しばらくは最近1年間に見た映画の感想をアップしていきます。
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『父親たちの星条旗』を見てきました。クリント・イーストウッドが監督をしているもので、2部作の第一弾。『ちちおやたちの…』なのだけど、どうしても私は『おやじたちの…』と読んでしまう。なんか響き的にそのほうがしっくりきてしまって(個人的に)。
C・イーストウッドの監督作品って『許されざるもの』、最近では『ミリオンダラー・ベイビー』と、派手ではなく心にズシリとくる感じがします。今回のは題材が戦争だから、それは容易に想像がつくのだけど、面白いのは2部作ということ。同じ戦争での戦い(この場合は硫黄島)をアメリカ側と日本側から撮るという。映画の終わりに『硫黄島からの…』のトレーラーが流れたんだけど、アメリカ側で描かれているけれど画面に出てこなかった側面やロジックが次回の日本側で明かされる模様。
かなり面白そうだけど、うちの旦那(外人です)には難しいだろうから彼はDVDを待つそう。当時の言葉遣いだから、理解するのが難しいんだよね。
今回はキャストがよかったなぁ、と二人でうなづきました。
主役のライアン・フィリップ。名前も顔も一致するのにどの映画に出ていたのか全然思い出せない。今ネットで調べてみたら、彼の映画、一本も見たことないらしい。でも何で知ってるんだ?・・・と思ったら、リース・ウィザースプーン(『キューティー・ブロンド』のひと)のダンナでした。いや、元ダンナ。
もう1人、ジェシー・ブラッドフォードはキルステン・ダンスト主演の『チアーズ』で彼氏役でした。あの時かわいいと思ったんだけどなぁ…。当たり前だけど、年取ってました。でも童顔。
主役3人のうちのもう1人は、アダム・ビーチ。初めて見る俳優さんで、役と同じくネイティブ・アメリカンの血を引いているそう。
第二次世界大戦で、日系2世は「自分たちはアメリカ人だ」という証明のために自ら志願して最前線に送られた。当時アメリカでは日系人のみが強制収容所での生活を余儀なくされた。同じく敵国の血を引くドイツ系、イタリア系にはそんな処置はとられなかったのに。
私の大学での専攻が北米の日系人の歴史だったので、それについてだけは本で読んだりしたことがあったのだけど、この映画を見て、『人種』という問題の深さをあらためて認識させられました。そして戦争が彼らの立場向上に一躍かったという皮肉。ちょっと考えてみれば、それは当たり前に存在することがわかるのに、私はこの映画を見るまでその方向からのアプローチをしたことがなかったなぁ、と。
また、ベトナム戦争以降、戦争体験による「トラウマ」とか「PTSD」の研究が進められたけど、この当時はそういう社会的認識も全くなかったということ。
随所に戦争そのもののみでなく、それらと同時進行している問題群のヒントがちりばめられていて、いろいろな角度から考える機会を与えてくれた映画でした。
2部作のもう一方『硫黄島からの手紙』の感想は2007年1月にアップした感想を参照。『硫黄島…』のほうが映画的な評判はいいようで、『父親…』のほうは「ありきたりすぎる」「がっかり」という言葉もよく耳にしました。確かに新鮮味はないけど、『父親…』のほうがわかりやすかったし、映画としての面白みを感じました。
お薦め度:★★★★
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『父親たちの星条旗』を見てきました。クリント・イーストウッドが監督をしているもので、2部作の第一弾。『ちちおやたちの…』なのだけど、どうしても私は『おやじたちの…』と読んでしまう。なんか響き的にそのほうがしっくりきてしまって(個人的に)。
C・イーストウッドの監督作品って『許されざるもの』、最近では『ミリオンダラー・ベイビー』と、派手ではなく心にズシリとくる感じがします。今回のは題材が戦争だから、それは容易に想像がつくのだけど、面白いのは2部作ということ。同じ戦争での戦い(この場合は硫黄島)をアメリカ側と日本側から撮るという。映画の終わりに『硫黄島からの…』のトレーラーが流れたんだけど、アメリカ側で描かれているけれど画面に出てこなかった側面やロジックが次回の日本側で明かされる模様。
かなり面白そうだけど、うちの旦那(外人です)には難しいだろうから彼はDVDを待つそう。当時の言葉遣いだから、理解するのが難しいんだよね。
今回はキャストがよかったなぁ、と二人でうなづきました。
主役のライアン・フィリップ。名前も顔も一致するのにどの映画に出ていたのか全然思い出せない。今ネットで調べてみたら、彼の映画、一本も見たことないらしい。でも何で知ってるんだ?・・・と思ったら、リース・ウィザースプーン(『キューティー・ブロンド』のひと)のダンナでした。いや、元ダンナ。
もう1人、ジェシー・ブラッドフォードはキルステン・ダンスト主演の『チアーズ』で彼氏役でした。あの時かわいいと思ったんだけどなぁ…。当たり前だけど、年取ってました。でも童顔。
主役3人のうちのもう1人は、アダム・ビーチ。初めて見る俳優さんで、役と同じくネイティブ・アメリカンの血を引いているそう。
第二次世界大戦で、日系2世は「自分たちはアメリカ人だ」という証明のために自ら志願して最前線に送られた。当時アメリカでは日系人のみが強制収容所での生活を余儀なくされた。同じく敵国の血を引くドイツ系、イタリア系にはそんな処置はとられなかったのに。
私の大学での専攻が北米の日系人の歴史だったので、それについてだけは本で読んだりしたことがあったのだけど、この映画を見て、『人種』という問題の深さをあらためて認識させられました。そして戦争が彼らの立場向上に一躍かったという皮肉。ちょっと考えてみれば、それは当たり前に存在することがわかるのに、私はこの映画を見るまでその方向からのアプローチをしたことがなかったなぁ、と。
また、ベトナム戦争以降、戦争体験による「トラウマ」とか「PTSD」の研究が進められたけど、この当時はそういう社会的認識も全くなかったということ。
随所に戦争そのもののみでなく、それらと同時進行している問題群のヒントがちりばめられていて、いろいろな角度から考える機会を与えてくれた映画でした。
2部作のもう一方『硫黄島からの手紙』の感想は2007年1月にアップした感想を参照。『硫黄島…』のほうが映画的な評判はいいようで、『父親…』のほうは「ありきたりすぎる」「がっかり」という言葉もよく耳にしました。確かに新鮮味はないけど、『父親…』のほうがわかりやすかったし、映画としての面白みを感じました。
お薦め度:★★★★