絵じゃないかおじさん

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あ@仮想はてな物語(逸話) 新益京に駄犬コロ帰る  (1/3)

2019-02-04 13:10:36 | 仮想はてな物語 



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 * 新益京に駄犬コロ帰る(047)


 コロが修業を終えて帰って来るという。
 ジョジィから、連絡が入った。

 私は戦々競々としている。
 ヤツにどんな復讐をされるのか、思っただけでも憂欝になってくる。
 もちろん仕掛けたのはおれだから致し方のないことだ。
 帰ってくるなと言っても、ヤツは魔犬と化している。
 凡人の私の歯が立つわけない。

 けれども、犬は3日も飼えば恩は忘れないとも言うから、
 救いがないわけではない。
 どちらにしろ、私が播いた種なのだから、
 ヤツの気の済むようにさせてやろう。
 まさか取って食ったりはしないだろう。
 ジョジィもその辺りは言い聞かせてくれているだろう。

 コロがどんな能力を身につけているのか分からない。
 ジョジィは何も教えてはくれないからだ。

 ある土曜日の夕方、サヤカとツーリングから帰ってみると、
 コロが帰ってきていた。
 私は恐る恐るヤツの目を見た。
 怒りの色は感じられない。
 ヤツは尻尾まで振っている。

 「コロ、よく帰ってきたな」



つづく



あ@仮想はてな物語 新益京に駄犬コロ帰る  (2/3)



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 疾しさを感じつつ頭から背中に掛けて撫でてやる。
 身が引き締まって精悍な感じがする。
 風格も出てきたようだ。

 「コロ、前とちっとも変わらないね」

 2~3日して、Oさんが言った。
 一日中、どったりと寝そべっているという。
 私には、それが不気味に映る。

 次の土曜日の午前中、Oさんが買物に行った隙に、私は、サヤカに
 口述ワープロ打ちをさせていた。

 その時である。
 コロのヤツが背中に頭をそっと押しつけてきたのだ。
 鎖に繋いでいるはずなのに。
 私は、もうびっくりして腰を抜かす程だった。
 ヤツとは知らなかったし、ヤツと知って、またびっくり。
 ヤツはサヤカの手の代用品の変速ペダルに括りつけてある、
 割り箸を軽く口で取り上げ、突然ワープロを打ち始めた。

 鮮やかな2本打ちのお手並み。

 ヤルー!


つづく



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 「オッさん、ワープロ抱えてて」

 私は言う通りにする。
 ヤツは寝転んで手足4本を使って、
 奇妙に問わず語りを打ち始めた。
 藻掻き苦しんでいるような格好だ。


 それにしても、すごーい。

 始めは、あなたのことを恨んでいた。
 しかし、今はこんな素晴らしい、
 世界があるのを知って感謝している。
 ジョジィ仙人についていろいろな術を教わった。


 そのうち徐々にご披露します。
 ただ、私の術はジョジィ仙人の許可がないと
 使用できないので、
 ご期待に添えるかどうかわかりませんが、
 ご一家のご幸福のために協力しますので、
 いつでもお言い付け下さいと、素晴らしく早いスピードで打った。


 帰りは空中を飛んで帰って来たのだが、
 橿原市の上空で久米の仙人も引っ掛かったという、
 ピンク・ゾーンに、もうちょっとで捕まるところだった。

 幸い去勢手術をしてもらっていたので、
 それは可愛い牝のポメラニアンの、
 水浴び姿を見ても、ダッチロール程度で済んだ。
 もう少しで、折角マスターした術を失う所だった。
 私は、今はサヤカさんと自由に話も出来るようになっている。
 鎖の外し方も知っている。


 そんな事を表示してくれた。
 何とも頼もしい味方が出来たものだ。
 それにしても、あのキータッチのお見事さ。

 さては、ジョジィめ、コロに代打ちさせていたのだな。
 ジョジィが、シフトキーを使う謎が解けた。

 待てよ!
 ということは、またあの読みづらいひらがな文の、
 ジョジィのパソ通メールに、
 付き合わなければならないのか!
 ああ、しんど!


 速射砲 思わせるごとくの キータッチ
  ワープロ怖れいる 歳噛みしめる
                       ち ふ


                       
   この項おわり



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