copyright (c)ち ふ
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
五十鈴川沿いに走っている。
ひんやりとして寒い。
20kmぐらいのスピードで、ゆっくりゆっくりと進んでいく。
対向車にも会わない。
中学生の言葉を聞いていなかったら、
即、引き返したいような道だ。
蝮や蛭が、今にも飛び付いて来そうな感じがして、
そんなことを想像するだけでも、
背筋がぞくぞくとしてくる。
何としても抜け切らなければならない。
[行くぞ、サヤカ]
サヤカは答えない。
こんな山のなかにでも1km以内に人が居るのだろう。
誰かが山仕事でもしているのだろうか?
わずか20kmあまりの道程なのに1時間以上かかった。
目の前に五ヶ所湾が見えた時には、ホッとした。
ドライブ・インでカツカレーを食べ時間を見たが
1時過ぎであった。
民宿を見て帰っても、十分時間が余りそうだったので、
国道260号を離れて、海岸沿いの小道に入った。
太平洋は穏やかだった。
海面がキラキラキラッと光り輝いている。
私は、サヤカのエンジンを切り、海岸を歩いてみようと思った。
その時である。
[キー切らないで!]
つづく
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