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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
* 新益京に駄犬コロ帰る(047)
コロが修業を終えて帰って来るという。
ジョジィから、連絡が入った。
私は戦々競々としている。
ヤツにどんな復讐をされるのか、思っただけでも憂欝になってくる。
もちろん仕掛けたのはおれだから致し方のないことだ。
帰ってくるなと言っても、ヤツは魔犬と化している。
凡人の私の歯が立つわけない。
けれども、犬は3日も飼えば恩は忘れないとも言うから、
救いがないわけではない。
どちらにしろ、私が播いた種なのだから、
ヤツの気の済むようにさせてやろう。
まさか取って食ったりはしないだろう。
ジョジィもその辺りは言い聞かせてくれているだろう。
コロがどんな能力を身につけているのか分からない。
ジョジィは何も教えてはくれないからだ。
ある土曜日の夕方、サヤカとツーリングから帰ってみると、
コロが帰ってきていた。
私は恐る恐るヤツの目を見た。
怒りの色は感じられない。
ヤツは尻尾まで振っている。
「コロ、よく帰ってきたな」
つづく
あ@仮想はてな物語 新益京に駄犬コロ帰る (2/3)
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疾しさを感じつつ頭から背中に掛けて撫でてやる。
身が引き締まって精悍な感じがする。
風格も出てきたようだ。
「コロ、前とちっとも変わらないね」
2~3日して、Oさんが言った。
一日中、どったりと寝そべっているという。
私には、それが不気味に映る。
次の土曜日の午前中、Oさんが買物に行った隙に、私は、サヤカに
口述ワープロ打ちをさせていた。
その時である。
コロのヤツが背中に頭をそっと押しつけてきたのだ。
鎖に繋いでいるはずなのに。
私は、もうびっくりして腰を抜かす程だった。
ヤツとは知らなかったし、ヤツと知って、またびっくり。
ヤツはサヤカの手の代用品の変速ペダルに括りつけてある、
割り箸を軽く口で取り上げ、突然ワープロを打ち始めた。
鮮やかな2本打ちのお手並み。
ヤルー!
つづく
あ@仮想はてな物語 新益京に駄犬コロ帰る (3/3)
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「オッさん、ワープロ抱えてて」
私は言う通りにする。
ヤツは寝転んで手足4本を使って、
奇妙に問わず語りを打ち始めた。
藻掻き苦しんでいるような格好だ。
それにしても、すごーい。
始めは、あなたのことを恨んでいた。
しかし、今はこんな素晴らしい、
世界があるのを知って感謝している。
ジョジィ仙人についていろいろな術を教わった。
そのうち徐々にご披露します。
ただ、私の術はジョジィ仙人の許可がないと
使用できないので、
ご期待に添えるかどうかわかりませんが、
ご一家のご幸福のために協力しますので、
いつでもお言い付け下さいと、素晴らしく早いスピードで打った。
帰りは空中を飛んで帰って来たのだが、
橿原市の上空で久米の仙人も引っ掛かったという、
ピンク・ゾーンに、もうちょっとで捕まるところだった。
幸い去勢手術をしてもらっていたので、
それは可愛い牝のポメラニアンの、
水浴び姿を見ても、ダッチロール程度で済んだ。
もう少しで、折角マスターした術を失う所だった。
私は、今はサヤカさんと自由に話も出来るようになっている。
鎖の外し方も知っている。
そんな事を表示してくれた。
何とも頼もしい味方が出来たものだ。
それにしても、あのキータッチのお見事さ。
さては、ジョジィめ、コロに代打ちさせていたのだな。
ジョジィが、シフトキーを使う謎が解けた。
待てよ!
ということは、またあの読みづらいひらがな文の、
ジョジィのパソ通メールに、
付き合わなければならないのか!
ああ、しんど!
速射砲 思わせるごとくの キータッチ
ワープロ怖れいる 歳噛みしめる
ち ふ
この項おわり
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