前回はマスター型の上にマットを積層して、カウルをコピーをしたところまででした。
通常のFRP工作ですと作ったものがメス型となり、その内側に積層して初めて製品とするのですが
今回は1つのみの製作なので、これを整形してカウルとしていきます。
複製といっても、実際には一回り大きいわけですから、正確な複製ではありませんね。
積層した際には、なるべく平滑になるように貼っていきますが、それでも表面は結構な凸凹状態になっています。
当然といえば当然なのですが、これをいきなりシェイプしてしまうと、繊維をどんどん削っていってしまうので
せっかく樹脂に絡まって強度を持たせているものを、どんどん強度低下させていってしまうわけです。
そこで今回は、シェイプ前に表面の凸凹を出来るだけ無くすために、ポリエステル樹脂で作ったパテを
表面に塗っていく工程となります。
パテも色々なところで簡単に入手出来るわけですが、これが結構なお値段なわけです。
特に今回のように表面積の広いものですと、その使用量たるや・・・
そこで登場するのがポリエステルパテです。
この名前で売られている製品を買ったことがありますが、臭いを嗅ぐかぎり同じものみたいです。
で、用意するものはマットの積層に使っているポリエステル樹脂とこの白い粉です。
白い粉っていうのも何だか・・・ ですが、これはタルクという製品名で売られているものです。
一般的には赤ちゃんのおしりに塗る、ベビーパウダーですね。
もちろんタルクは香料など入っていません。
しかも2kgで700円くらい。
商品説明はこれくらいにして、こいつを硬化剤を入れる前のポリエステル樹脂に入れていきます。
配合比率としては、1:1となっていますが、これは好みの粘りをかき混ぜながら
混合していくのが良いと思います。
硬化剤はあくまでもポリエステル樹脂の分量に対して反応していくので、そこは要注意です。
とにかくタルクのダマが残らないように、一生懸命攪拌していきます。
硬化剤が入っていないので、慌てる必要はありません。
十分な攪拌を行ったら、そこに硬化剤を混ぜて更に攪拌します。
硬化剤を混ぜると、その時点から硬化反応が始まるので、ここからは時間との戦いです。
冬場は硬化がゆっくり進むので慌てる必要がないのですが、いまはとにかく反応が良すぎです。
通常、樹脂:硬化剤は、100:1 の割合なのですが、100:0.5でも十分に反応してしまいます。
それとタルクを混ぜて粘りが出ると硬化剤も混ざりにくくなるため、とにかくよく混ぜるのが重要です。
例によって塗っている最中は一生懸命なので写真はありません・・・
こんな感じに全体に厚みのムラがないように塗っていきました。
自分は100均のキッチン用品売り場にある「ゴムへら」を使っています。
これ、適度にシナりがあるため、塗り広げるには使いやすいと思います。
硬化するまでは1時間もかからないのですが、厚く塗った部分は内部がまだ硬化中なので
完全に硬化したら、こいつをガリガリ削って、表面を整えていくことにします。
ps.同時作業の別カウル&シート
梅雨の合間にやっと塗装出来る湿度の日がきたので、やっと色を入れられました。
グースの色はなかなか難しいのですが、ホンダ用のカースプレーで近似色が見つかったので
それで仕上げ塗りをしました。
手前のシートは友人から借りている、型取り準備中のものです。
どこの製品かわかりませんが、下地作るまでが結構大変でした。(巣穴が多くて)