諏訪湖のほとり、人口約2万人の長野県下諏訪町で唯一の酒蔵だった1912(大正元)年創業の老舗蔵元「御湖鶴」を製造していた菱友醸造が、2017年4月に自己破産し事業停止後、福島県いわき市の運送会社、磐栄運送が引き継ぎ2018年10月より仕込みを再開しました。
この時に再興に取り組んだのが現在の諏訪御湖鶴酒造場 竹内重彦 酒造本部長さんだったそうです。ご自身は長野銘醸(千曲市)で2017年7月まで酒類統括部長兼杜氏を務めていたのですが、家庭の事情で退職し、酒造りから離れていましたが、再び現場に戻れるようになった時期だったこともあり、杜氏(とうじ)を探しているとの話を聞き、興味を持った竹内さんは現況を聞いてから、御湖鶴の酒蔵を視察、そして磐栄運送の村田会長に会いに行き、「世界に通用する酒を造ると同時に、蔵を観光資源にして地域を盛り上げたい」と思いを語り、事業計画や収支計算書を示したところ、再興に取り組むことになったそうです。
日本酒は、現在ではただ酒を造れば儲かるような楽観的な状況ではない事、将来を見据えた時に、まずは環境を整えて、最初から全国でまた、諏訪は県内でも屈指の観光地なので、酒蔵を観光資源として活用し、地域振興につなげたいという気持ち、もトップクラスの品質を目指すことを考え、2018年10月より仕込みを再開、初年度の試験醸造実施後、老朽化の激しかった蔵を解体、新築し、2020年1月より仕込みを最新設備で本格稼働させたとのことです。
諏訪は県内でも屈指の観光地なので、酒蔵を観光資源として活用し、地域振興につなげたいという気持ち、旨いお酒のすべてが売れているわけではなく、酒質が進化がする特定名称酒の市場には、美味しいお酒はたくさんある事、ハイレベルなのに一度も飲まれないまま、埋もれていくお酒もたくさんある事、日本酒の最初の1杯を飲んでいただくことが、いかに難しいかという事から「御湖鶴」の名を残し、その知名度を活かした方がいいと考えたそうです。もちろん、旨いと感じ、繰り返し飲んでもらえるレベルのお酒を造らなければならないのは言うまでもありませんが。
そして2021年、諏訪御湖鶴酒造場さんは、IWC 2021でチャンピオン・サケ受賞したのでした。
今回、私達が応援した「御湖鶴」のピンバッジは、かつての「御湖鶴」レトロラベルのボトルデザインピンバッジとなりました。
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