RZ50 フルカウル製作(その2)

2016年06月19日 | 乗り物いろいろ

前回はマスター型の上にマットを積層して、カウルをコピーをしたところまででした。

通常のFRP工作ですと作ったものがメス型となり、その内側に積層して初めて製品とするのですが

今回は1つのみの製作なので、これを整形してカウルとしていきます。

複製といっても、実際には一回り大きいわけですから、正確な複製ではありませんね。

 

積層した際には、なるべく平滑になるように貼っていきますが、それでも表面は結構な凸凹状態になっています。

当然といえば当然なのですが、これをいきなりシェイプしてしまうと、繊維をどんどん削っていってしまうので

せっかく樹脂に絡まって強度を持たせているものを、どんどん強度低下させていってしまうわけです。

 

そこで今回は、シェイプ前に表面の凸凹を出来るだけ無くすために、ポリエステル樹脂で作ったパテを

表面に塗っていく工程となります。

 

パテも色々なところで簡単に入手出来るわけですが、これが結構なお値段なわけです。

特に今回のように表面積の広いものですと、その使用量たるや・・・

そこで登場するのがポリエステルパテです。

この名前で売られている製品を買ったことがありますが、臭いを嗅ぐかぎり同じものみたいです。

 

で、用意するものはマットの積層に使っているポリエステル樹脂とこの白い粉です。

白い粉っていうのも何だか・・・ ですが、これはタルクという製品名で売られているものです。

一般的には赤ちゃんのおしりに塗る、ベビーパウダーですね。

もちろんタルクは香料など入っていません。

しかも2kgで700円くらい。

商品説明はこれくらいにして、こいつを硬化剤を入れる前のポリエステル樹脂に入れていきます。

配合比率としては、1:1となっていますが、これは好みの粘りをかき混ぜながら

混合していくのが良いと思います。

硬化剤はあくまでもポリエステル樹脂の分量に対して反応していくので、そこは要注意です。

とにかくタルクのダマが残らないように、一生懸命攪拌していきます。

硬化剤が入っていないので、慌てる必要はありません。

十分な攪拌を行ったら、そこに硬化剤を混ぜて更に攪拌します。

硬化剤を混ぜると、その時点から硬化反応が始まるので、ここからは時間との戦いです。

冬場は硬化がゆっくり進むので慌てる必要がないのですが、いまはとにかく反応が良すぎです。

通常、樹脂:硬化剤は、100:1 の割合なのですが、100:0.5でも十分に反応してしまいます。

それとタルクを混ぜて粘りが出ると硬化剤も混ざりにくくなるため、とにかくよく混ぜるのが重要です。

 

例によって塗っている最中は一生懸命なので写真はありません・・・

こんな感じに全体に厚みのムラがないように塗っていきました。

自分は100均のキッチン用品売り場にある「ゴムへら」を使っています。

これ、適度にシナりがあるため、塗り広げるには使いやすいと思います。

硬化するまでは1時間もかからないのですが、厚く塗った部分は内部がまだ硬化中なので

完全に硬化したら、こいつをガリガリ削って、表面を整えていくことにします。

 

ps.同時作業の別カウル&シート

梅雨の合間にやっと塗装出来る湿度の日がきたので、やっと色を入れられました。

グースの色はなかなか難しいのですが、ホンダ用のカースプレーで近似色が見つかったので

それで仕上げ塗りをしました。

手前のシートは友人から借りている、型取り準備中のものです。

どこの製品かわかりませんが、下地作るまでが結構大変でした。(巣穴が多くて)


RZ50 フルカウル製作(その1)

2016年06月12日 | 乗り物いろいろ

友人所有のRZ50ですが、もう乗らなくなった(正確には腰を悪くして乗れなくなった)ので

売却したいと相談があり、こちらに送ってもらいました。

いろいろ相場を見てみると、もちろん状態にもよりますが結構値幅があるようです。

そのまま売却してもよかったのですが、状態の非常に良い車体でおまけに低走行(10,000km未満)なので

こりゃ一丁カスタムしてみるか!ということになったわけです。

1から製作となると、まずはマスター型を作らねばなりませんが、今回は我が家にあるRS125のカウルをベースとしました。

ヤマハなのにホンダのカウル?? そこはご愛嬌ということで!

合わせてみるとサイズはどんぴしゃ。70年代のものなので、デザインはぴったりですね。

ちょうどホンダのレーサーがMTR125からRS125に移行したすぐ後あたりでしょうか。

RZ50自体が昔のTZを彷彿とさせるデザインなので、フルカウルは本当によく似合います。

このカウル装着にあたっては、ステー製作とハンドル交換くらいで完了です。

ステップ位置なんて換える必要ないくらいにいい位置です。

 

FRPでのカウル製作は以前に失敗したことから、それなりにあれこれ作って多少は学習しました。

ただ複製品を多数作るわけではないので、今回はサーフボード方式(勝手に名づけてます)でいきます。

通常カウル製作はマスター型よりメス型を取って、そこから製品になるものを内側に貼り込んでという

方法になりますが、サーフボードと同じくマスター型の上に貼りこんだものの表面をシェイプしていく手順になります。

これはコストは掛かりませんが、表面を仕上げていくのにじっくり削りこみしないといけないため

それなりの手間は掛かります。ただFRP樹脂やマット・クロスといった材料は半分で済みますので

まあお安く出来るわけです。

注意点としては、FRPがガラス繊維で強度を持たせているため、削りすぎにより繊維を切断しては

著しく強度不足になりますので、均一に表面を均していく必要があります。

このあたりの仕上げ段階については、また改めて。

まずはカウルを複製することにしましょう!

 

マスター型となるRS125のカウルに養生テープを貼り付けます。

この養生テープは表面にワックスを塗らなくても簡単に離型出来るくらい密着性が低いので

マスター型の表面処理としては最適だと思います。それでもワックスは塗るんですけどww

車用の固形ワックスで十分に効果ありです。

 

今回の作り方としてもうひとつ。

カウルの装着方法なのですが、とにかく外装というのはメンテするときに非常に邪魔くさいものです。

なんとか簡単に脱着が出来ないものかと考えた結果、ワンピースで複製することにしました。

一番底部を分割すれば、前輪などを外さなくても、カウルが簡単に取り外し出来るわけですね。

もちろんマスター型に抜くことが出来ないような勾配があれば話は別ですが

これは何とかギリギリでイケそうです。

 

今日みたいに気温が高いと、とにかく樹脂の硬化時間が早いので

張り終わるまで時間との戦いなのですが、硬化剤の割合を減らしてなんとか時間を稼ぎます。

そんなことで張っている間の写真はありません(笑)

いきなり脱型(笑)

いや~これは抜くのに手こずりました。

でも抜ける寸前がなんとも気持ちいい~

 

ちなみに今回使用したポリエステル樹脂はノンパラフィンタイプです。

この樹脂にパラフィンという成分を入れるか入れないかの違いは乾燥後の表面状態です。

パラフィン入りは表面がカリッと硬くなるので出来上がりに艶が出るそうですが

逆に密着性が低くなるため乾燥後に積層する場合は表面を足付けしてやらないと

剥がれる可能性が高いらしいです。

今回みたいに大きいものだと樹脂が足りなくなって追加の樹脂を撹拌している間に表面が乾燥してしまう

ようなことも考えられるので、密着性のよいパラフィンなしを選んだわけです。

また今のように気温が高いときは、通常の混合比率が主剤:硬化剤(100:1)くらいですが

100:0.5でもあっという間に固まってしまいました。

時間にすると10分くらいでしょうか。

大物ですと作る樹脂も多く(今回は一度に500cc)なるので、発熱もあって余計に硬化が早まるのでは?

なんて考えてます。

これは数こなして体で覚えるしかなさそうです。

これは2プライ(マットの2枚積層)ですが、ちょっと強度が足りない気もするので

あと1枚裏側から貼る予定です。

 

次回は表面仕上げ・・・