絵じゃないかおじさん

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あ@仮想はてな物語・「万葉おおみわ異聞」20/20

2022-04-22 07:41:36 | おぼけまみれ
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        絵じゃないかおじさんグループ





 白蛇さん、麻糸でぐるぐる巻きされている。

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 四郎太さん、あなたは、白蛇だったの。
 わかった。
 すべてが分かったわ。

「四郎太さん、
 白蛇さん、
 どちらでもいい。
 私には同じ人ですもの。
 あなたが分かってきたわ。
 あげる。
 すべてをあげる。
 終わったら、そっと私を噛んでね」

{雪香、許しておくれ}

「いいの、そんなこと、もうどうでもいいの。
し あ わ せ よ」

{ありがとう}

 これが、あなたなのね。あなた。

(雪香、暖ったかい)

 ステキ。
 最高に幸せよ。
 私はあなたの為に生まれてきたの。
 あなたに抱かれて、もうこれ以上のものは何もいらない。

(ゆきか・・・)

 私の心はあなただけのもの。
 私はあなたしか知らない。
 あなたの居ない世界なんてないの。

(たった一人の心を奪われた、可愛いお前。
 人間であったなら、
もっと幸せにしてやれたのに・・・
 ただ心を結べたことだけが慰めだ)


 淡い夜霧ごもりの黒き蒼天に滲む天の河原には、
 二つ星がきらきらと輝いていました。

 その日を境にして、雪香も白蛇も、
 人々の前から姿を消してしまったそうです。
 村の人たちは、雪香は神隠しにあったのだ
などと、
 噂をしていましたのですが、
 75日も過ぎますと、もう雪香のことは
忘れてしまって、
 何も言わなくなってしまいました。



 その年の、年の瀬の大掃除の時のことでした。
 神杉の根元の空洞の中で、
 うす桃色に染まった、
 三重の美しい輪になった、
 白い蛇の脱け殻が見つかったそうです。



 その時以来、村の人々は、その神社をみわ様と
 呼ぶようになったと言うことです。
 それは、三つの輪になった
白い蛇の脱け殻からとも、
 その美しい輪を指しているとも言われております。



                          
  おわり




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