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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
<ドン作雑文集より>
平成初めの頃です。
ブツブツ教信者の良ヒネも、例に漏れず、1週間かけて、約400kmの薄暗い死出の山道を歩いた。彼の頭の中を捕らえているものは、最後に書き上げた地獄の屏風絵の評判ばかりであった。あのいまいましい横川の僧都さえが、絶賛してくれた逸品である。
しかし、彼の欲望は底を知らない。何100万の一般の大衆の心が気になるようだ。彼らに、どこまで理解してもらえるかが、気になって仕方なかった。
7日目に、第1チェッカーの秦広王に出会う。良ヒネは、地獄行きを初めから希望する膚の変わった自称芸術家である。あることないこと殺生の数々を申し立てて、是非とも8大熱地獄最大の「阿鼻地獄行き」を望むが、もちろん彼には資格などありはしない。
つづく
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