はぎおの「ツボ」note

興味がかなり偏ったはぎおが「ツボ」にはまったことを、のんびりと、時に激しく?!思いつくまま綴ってます…

「深川澪通り木戸番小屋」

2012-05-03 11:09:24 | 記録:歴史・時代劇

もともと、NHKで放送されていたドラマでこの原作の存在を知りました。
正直、そんなに熱心に見ていたわけじゃないんですが、つい先日、CSで偶然最終話を見てしまって、主人公夫婦の壮絶な人生と、その経験からにじみ出る優しさに、グッと来てしまいました。

主人公夫婦には、神田正輝・池上季実子のお二人。とても大人でしっとりとした人情話にはピッタリなキャスティングだなぁと思いました。

そこで、原作を読んでみると、実はドラマは基本的な設定を残し、かなりオリジナルな作品だったことに気づきます↓

深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)
北原 亞以子

講談社

川沿いの澪通りの木戸番夫婦は、人に言えない苦労の末に、深川に流れて来たと噂されている。
思い通りにならない暮らしに苦しむ人々は、この2人を訪れて知恵を借り、生きる力を取りもどしてゆく。
傷つきながらも、まっとうに生きようとつとめる市井の男女を、こまやかに暖かく描く、泉鏡花賞受賞の名作集。(Amazonより)

 

主人公夫婦の名前は「笑兵衛」と「お捨」。この名前自体、本名ではなく、謎に包まれたまま。でもちゃんと理由があります。
二人とも年配で、お捨さんは色白でぽっちゃり。ドラマのイメージとは若干異なりますが、ぶっきらぼうの笑兵衛さんとコロコロと笑う明るいお捨さんは、お二人のイメージそのものでした 

今よりもずっとしきたりに縛られ、決して裕福でない時代。
生活するには本当に苦労の絶えない時代のはずなのに、一話一話がとても温かく、血が通った生活をしていたんだと、改めて感じます。

 

第1巻で一番好きな話は「ともだち」
夫を失い、気落ちしながらも、何とか日々の生活を送っている年配の女性が、偶然同世代の女性と知り合いになる。
意気投合し、月に一度茶飲み話をしようと約束するものの、当日になっても相手は来ない。
やっと本音を話せる相手を見つけたと思ったのに、落胆・葛藤する一日が手に取るように伝わってきて、ラストに心染みるものがありました

 

チャンバラとか、カッコいい武士なんて出てきません。
ものすごいドラマティックなこともありませんが…その普通の生活から起きる話だからこそ感動できるのでしょうか。

先にドラマの最終回を見てしまい、夫婦の生い立ちを知っているからだからでしょうか。
ついつい世話を焼きたくなるお捨さん、そしてそれを見守る笑兵衛さんの姿が微笑ましくてなりません

 

原作は今でも続いているようです。
まぁはぎおのこと。どこまで読めるかわかりませんが、とてもいい作品に出会えました


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