通販まるで無理なんだわさ。ご当人が一番自覚してることだけどね。

そんなわけで今日の話はここまでよ。ほんじゃまたね。

 

 


昔々、坂本九さんが歌っていた歌

2012-06-12 18:02:51 | インポート

今はもう、遥かな大昔になってしまって。タイトルも歌詞もあやふや、メロディだけが頭にこびりついているという歌がある。今でもその歌がとても好きなのだが、もう何十年も表立って聞いたことがない。検索しても出てこない。

歌っていたのは坂本九さん。もしかしたらこの歌も永六輔さんと中村八大さんで六八九トリオの作品だった可能性があるが、今となってはまるでわからない。だいたいタイトルがわからないから探しようもないのである。

リフレインだけはかすかに今でも覚えている。

   お金いらない  名前もいらない  たださんさんと太陽がふりそそぐ

   ・・・ぽかぽか、ぽかぽか ぽかぽか、ぽかぽか 太陽がふりそそぐ

なんとなく聖フランシスコを連想させるような歌詞だった。でも九さんがあの事故で亡くなって幾星霜。いつの間にかタイトルも歌詞もわすれてしまった。この歌詞の感じは、浄土宗のお寺さんの次男坊だった永さんの作詞だったとしてもおかしくないと思うがわからない。

どなたか覚えている方はいないだろうか。先日の通り魔殺人もそうだが、殺伐荒涼とした現代人の心象風景に欠けてしまったものがあるとしたらこれではないか、この感じではないだろうか。

ぼんやりとそんなことを考えている。

 

※ 本日の普通の記事はこれの前にあります。

 


ウォーキングストックその後

2012-06-12 16:09:10 | インポート

こんにちは~、マリーで~す。

うちのおばはんは昨日あんまり、あっちこっち歩きすぎて今日はもうまるでへろへろなのよ。出かける前に腰と膝にインテバンを塗りたくって、痛み止めも飲んで、折りたたみの杖も持って出かけたんだけどさ、なにしろ昨日はやたらにたくさん歩いちゃったから今日は足首がおかしくなっちゃってるの。

ずっと前に衛生病院の整形外科の先生が足首の軟骨が磨り減ってきてるような感じだからなるべく重いものは持たないようにして、靴は足首を守るようなしっかりしたつくりのスニーカーにするようにって勧められて、足首の関節症は面倒なことになるからって注意されたのよ。だけどそんなことを言ったって、いまじゃあの人、足首も膝も、足の付け根の関節もあっちもこっちもがたがたになっちゃってるのよ。なんたって体重がまず問題なのよねえ。

そんでもって昨日は千駄木の病院の帰りにバスに乗ったら秋葉原駅前行きだったから、ひさしぶりに秋葉原を歩き回ってそれからスポーツ用品のお店の多い御茶ノ水に出て、駿河台下へずっと歩いてお店を見てまわったの。実物をいくつも見て回ると、山用とかハイキング用で、最近は街の中でも見かけるようなスポーツ用のトレッキングストックとか、トレッキングポールってのは、うちのおばはんみたいな人にはちょっと扱いにくいことがわかったのよ。

ほんで結局Amazonの通販で扱っていた高齢者用の二本杖っていうのを注文してお金も払い込んだの。色がイエローとブラウンがあって、イエローなら消費税も入れても高くても7千円くらいだったんだけど、イエローじゃあ、ちょっとさあ、場所によってはみっともよくないじゃないの。だからあの人、ブラウンのほうを注文したら、イエローより2千円くらい高かったのよ、なんか詐欺みたいだわ。

だけど届くのはまだまだ先で16日から20日頃らしいんだわ。もう何でもいいから、あたしとしてはその杖であの人が足を守りながらちゃんと減量になる運動が出来るように役に立ってほしいんだわさ。とにかく、そんなこんなで今日はあの人、くたびれちゃっておうちでおとなしくしてるのよ。

でもさっきね、NHKオンデマンドで地震に備える話や富士山の噴火の話か何かを見てたみたいだけど、地震と噴火ってやっぱり関係があったのね。そしたら人間には感じられなくたって地球の奥深くの変化を敏感に感じ取る動物や魚の異常行動って安易に無視しちゃいけないんじゃないのかなあ、って思うんだけどね。余計なお世話かしら。

ほんじゃ、今日はこれでおしまい。またね。

 


まるごとサンマ

2012-06-11 05:48:40 | インポート

おっはようございま~す。マリーで~す。今ねえ、朝の5時ちょっと過ぎよ、珍しいでしょう、こんな時間に。うちのおばはんが出かける都合があって早起きしてるからあたしもお手伝いしてるのよ。

朝早いからたまにはこんなのどうかしら。このあいだからうちのおばはんがニコニコ動画で見つけて気になっていたの。タイトルは日本の変わった食べ物画像集。URLはこれ。 http://tn-skr4.smilevideo.jp/smile?i=14889799

これの一番最後にすっごく変な物が出てくるのね。ほら、まるごとバナナっていうお菓子があるじゃない。あれにそっくりでバナナの代わりにまるごとのサンマが入ってるの。うちのおばはんも、まさかと思いながらでも韓国の変てこなサンマ寿司のこともあるし、これはほんとにあるのかしらって気にかかって、わざわざ検索して調べたの。結構いろいろでてきたんだけど、毎年4月1日限定だって言う記事があって、これはやっぱりあやしいっておもったら、やっぱりまるごとバナナをもじったニセモノだったってわかったのよ。

まるごとサンマは冗談だったけど、それ以来あの人、画像集のBGMに流れているこれもやっぱり一種の冗談音楽だけど、「交響曲第五番朝ごはん」がすごくお気に入りになっちゃってるのよねえ。知っている人は知っている有名なものだったらしいんだけど、うちのおばはんは初めて聞いて、この曲が大好きになっちゃったのね。誰でも知っているあの有名な曲のメロディでもってパロディってるんだけど、実にうまく出来てんのよねえ、これが。

あの人、こういう馬鹿馬鹿しいの大好きなの。笑えるとほら、いやなことも吹き飛んじゃうじゃない。もっとも本当にクラシックを愛好する人だと怒り出すかもしれないけどさ、そういう人は聞かないでね。笑いは百薬の長だって思ったら聞いてみてね。

今日はこの後、あの人、出かける用があるからあたしもお供しなくちゃならないし、悪いけどこの話はこれでおしまいね。

ほんじゃまたね。

 


ウォーキングストック

2012-06-10 13:14:26 | インポート

こんにちは~、マリーで~す。この時間はまだ晴れてるけど、午後は急に雨が降ったりしそうなんですってね。

うちのおばはんのご機嫌? まあまあよ。あの人、お天気屋だからころころ気分も変わっちゃうの。それに夕べからもっと気になるはなしがあって、頭の中はそっちでいっぱいなのね。あの人に言わせると自然界に大きな変化が起きる時は、よく観察していれば絶対その前からのいろいろな兆候があるものだっていうの。ただ、人間は野生動物の直感も失っちゃってるから見ていても見えなくなっているんだって。

ニュースを見たり、読んだりすれば結構気になる話が多いんだけど、あんまり気にしたくないってこともあるから実際に事が起こるまで忘れちゃうのよね。

おばはんの知り合いの人が言ってたけど、去年の大地震以来、静岡では温泉が枯れたり温度が高くなってるんですってよ。普段なら浅い海域には姿を見せない深海魚が出てきたりするのは海温が上がって、深海の底の流れが激変したってことじゃないかとか、とにかく地球の内部で何かが起こっているらしいわよ。

もちろん、用心しててもなるようにしかならないけどさ、知っていれば、いざという時に気持ちの持ちようも違うんじゃないの。なんたって日本は地震大国なんですからね。

でも、それはそれとして、あの人の今の大きな関心といったら、実は二本杖なの。スキーのストックがあるでしょう、ああいうので普段、お外に出かける時に持っていてもおかしくないような杖というか、ストックがあるのね。前にそれを使っている人を見かけてこれはいいなって思ったみたい。欧米では一種のスポーツ用品になってるらしいんだけど、そこまで行かなくていいから二本杖だと体の左右のバランスが取れて片足にばかり負担がかかるのが防げるし、そのために使えるようなのがほしいんですって。自費で買うんだからお値段も問題だし、実物をいろいろ見比べてどういうのがいいかまず検討しようってとこね。あんまり高いと欲しくてもあの人の予算じゃ買えないもん。

どうしてもお金をかけなきゃいけないのは、足が悪いからしっかりかかとを包み込んでちゃんと歩けるようなスニーカーなんだけど、これは高くてもよいものを買わないと、足に負担がかかってますます足の故障がひどくなるのよね。それとこの二本杖みたいなものは無理しても買わないとだめ。だって、あの人、足が悪いから歩きたがらない、運動不足になる、ますます歩けなくなる、悪循環になってるんだもの、これはやっぱり必要な買い物でしょう。となるとどの経費を削るかが問題。削れるのは食費しかない!! 

そんな状況だけど、とにかく今のところ、出来ることをするしかないのよね。歯の治療もまだ途中だし、焦っても仕方ないんだわさ。すべてのことには時があるって、聖書にもあるじゃない。なんかちょっと、しょぼい話になっちゃったけど、あまりにも皆様あの人の状況を知らなすぎるからあたしとしてもちょっとは言わないといけないんだと思ったの。イエス様の福音にも貧しい者は幸いって書いてあるし、貧乏自体は時には悪くもないのよ。だけど、どうしてこうなったのかが、教会の上の人にも、東京都や杉並区側にも正しい話が全然伝わっていないんじゃ、これってあの人だって絶対困るのよね。まあ、このところ多少は変わってきてるし、この先は様子をみるしかないけど。

あの人が住んでいるのは三階なのよ。足が悪くなって外階段の三階に住むってどういうことか想像できる? コロ付のキャリアバッグも本体自体が重いから階段の上り下りが大変になってから、使えなくなっちゃってるの。先日からは安いリュックを使ってるけど、あの人五十肩になってから肩があがらないのよ。あんまり重いものはもうそんなに持てないのよね。

まったく何から何まで大変なんだけど、これってさあ、いわゆる『人生』ってわけよね。他の誰のでもない、うちのおばはんの『人生』なのよね。いろいろあってもこのひとつの『人生』を上から見守っている神様のまなざしがあるかぎり、まあ、なんとかなるわよ。あの人、子供の時から、なんとかなるさで、今日まできちゃったんだもん、大丈夫だと思うわよ。泣き虫だけどしぶといもん。

そんなわけで今日はこのへんでおしまいよ。ほんじゃまたね。

 


お疲れおばはん、でも真実は真実だ

2012-06-09 23:49:51 | インポート

こんばんは~、マリーで~す。

うちのおばはんは今日はちょっとお疲れ気味なのよ。午前中お医者さんに行って血圧を測ったらなんだかやたらに高くなっちゃってたしね。あ、原因はだいたいわかってるのよ。あの人の高血圧の原因は元々の体質で塩分に弱いの。塩分感受性の高血圧で、塩気の多いものを摂りすぎるとすぐに血圧に出ちゃうの。だからなるべく塩分を控えて肉や魚より野菜とかお豆腐とかのほうがいいのよね。体重の問題のためにも野菜ならいくら食べてもいいって先生もおっしゃってたわよ。

それなのに、この間バザーで買ってきたチーズがあるからって、冷蔵庫にあったキムチの残りとチーズを使って、キムチピザを作ってみたらおいしかったもんだから食べ過ぎて、あっという間に塩分摂りすぎ、血圧上昇よ。せっかくいつもは気をつけていたのに、おいしいからって食べ過ぎれば当たり前なんだわさ。

健診の結果が全然よくなくて、おまけに足の指のほうもまだなおってないでしょ。それだけじゃなくて、パソコンを開いてニュースを見れば腹が立ってくるようなニュースが目につくし、あの人もちょっと気持ちがくたびれちゃったのね。だってさあ、生活保護、生活保護って、冗談じゃないってあの人にすれば腹も立つわよ。

何も当人が受けたくて受けてるんじゃなくて、しょうがないから受けるしかない人間はどうするんだって怒ってるの。あの人だって本来なら手に職があったのよ。あの時点でマスコミに追い回されてまともに就職できなくなっちゃったことなんか、関係者は忘れちゃってるのかしら。不正受給だから返せっていわれて返してるけど、あのお金がなければパソコンを買って習いに行ったりも出来なかったし、真実を外部に訴えることも出来なかったのよ。返済金を払うべきは本来はあの人を利用したり、知らん顔して無視していた某責任者のひと達じゃないかと思うんだけど違うのかしら。あの人、生活保護の不正受給っていう文字をみるたびに、かっと腹をたてて、ますます血圧をあげてるのよね。

ないお金を返して、何ヶ月も食べるものを削っていた人間の身にもなってみろって怒ってるのね。年金支給額はあがってもどうせその分はまた差し引かれるし、お金がなさ過ぎて、使ってしまった分もまた返還金になるんじゃないの。貧しい人はさらに貧しくなるこの仕組みに加担するマスコミって、自分たちがそんな立場に追い込んだあの頃の事件のことももう覚えてもいないのかしらね。

そんなわけで、うちのおばはんはやる気がしないからってあたしにこれを押し付けて今夜はもう逃げちゃってるのよ。明日は元気に戻っててくれるといいけど。

なんかさあ、今日はうちのおばはんの愚痴の代弁みたいになっちゃったからこの辺で終わるわね。ほんじゃまたね。