2006年 アメリカ映画
2000年の韓国映画『イルマーレ』のリメイクです。実は本家の韓国バージョンも見たことがあるのだけど、ええ、毎度のことながらうろ覚えでございます…だから、そう、こういうことが何度もあったから、あたくしこのブログ始めたのよね。物忘れ防止のために。
おぼろげな記憶なのだけど、ものすごく透明感のある美しい映画だったことは覚えているのよ。細かいところは覚えてないんだけど、韓国映画が得意とする「純愛」路線はもちろんのこと、うまいひねりのあるストーリー展開で映画に引き込まれた記憶が。
そんな繊細な映画のハリウッドリメイク。アメリカ映画がどこまで作りこめるか。
正直、この映画見るの、怖かったのよ。ほとんど覚えていないとはいえ(おい)、美しくて面白みのある映画だったから、良いイメージが残っているじゃない?だからハリウッド版の出来がいまいちだったら、通常のがっかり具合では済まない訳よ。落差が激しいわけ。主演の二人は豪華だけど、うーーーん、どうなんだろう、と。だって、『スピード』の2人よ?いや、2人とも好きだけど、「カーアクション&勢い映画」で共演していたからって、だからなんだって言うの??…というのが正直な気持ちだったわけで。だって、趣が全然違うじゃない? 同じシリーズで共演するのとはわけが違うし。そしてこれは私の個人的な見解なんだけど、キアヌの映画って当たり外れ激しいし・・・。
映画を見始めて10分くらい。「ああ、嫌な予感が当たっちゃったかなぁ…」とすでにあきらめモードだったんだけど、これがね、意外に良かったのよ!全く「序章」と言うものがなく、もう初っ端から物語が始まっちゃっていて、最初の10分は「え?えっ??展開早い、っちゅうかいきなり話の核心に触れすぎていて状況が飲み込めない」というがっかりがあったの。いきなり詰め込みすぎてる感じがして。あ、あくまで「あたくしは」よ。そらどんなに展開が早くても、「ばっちこーい」とついていける人も大勢いるんだろうけどさ。あたくしには早かったわ。でもその後すぐに回復。
私はサンドラ・ブロックがとても好きなの。役の幅が広くてものすごくシリアスな社会派ドラマもうまいし、コメディーは抜群に面白いし。でも強面じゃない、彼女?だからベタベタのラブ・ストーリーのサンドラ・ブロックを見るのも、実は怖かったりしたのよ。なんか、逃げ道がほしくなっちゃうような。見てるほうが恥ずかしくなっちゃうのよ。
でもね、この映画、全く持ってコメディーではないし、王道のラブストーリーなんだけど、所々にちょっと笑えるユーモアのある会話があったりして、それがすごく良かったわ。そのユーモアの根源はもちろんサンドラね。あ、サンドラというかケイトね。主役の。ケイトは医者で、ものすごく聡明な女性。それで冗談のひとつも言えないまじめ一本の人物像だと、映画の中でのキャラクターが弱いのよね。でもユーモアが加わることで、ケイトという役柄に息吹が吹き込まれたように思う。もっと身近で親近感の持てる人物像が確立される。もちろん台詞として台本の中に存在している言葉なのだから、誰が演じようと「ユーモアのある女性」という役柄になるのは当然なんだけど、サンドラがうまいのはこの部分。ただの「台詞」ではなく、その一言や会話のテンポで「クスっ」と笑わせるのよ!これってものすごく難しいことだと思うのよ、あたくし。台詞に「言わされてる」感がないの。
この相手役がキアヌ(アレックス)なんだけど、キアヌが相手だからこそ、この台詞回しの「間」が生きてくるのかもね。相手がへたくそだったら、笑いとまでは行かないけど、この「クスッ」が殺されてしまうわけだし。この「クスッ」って、この映画の中でものすごく大事な要素だったと思います。ケイトと恋人との会話の中では出てこない「クスッ」なんです。アレックスのときは出てくるの。この笑いにも満たないかもしれないけど、心を開いているからそのユーモアが伝わる間柄=ケイト&アレックスの絆の強さが伝わる「クスッ」なんです!!!
2004年のケイトが登場するシーンでは、たった2年なんだけどその「古さ」がきちんと出ていて面白かったです。髪型とか表情とか。細かいところだけど、ただ設定が「2004年(2年前)」なのではなく、ビジュアル的にも「ちょっと前」の雰囲気が出ていました。
キアヌって、どこと無く陰のある静かな役どころが本当に良く似合うと思いました。
そうそう、韓国版では「イルマーレ」は海辺に立つその家の名前だったんだけど、このアメリカ版では、街にある高級レストランの名前なのね。アメリカ版はそもそも海ではなく湖に建っているし(だから、原題は『The Lake House』ね)。一応、そのレストラン『イルマーレ』は話のキーにはなっているんだけど、映画の題名として使うほどかと言えば全くそうではない。ただ、韓国版『イルマーレ』と言う名前のイメージが日本では強く定着しているから、リメイク版の名前も同じものを使うと言うのは仕方が無いことだな、と思います。
アレックスが建築家なのは韓国版と同じ。でもケイトの人物像や、物語の舞台である「家」の歴史などは全く異なるもの。話のベースは同じなんだけど、アメリカ版独自の性格を持った映画だったと思います。全く別のものではないけど、韓国版・アメリカ版、それぞれがそれぞれの良さを持って独立しているような。
アレックスの弟が、なんか役に地に足が着いていなくて、ちょっと浮いている印象だし、絶対にアレックス(キアヌ)と兄弟には見えないんだけど(笑)、それでも映画は良かったです。
おすすめ度:☆☆☆☆
2000年の韓国映画『イルマーレ』のリメイクです。実は本家の韓国バージョンも見たことがあるのだけど、ええ、毎度のことながらうろ覚えでございます…だから、そう、こういうことが何度もあったから、あたくしこのブログ始めたのよね。物忘れ防止のために。
おぼろげな記憶なのだけど、ものすごく透明感のある美しい映画だったことは覚えているのよ。細かいところは覚えてないんだけど、韓国映画が得意とする「純愛」路線はもちろんのこと、うまいひねりのあるストーリー展開で映画に引き込まれた記憶が。
そんな繊細な映画のハリウッドリメイク。アメリカ映画がどこまで作りこめるか。
正直、この映画見るの、怖かったのよ。ほとんど覚えていないとはいえ(おい)、美しくて面白みのある映画だったから、良いイメージが残っているじゃない?だからハリウッド版の出来がいまいちだったら、通常のがっかり具合では済まない訳よ。落差が激しいわけ。主演の二人は豪華だけど、うーーーん、どうなんだろう、と。だって、『スピード』の2人よ?いや、2人とも好きだけど、「カーアクション&勢い映画」で共演していたからって、だからなんだって言うの??…というのが正直な気持ちだったわけで。だって、趣が全然違うじゃない? 同じシリーズで共演するのとはわけが違うし。そしてこれは私の個人的な見解なんだけど、キアヌの映画って当たり外れ激しいし・・・。
映画を見始めて10分くらい。「ああ、嫌な予感が当たっちゃったかなぁ…」とすでにあきらめモードだったんだけど、これがね、意外に良かったのよ!全く「序章」と言うものがなく、もう初っ端から物語が始まっちゃっていて、最初の10分は「え?えっ??展開早い、っちゅうかいきなり話の核心に触れすぎていて状況が飲み込めない」というがっかりがあったの。いきなり詰め込みすぎてる感じがして。あ、あくまで「あたくしは」よ。そらどんなに展開が早くても、「ばっちこーい」とついていける人も大勢いるんだろうけどさ。あたくしには早かったわ。でもその後すぐに回復。
私はサンドラ・ブロックがとても好きなの。役の幅が広くてものすごくシリアスな社会派ドラマもうまいし、コメディーは抜群に面白いし。でも強面じゃない、彼女?だからベタベタのラブ・ストーリーのサンドラ・ブロックを見るのも、実は怖かったりしたのよ。なんか、逃げ道がほしくなっちゃうような。見てるほうが恥ずかしくなっちゃうのよ。
でもね、この映画、全く持ってコメディーではないし、王道のラブストーリーなんだけど、所々にちょっと笑えるユーモアのある会話があったりして、それがすごく良かったわ。そのユーモアの根源はもちろんサンドラね。あ、サンドラというかケイトね。主役の。ケイトは医者で、ものすごく聡明な女性。それで冗談のひとつも言えないまじめ一本の人物像だと、映画の中でのキャラクターが弱いのよね。でもユーモアが加わることで、ケイトという役柄に息吹が吹き込まれたように思う。もっと身近で親近感の持てる人物像が確立される。もちろん台詞として台本の中に存在している言葉なのだから、誰が演じようと「ユーモアのある女性」という役柄になるのは当然なんだけど、サンドラがうまいのはこの部分。ただの「台詞」ではなく、その一言や会話のテンポで「クスっ」と笑わせるのよ!これってものすごく難しいことだと思うのよ、あたくし。台詞に「言わされてる」感がないの。
この相手役がキアヌ(アレックス)なんだけど、キアヌが相手だからこそ、この台詞回しの「間」が生きてくるのかもね。相手がへたくそだったら、笑いとまでは行かないけど、この「クスッ」が殺されてしまうわけだし。この「クスッ」って、この映画の中でものすごく大事な要素だったと思います。ケイトと恋人との会話の中では出てこない「クスッ」なんです。アレックスのときは出てくるの。この笑いにも満たないかもしれないけど、心を開いているからそのユーモアが伝わる間柄=ケイト&アレックスの絆の強さが伝わる「クスッ」なんです!!!
2004年のケイトが登場するシーンでは、たった2年なんだけどその「古さ」がきちんと出ていて面白かったです。髪型とか表情とか。細かいところだけど、ただ設定が「2004年(2年前)」なのではなく、ビジュアル的にも「ちょっと前」の雰囲気が出ていました。
キアヌって、どこと無く陰のある静かな役どころが本当に良く似合うと思いました。
そうそう、韓国版では「イルマーレ」は海辺に立つその家の名前だったんだけど、このアメリカ版では、街にある高級レストランの名前なのね。アメリカ版はそもそも海ではなく湖に建っているし(だから、原題は『The Lake House』ね)。一応、そのレストラン『イルマーレ』は話のキーにはなっているんだけど、映画の題名として使うほどかと言えば全くそうではない。ただ、韓国版『イルマーレ』と言う名前のイメージが日本では強く定着しているから、リメイク版の名前も同じものを使うと言うのは仕方が無いことだな、と思います。
アレックスが建築家なのは韓国版と同じ。でもケイトの人物像や、物語の舞台である「家」の歴史などは全く異なるもの。話のベースは同じなんだけど、アメリカ版独自の性格を持った映画だったと思います。全く別のものではないけど、韓国版・アメリカ版、それぞれがそれぞれの良さを持って独立しているような。
アレックスの弟が、なんか役に地に足が着いていなくて、ちょっと浮いている印象だし、絶対にアレックス(キアヌ)と兄弟には見えないんだけど(笑)、それでも映画は良かったです。
おすすめ度:☆☆☆☆