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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
* Sサヤカが、パールロード上空を飛んだ ?! (005)
その日は、国道25号、伊勢自動車道、23号、167号から
パール・ロードに入った。
夏も終わりに近かった。
パール・ロードには、初秋の風が吹いていた。
赤トンボが、あちらこちらに群れをなして飛んでいた。
左前方には太平洋が拡がっている。
快適、快適! 爽快だった。
私は、60km前後で景色を見ながら走っていた。
天気は快晴で、土曜日の昼前。
車はほとんど走っていない。
少しシーズンをはずれているせいでもあるのだろう。
その時、
[アクセル・グリップを回して]という声が聞こえたように思った。
[もっと強く]
60、70、80、90・・100・・スピード・メーターが上がってゆく。
免停だ、と思った瞬間、サヤカが空に舞い上がったのだ。
バランスは崩れない。
眼下には、太平洋の切れ端が拡がっている。
つづく
あ@仮想はてな物語 Sサヤカが、パールロード上空を飛んだ?!(2/3)
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赤トンボの群れに突っ込み、飛ぶわ飛ぶわ。
気持いーいっ。
左前方下方には、太平洋がゆったり拡がっている。
[グリップを弛めないで]
また、声が聞こえてきた。
空中を走る不安定さもない。
[少しだけ戻して]
ゆっくりとサヤカは下りてゆく。
すーっと頭が軽くなるようだが、目を回すほどでもない。
[もう少し、ゆっくり]
パール・ロードに向かってサヤカは近づいてゆく。
ガードレールにぶつかりそうだ。
つづく
あ@仮想はてな物語 Sサヤカが、パールロード上空を飛んだ?!(3/3)
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[ちょっと上げて]
ガードレールすれすれに、サヤカはパール・ロードに着地した。
コの字形のパール・ロードを飛びこえるようなかたちで
サヤカが空を飛んだのだ。
その飛距離、数100m。
そんな離れ業を見せつけておきながら、
サヤカは、何事も無かったように、
澄ましたままで、走り続けていた。
太平洋 眼下に見下ろす 宙走に
赤とんぼ散る パール・ロード晩夏
ち ふ
この項おわり
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