先日、家で録画した舞台や映画の保存状況をデータ化した話をしましたが、結局未だに見ていないという
そんな中、テレビでリアルタイムに放送された舞台作品を見ました。
(地人会新社HPより)
舞台の上演のことは全く知らず、八千草薫さんのインタビュー番組でその存在を知りました。
公演は6月。放送がとても早く、うれしかったですね。
(ストーリーはこちら↓【ネタばれ】)
戦後アメリカに渡り、内科医として成功をおさめたエミール(吉田栄作)。妻・タマール(保坂知寿)と二人の子供(万里紗・田中菜生)、そして母・フリーダ(八千草薫)と暮らしている。フリーダはウクライナでの記憶を消すかのごとく、当時の事を語らない。その上、かくまってくれていたウクライナ人・オレスコ氏についても時折複雑な思いを口にするだけだ。 学校でホロコーストの事が課題となっている17歳になる孫娘の質問攻めに、少しずつ話はじめるフリーダ。そんなある日、オレスコ氏の娘アーラ(かとうかず子)が尋ねてくる…。(地人会新社HPより)
これは、ノーベル化学賞受賞者である、ロアルド・ホフマン氏の体験を、自らが戯曲化したという、大変珍しい作品。「天は二物を与えず」というのは、ウソですね 化学と文学で成果を残される、素晴らしい方です。
とはいえ、体験は壮絶。
ドイツナチスのユダヤ人に対する残虐な行為は知られるところですが、ポーランド・ウクライナ・ロシア、そしてドイツの間で、このような哀しい出来事が起きていようとは。
数年の間、厚意あるウクライナ人の屋根裏で過ごし、命からがらアメリカへ。
ただ、当時の世相がそうさせるのか、ウクライナ人全てを憎む母。
幼少だったからと、当時の記憶を思い出せない息子。
それは、悲惨な記憶を封印していて、思い出そうとしないのではないかと思っている妻。
単純に課題となっているホロコーストについて、経験者の祖母を質問攻めにする孫。
さまざまな葛藤を抱える登場人物たちの前に、当時の関係者の娘が現れることで、波紋を投げかける・・・
正直・・・登場人物が多くて、ちょっと難しかった
けれど、これは、もう一度じっくり見てみたい。そんな気がしました。
八千草さん。。。どうも今ガッツリはまってる「やすらぎの郷」のイメージが強すぎて、「ねぇ」と言われると、ついつい「姫」を思い出してしまいますが ホロコーストについて、孫に聞かれるうち、体の中からの「怒り」が画面から伝わってきます。80歳を超えてもなお現役。素晴らしい女優さんです。
吉田さん。やはり背が大きい方は舞台向きですよね。舞台姿を初めて拝見しましたが、とてもよかったです。過去を受け入れようとする姿、真実が分かった時の葛藤。迫力がありました。
立ち回りのある時代劇とか見たいなぁ。
妻役の保坂千寿さん。ミュージカル以外で初めて拝見しましたが、さすが、口跡が明確で、そして厳しくも温かく夫や義母の過去を理解しようとする知的な妻役がとても新鮮でした。
やはり、四季の方は、ミュージカル以外でも経験豊富という事なんですね。
出番は少なかったですが、かとうかず子さんも、舞台で初めて拝見しました。
華があってガタイがいいので(失礼)舞台映えしますね。
もっと舞台姿を見たいですね。
子役?の方たちも、溌剌としてて。
息子役の田中菜生さん、途中まで男の子だと思ってました。
舞台役者って、層が厚いですよねぇ。
偶然とはいえ、見ることができて、新たな知識・経験を得られて本当に良かったです。
追記:一幕・二幕最初の「神様と天使の人形劇」って必要だったのかな~なんて思うのは、素人考えですか