goo blog サービス終了のお知らせ 

Macとロードと音楽と

別冊「Pink Noiz World」
バンド,PC/Mac,サイクリングのネタを3本柱にボヤいています。

竜宮城便り③

2024-11-30 | 入院日誌



ここは竜宮城の隅にある、地上でいう診療所。早く良くなって故郷に帰れる日を待つハギーでした。


竜宮城で闘病中に書いたノンフィクションです。よかっから覗いてみて下さい。


〜幼くして命を落とした、二人の兄を偲んで〜


私は五人兄妹でした。一番上は長女でその下が三人の兄達です。長男の名前は「勲」次男「孝」三男「勝」そして末っ子の四男の私は「進」です。見た通り漢字一文字です。父のセンスは最高だったと思います。私も真似してふたりの息子に、一文字名前を付けました。

時はさかのぼり、昭和30年代初頭に事件が起こります。当時は当たり前だった囲炉裏のコタツで、一歳だった私は眠っていました。やがて着物に火が燃え移りボヤになり、大火傷を負いました。幸い私は現在まで生きています。その後、再び悲しい事件が起こります。近くの村で疫病が発生したのです。消毒などの応援のために、父は村を代表して駆り出されました。仕事を終え帰ってきた父は、疫病の菌を持ち帰ってしまったのです。当時、小学生だった次男と三男は発病し亡くなりました。孝は小学一年生の夏休みでした。父は、さぞかし無念だったことでしょう。そんな父も亡くなり、長男も昨年78歳の生涯を閉じました。三人の兄達は、今頃天国で取っ組み合いの兄弟喧嘩をしていると思います。出来る事なら、私はこちらの世界でその兄弟喧嘩に加わりたかったです。そんな喧嘩をしたことが無かったし、私は次男と三男の記憶が無いからです。私と長男の兄は幸せな人生を歩むことが出来ました。しかし、幼くして亡くなった真ん中の兄達は、学校の楽しさ、社会の厳しさ、恋愛の素晴らしさ、家庭の暖かさを知りません。同じ一文字名前なのに、こんな不公平なことがあっていいんでしょうか。一番上の姉と一番下の私はそんな事を心の隅っこに置いて、今を生きています。


尚、二人の兄達が亡くなった数年後、母親も旅立ちました。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿