GSX750R カウル修理(その2)

2013年03月24日 | 乗り物いろいろ

前回の続き

あらかたヒビ割れや欠損部分の修理が終わったら

全体を粗め(100#)のペーパーでならしていきます。

ラインの出し方が難しいのは板金をやられた方ならおわかりと思いますが

ちょっとしたズレも、案外ハッキリわかってしまうものなので

ここは丹念に削り込んで整えます。

 

欠損部分も、手で触って凹凸が感じられなくなるまで

しっかり削り込みます。

 

本来、ABS樹脂の補修ですと、プラリペアなどを使うと思いますが

まあ、なるべくお金掛けないようにとFRPで補修してますが

とにかく密着性が悪いので、ここでひと工夫しています。

白っぽい部分はFRPですが、この境目の部分を

再度、コテを使ってFRPに寄せるような感じで溶かし込んでいます。

こうすることで、ちょっとしたFRPの凹凸に樹脂が絡んでくれて

少しでも密着性を上げようという意味です。

これをやったからと言って、もちろん樹脂同士の密着が上がるわけではないですが

少しでも結合を高めようということです。

最後は、この表面を思いっきり荒らして、クロスを貼って補強します。

 

この後、240#のペーパーで磨き込んで、サフェーサーを吹きます。

これで塗装に移るわけではなく、サフェーサーを塗ることで

小さなピンホールや、ヒビが発見されますので、そこはしっかり補修します。

写真のように、凹凸や削り跡が見つかりました。

この作業を2~3回繰り返すことにより、非常にきれいな下地が出来上がります。

下地が完了すれば、全体の8割は終わったも同然。

下地で手抜きをすると、上塗りをいくら頑張っても、きれいな仕上がりは望めません。

ここは、腰を据えて仕上げていきます。

 

次回に続く


GSX750R カウル修理(その1)

2013年03月20日 | 乗り物いろいろ

先日の山行きで、友人の乗る750Rが、雪解け水で荒れた路面にて転倒してしまいました。

彼はかなりの使い手なのですが、事故った場所にはスライダーの破片があったり

ラジエター液らしきものも路面に着いていたことから、先客がいらしたということですね。

たいして攻めていたわけではないのですが、突然リヤがスリップしたと言ってますので

まあ、先客の残した物による洗礼を受けたみたいな・・・

 

幸い大した怪我もなく(といっても全身打ったみたい)よかったのですが

バイクの方はって言うと、ちょっとあちこち痛めてしまいました。

このバイク、今は亡き友人の形見として乗っているものなのですが

その初代オーナーも、事故などでダメージを与えており

カウルには多数の亀裂が入っている状態です。

今回、結構ダメージがあったので、ここはこの際直してしまおう!

ということで、持ってきてもらいました。

 

まずは備忘として、現状とカラーリングの記録

 

こうやって見ると、さほど傷んでいないようですが

あちこちひび割れているため、全体の剛性感がありません。

下手をすると、バキッ!と割れてしまいそうです。

 

最終的に欠損部分はFRPによって再生しますが

まずは、亀裂部分の補強のため、半田ごてにより樹脂を溶接しました。

これ臭いので、十分換気しながら行わないと、頭が痛くなります。

亀裂をコテで溶かして、双方を混ぜるような感じで溶かし込んでいきます。

表面は荒れますが、固まってからヤスリで整えてパテ整形しますので

気にせず十分に溶かしていくことが大事です。

感じとしては樹脂の厚みの半分くらいまで溶かすような。

 

一通りの溶接が終わったら、欠損部分の再生を行いました。

こんな感じで、再生する部分が上手く馴染むように

ボール紙にガムテープを貼ったもので、土手を作ります。

 

ポリエステル樹脂をそのまま流し込むのは無理なので樹脂パテ方式でいきます。

ガラス繊維をハサミで細かく切り刻んで(1~2mmくらい)

こんな綿のようなものを作ります。

そして樹脂に硬化剤を混ぜて、すぐにこの刻んだ繊維を入れて

十分に攪拌すると、こんな樹脂パテが出来上がります。

これ、ほぼ流動性は無いので、横向きの部分に塗っても流れてしまうことはありません。

おまけに繊維入りですから、強度も十分あります。

仕上げは普通のボディーパテを使わないときれいになりませんが

厚く塗りたいとか、強度を持たせたい時には、非常に便利です。

で、先ほど土手を作ったところに、押し込むような感じで塗っていきます。

押し込んだら、中の気泡を出来るだけ抜くように、叩くというかつつくというか

とにかく、内部に十分行き渡り隙間が出来ないように押し込みます。

ガムテープには樹脂が密着しないので、離型剤を塗らなくてもOKで

こういう簡単な修理には便利です。

最近では色々な種類のガムテープがありますが、

出来れば表面がなるべくツルツルしたものがいいです。

 

今日みたいに夜で15度もあるような暖かい日だと

主剤:硬化剤の比率が、指定では10:1程度なのですが

およそ10分程度で硬化が始まってしい、のんびりしてられませんでした。

 

ある程度固まったら土手は外してしまいます。

完全に硬化してからだと、ちょっと剥がしづらいですね。

 

こんな感じに、欠損部分の再生が出来ました。

 

純正のカウルなどは、ABS樹脂で出来ていますので

FRPが同化するわけではありません。

むしろ下地を荒らしておかないと、密着がわるいかもしれませんので

ちょっと荒すぎかな?って思えるくらいに傷をつけた方が、しっかりします。

ちなみに、私は100#のサンドペーパーで荒らしています。

 

これが完全に乾いたら、あとはひたすら面出しして塗装に移ります。

 


GX750 強制減圧バルブの取り付け

2013年03月19日 | GX750

フロントのステム交換後に、軽く山を走ってみましたが

もう以前の強情なハンドリングは、どこかへ行ってしまった感じです。

後ろに荷重を掛け過ぎの乗り方自体もよくないのですが

余計な力を使わなくて済むってことは、極めて楽だということですね。

 

山へ行く前に仕入れておいた強制減圧バルブなんですが

GX1型の場合、クランクのブローバイ取り出しからクリーナーBOXまでの

距離が極めて短く、どう装着しようか???

などと考えているうちに山行きになってしまったので、効果のほどは

十分試していません。

 

色々な方が試されていますが、なかなか予算的に厳しいなあ~ なんて時に

友人から「KTMの純正品が安いですよ~」なんて聞いたもので

まあ、これが効くか効かないかは騙され半分で付けることにしてみたわけです。

こんな感じのものですが、4000円でお釣りが来るくらい。

 

強制減圧については、以前「爽快チューン」の吉村さんマシンに

乗らせて頂いた時、えらくスムーズに加速減速することに

かなりの感動を覚えました。←いやこれはホントに驚きでした。

ギクシャク感の大きい3気筒マシンがスムーズになれば

更に楽チン! ですよねえ。

 

で、ホームセンターをうろついている時に、配管コーナーで

ちょうどよいサイズのエルボを見つけたため、これを使って配管してみました。

 

まずはBOXを外して

パイプの取り付けを見ると・・・

こんなように、ゴムチューブが刺さっていました。

おお!ちょうどいい感じのサイズじゃない。

差し込んでみると・・・

なんだか、ピッタリ収まってしまいました。

そして買ってきたエルボを差し込んで・・・

あとはクランク側の配管と接続してOK。

意外にあっさり付いてしまいました。

 

で、インプレなんですが

アクセルのON・OFFに対して、もっとスムーズになるものなのかって

思っていたのですが、極端な変化は感じませんでした。

それでも、装着前よりラフに動かしても車体の挙動が少ない感じはします。

でも、やはり効果があるんだなって感じた点は

シフトダウン時の合わせが上手くなったような感覚を覚えたことです。

急にそんな技術が向上するわけないです。

しかし、シフトダウンが面白いように決まります。

これやはり減圧の効果なんでしょうね。

どちらかと言えば、減速よりも加速時のピックアップが良くなったことでしょうか。

加速は明らかによくなりました。

決して加速スピードが上がったとか、そういうのではないですが

アクセルを開けた時に、瞬時についてくるようなフィーリングです。

 

今のところ10分程度しか乗っていないので、まだまだテストが足りていませんが

後付けパーツとしては、まあまあかなあ~ってとこです。

そのあたりは、次回のお山で試してみます。


GX750 冬ごもり終了

2013年03月03日 | GX750

実に3ヶ月近くも更新していませんでした。

ブログとしては、化石同然ですね。

 

冬の寒~い間も、まったくバイクにさわっていないわけではないのですが

書き綴るネタが無いというか、まあ書くほどのことはやっていなかったです。

そろそろ、走り初めのお誘いもあったことだし、やりたかったことを実践してみるか!

ってことで、まずは消耗品の交換。

リヤタイヤも1年半(5,000km程度)でツルツルになりましたので、ここらで交換です。

ネットで探してみると、メッツラーのレーザーテックがお手頃なんで

今回はこれをチョイスしました。

サイズも標準?の、120/90-18に変更

※今まで装着していたのは、120/80-18

サイドがしっかりしている感じがします。

走ってみた感じですが、新品を付けた感動が無いっていうか

それだけ自然な特性ってことでしょうか。

でも、明らかにコシがしっかりした感じはします。

家の近所を少し走っただけなので、何とも言えませんが

そのあたりは、お山で確かめたいと思います。

ついでにリヤのブレーキパッドも交換しました。

 

ここまでは単なる消耗品の交換ということですんなりと終了です。

 

で、今回やってみたかったこと。

今まで、どうしても車体をバンクさせると、内側に切れ込もうとする挙動を

手で押して抑えるような乗り方をしていたのですが

これやっぱり疲れますし、自然な感じではないです。

 

前輪を19⇒18に落としていることが原因なんでしょうが

フォークの突き出しを極端に変えても、満足する状態にはなりませんでした。

当時の主流(フロント19インチ)を考えても、一応スポーツバイクですから

極端なキャスターアングルが付いているわけでもないですし

それでいて、見た目結構なオフセットの付いたステム周りですから

フォーク突き出しを極端に変えても、十分な効果がないってことを考えると

これは、トレール量が少なくなりすぎているのかなあ~なんて思ったわけです。

 

35Фなんていうフォーク用のステム周りなんて、

今ではなかなか見つけることが難しいですねえ。

SR400、500なんかも同じフォーク径なんですが、見た目からして

同じようなオフセット量ですし、どれもオフセットが大きいなあ~なんて

物色しているときに、ある車種のボトムケースに目が止まりました。

 

XS750なんですが、意外に気づかなかったですねえ。

何が気になったかって言うと、当時のアメリカン風バイクは

今のようにキャスターが寝ていませんから、それでも雰囲気的に長いフォークに

したいため、リーディングアクスルになっていたわけです。

ボトムケースを長~くして、前足を長く見せる作戦ですね。

アクスルシャフトがボトムケースの中心を貫通しておらず前に移動した分、

GXと同じディメンジョンでは、ものすごくトレール量の小さな車体になってしまうわけです。

だから、そこを補うためにオフセットが少ないのでは??

ってことで、まさにその通り。

GX750の上に、XS750のステムを重ねています。

かなり違うことがわかります。

 

2つを並べてみました。(左:GX750  右:XS750)

 

おおよそですが、寸法差はこんなにもありました。

 

GX750用

 

XS750用

 

図面を描いてとかしてませんので、だいたいですが20mm程度の差がありました。

 

装着そうのものは、基本構成が同じということで、ほとんど加工はないです。

ハンドルポストの幅が若干違うとか(取り付け方で調整可能)そんな程度です。

ただ、XS750って、フォーク径が36Фなんですね(汗

仕方ないので、0.5mm厚のスペーサーを作成してフォークをクランプしました。

 

実際に乗ってみた感想はって言うと、ヘルメットの中で笑ってしまいました。

もう、これが純正だよねえ~って感じの、実にニュートラルな感じです。

車体の切り返しなんかも、前と比べると雲泥の差の軽さです。

いつも通るとハンドルが小刻みにとられる場所も、

まったくすんなりと通過してくれちゃいました。

 

あとは、走りながらフォークの突き出しを少しずつ変えて

微調整を楽しんでみようと思ってます。

ただですねえ、オフセットが少なったおかげで、フォークがタンクに当たってしまう

弊害もあったりして・・・ 

というオチがあったのも事実・・・